最近、コロナウィルスにまつわるドタバタ劇があったので、ふだんは滅多にそういうことを口にしない人物からも珍しく社会に対する不平不満というか、重い吐露のようなものが見受けられた。 そして、社会に対する不平不満に対しては最近では付き物になった例の口調、つまり個人の持っている不平不満の全ての原因はその張本人にあるのだという自己責任論的な調子で、「このように世の中が腐敗しているのは君たちが選挙に行かないからだ」と巡り巡って若者が責められているのを目にした。このような光景は珍しいものではないというか、誓って言うが、僕が物心ついたときから既に言われているのだし、もう何十年も前から継続して繰り返されている光景だと思う。 そして、非常に大きな規模で繰り返し起きている問題をふつうミクロの、個人の意思の問題としては扱わない。たとえば、一人の人間がその当人の怠慢によって何らかのミスを一度きり犯した場合、これはその