自身も発達障害(学習障害)の息子を育てるフリーランス編集者・ライターの黒坂真由子さんが数多くの専門家や当事者に取材し、まとめた『発達障害大全』。本書から、信州大学教授・本田秀夫氏へのインタビューを抜粋し、紹介します。 今回のテーマはASD。日本語では、「自閉症」や「自閉スペクトラム症」と呼ばれるASDは、対人関係が苦手で、こだわりが強いことを特徴とします。日本自閉症スペクトラム学会会長などを歴任する、ASD研究の第一人者、本田秀夫氏に話を聞きました。ASDの当事者などが一番困っているのは、実は、対人関係でもなければ、こだわりの強さでもないといいます。何が一番の問題なのでしょうか?(2023年7月取材) 本田秀夫氏 信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授・同附属病院子どものこころ診療部部長。精神科医師。医学博士。1988年、東京大学医学部卒。東京大学医学部附属病院、国立精神・神経セン