前回の記事「競馬・宝くじと比べれば明快 生命保険は行動経済学的に不合理」で、保険商品の設計などを手がけている、ある保険計理人の発言をご紹介した。要約すると「保険でお金を用意すると費用が高くつくので、入るとしたら、世帯主の死亡保険くらいに限定するほうがいい」と言われたのだ。保障目的の保険では、保険料のうち、保険会社の経費や利益になるお金の割合が、競馬の約25%より高く、宝くじの約55%より高い例もある。保険にあれこれ入ってしまうと、損しやすいということだ。 実際、筆者が知る限り、保険に明るい保険会社の内勤部門の人たち――いわば、保険のプロともいえる人たち――は、保険の利用を「世帯主の死亡保険くらいに限定」していて、利用する期間も子育て期間中や定年までの一定期間にとどめている。 プロが愛用する「団体保険」 彼らがなぜ世帯主の死亡保険に入るのかといえば、世帯主の死亡はめったに起きないものの、起き