「グリーンIT」という言葉に対して、みなさんは今、どれくらい関心をお持ちだろうか。筆者の感触としては、地球温暖化問題を議論した2008年7月開催の「洞爺湖サミット」をピークに、徐々に関心が薄れていったように思う。現在でもグリーンITに関連した話題は出てくるが、2年前と比べると大幅に少なくなっている。 こんな雰囲気に追い討ちをかけるかのように、この4月には、環境庁がややもすると楽観的な気分にさせる統計を公表した。日本における2008年度の温室効果ガス排出量(確定値)が前年度比で6.4%も減少したというのだ。 2007年度は排出量が前年比2.4%増で、「京都議定書の削減目標の達成は極めて難しい。排出量取引で多額の出費が必要」などと騒がれていた。事態は急に好転したようにみえる。 実際のところ、決して楽観はできない状況にある。環境省は温室効果ガスが大幅に減った主な理由として、深刻な景気悪化の影響を