ATMから引き出されるユーロはすべて、欧州中央銀行(ECB)からの緊急資金供与に裏付けられている。 ギリシャの救済策が延長されなければ、こうしたECBの緊急融資が疑わしくなる。 ギリシャのアレクシス・チプラス首相は7月5日の国民投票実施を決めており、銀行のバランスシートにかかる圧力を限定する選択肢をいくつか持っている。だが、どの措置にも重大なマイナス面がある。 ■当局はどうやってギリシャの銀行を支えることができるのか? ECBが890億ユーロの緊急流動性支援(ELA)枠を撤廃したり制限したりした場合、ギリシャには主に2つの選択肢がある。銀行休業か資本規制だ。 銀行休業は銀行からの資金流出を食い止めるが、経済に対する明白な代償を伴う。物理的な銀行取引が事実上、停止されるからだ。 これに対して資本規制はATMからの引き出しと一定の支払いを認めるが、それにも制限がある。こうした制限は実行するのが