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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba (310)

  • アベノミクス・勝ち切れない失敗の連鎖 - 経済を良くするって、どうすれば

    ひと頃の日サッカーは、先制すると攻勢が消え失せ、退いて守って逆転ゴールをらう悪い癖があった。優位になったときにこそ厳しく向かい、勝ち切るまで絶対に手を緩めないというのは、勝負事の鉄則である。経済も同じで、足元の景気が好調だと、「財政出動は、もう十分だろう、あとは成長戦略に注力して」となりがちだが、これが失敗の質だ。財政による1兆円の需要減は造作ないが、これを埋められる大きさの成長促進策は存在しない。勝負が着くまで、幻想に酔って財政を疎かにする甘さは絶対に許されない。 ……… 9月の経済指標が一斉に公表され、7-9月期GDPは、内需停滞、外需牽引の形になることが明確になった。それぞれ前期の反動が出るに過ぎないが、景気の明るさに慢心している向きには、良い薬になるだろう。デフレに慣れ切っているから、少し良くなっただけで、すぐ嬉しくなってしまう。当の勝負どころは、ここからだ。内需の好循環を

    アベノミクス・勝ち切れない失敗の連鎖 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 出世払い型の奨学金は公的年金で実現できる - 経済を良くするって、どうすれば

    昔、母に「偉い作家さんが、糧危機に備えて、米を自宅に蓄えているそうだ」という話をしたことがある。糧難を経験した母は感心するかと思いきや、「その作家さんは、ご近所に隠れて、ご飯をべるつもりなのかい?」と返された。なんだか、自分だけが助かれば良いという心根を見透かされたようで、少し恥ずかしく感じた。苦難にあって、どう備えるべきか、その答えは、一人では出せないものだ。 ……… 総選挙で与党が2/3を制し、消費増税の使途変更による幼児教育の無償化などの実現は確定的となった。しかし、高等教育での大幅な負担軽減は、財源が足りずに、ほとんどできないだろう。そこで、出世払い型の奨学金が実現できないか考えてみた。むろん、前回と同様、公的年金を活用することになる。結論から言うと、可能なんだけど、連帯する力を日人がどれだけ持っているか、試されるような気がするね。 まず、奨学金の額だが、大学4年分の学費を

    出世払い型の奨学金は公的年金で実現できる - 経済を良くするって、どうすれば
  • アベノミクス・政治にできること、できないこと - 経済を良くするって、どうすれば

    また、「経済を良くします!」という絶叫を聞かされる時節となった。これにうんざりして「どうすれば、できると言うんだ」という筆者のつぶやきがコラムのタイトルのゆえんだ。経済は作物のようなもので、伸ばそうと引っ張り上げたり、鍛えようと踏みつけたりしても、枯らすだけである。政治にできることは限られている。それを知らぬから、威勢の良いことが言える。 ……… 8月の経済指標が金曜に公表になり、雇用は好調、消費は一服という結果だった。労働力調査では、男性の就業者数が前月比+10万人となり、昨年12月のピーク超えを果たした。雇用者数では-3万人だったものの、前月に次ぐ高水準である。この背景には、輸出を伸ばす製造業の求人増がある。下図で分かるように、昨年の後半から水準を上げ、医療・福祉を抜き、先頭に立って雇用を牽引するようになっている。 他方、消費は、家計調査の消費水準指数が前月比で横バイ、同(除く住居等

    アベノミクス・政治にできること、できないこと - 経済を良くするって、どうすれば
    ko_chan
    ko_chan 2017/10/10
    世間知に上行かれてるよな。
  • 希望の党の経済政策・安東泰志氏の論考を読んで - 経済を良くするって、どうすれば

    小池新党の政策を知りたいと思い、ダイヤモンドO.L.(10/4)で、安東さんの論考を読ませていただいた。そこで感じたのは、日の財政当局のトリックに引っかかっているのではないかという心配だ。このトリックには、民主党政権も、消費増時の安倍政権もだまされている。筆者は、日には、安定的で無理のないマクロ経済運営をしてもらいたいと願っており、この観点から指摘するものである。 アベノミクスの特徴は大規模な金融緩和であるが、大規模な財政出動もしていると、よく誤解される。事実は、補正後の歳出総額は、民主党政権以来、100兆円程度と横バイである。看板の「機動的な財政政策」は、歳出の膨張を意味していないのに、勘違いされやすい表現になっている。トリックは、当初予算を小さめにし、補正を積んで、いかにも膨らませたように見せ、実際には前年並みに抑制するテクニックである。 結局、アベノミクスの実態は、金融緩和+緊縮

    希望の党の経済政策・安東泰志氏の論考を読んで - 経済を良くするって、どうすれば
  • 10/7の日経 - 経済を良くするって、どうすれば

    マスコミ的には、「希望の党の首班候補は誰か?」というのが面白くて、出て来ないと批判もしたくなるのだろうが、自民党が参議院の単独過半数を持っている以上、そんなのは意味がない。仮に、希望の党が衆議院で過半数を制したとしても、自民党と連立しない限り、1も法案が通らずに野垂れ死にだ。連立の最大の武器は、首班を譲ることなのだから、希望の党が首班候補を持たないのは、むしろ合理的とさえ言える。 シナリオとして考えるべきは、自公が過半数割れした場合、希望の党は、比較第1党の自民党から首班を出させ、代わりに目玉の政策を呑ませるというものだろう。したがって、消費増税凍結と原発ゼロの実現は想定しておかなければならない。それどころか、「誰がなるかより政策だ」と言って逆手に取り、「首班は捨てても、凍結とゼロだけは、必ず認めさせるから支持して」と国民に訴えられたら、自公には大変な脅威になるだろう。 (今日までの日経

    10/7の日経 - 経済を良くするって、どうすれば
    ko_chan
    ko_chan 2017/10/10
    “連立の最大の武器は、首班を譲ることなのだから、希望の党が首班候補を持たないのは、むしろ合理的とさえ言える”>もう裏で握ってるかもね。
  • 財政再建の仕組みと消費増税の怖さ - 経済を良くするって、どうすれば

    の財政当局は、当初予算の前年度比を社会保障の+5000億円のみに抑制している。ここまでは報道もされるが、その意味は、どこまで知られているのか。他方、税収は約55.5兆円だから、1%成長なら5500億円増える。つまり、1%成長なら財政収支が悪化しない仕組みにしてあるということだ。実際は、2017年度の成長率の見通しはもっと高く、名目で2.5%だし、税収は成長率以上に伸びるのが普通だから、そうなると財政収支は改善される。 こうした説明を公式にしてくれたら、国民は安心すると思うんだがね。裏返せば、5000億円を超える福祉や教育の充実は、財政収支を現状より悪化させるから、増税とセットということも腑に落ちる。そして、1%以上の成長を果たしたら、努力を喜び、果実を財政再建と福祉・教育にどう配分するか議論したら良い。世の閉塞感は、際限の見えない財政再建、最低限の対応だけの福祉・教育という、展望と希望

    財政再建の仕組みと消費増税の怖さ - 経済を良くするって、どうすれば
  • 10/10の日経 - 経済を良くするって、どうすれば

    今日は新聞休刊日だったが、滝田洋一編集委員の「小池劇場、内部留保課税のカチカチ山」(電子版10/10)は時宜を得た良いものだったね。これは、消費増税の代替財源として考えるから、バカらしくなる。法人事業税の外形標準の資割を拡充する話だと矮小化して解釈すれば、大して驚きもない。二重課税の問題も、外国子会社の配当は95%が益金不算入なのだから、この保有株式を対象にすることで避ける方途もある。もっとも、実現しても、数千億円規模の税収にしかならないだろうが。 内部留保課税の意味付けとしては、投資促進は、期待したらいけないと思う。やはり、法人税率が引き下げられる中で、資産課税の適正化の観点から、利子・配当課税の強化とともに考えるべきものだ。投資を促進したかったら、緊縮財政をせずに、消費を増やすしかない。国内の売上げが増えないのに、企業に投資をせよと言う方が無理筋だ。法人減税や投資減税でアメを与えても

    10/10の日経 - 経済を良くするって、どうすれば
    ko_chan
    ko_chan 2017/10/10
    “”国内の売上げが増えないのに、企業に投資をせよと言う方が無理筋だ“” そして外需頼みになってゆく。
  • 人は考えを変えない、悲しいほどに - 経済を良くするって、どうすれば

    「デフレの原因は、企業行動が変化したせい」という主張を聞くと、「若いなあ」と思ってしまう。何やら、経営思想が変わったから、経済が動いたような印象を受けるからだ。やはり、もう一つ問いを重ね、「なぜ、企業は設備や人材へのカネを絞るようになったのか?」へ進み、「緊縮財政がもたらした需要増なき経済に適応した」という答えを導き出すべきではないか。やはり、根源は、景気回復の芽を、いち早い緊縮で摘む「摘芽型財政」にある。 ……… 筆者も、若い時分は「意識変革で、世の中を良くできる」なんて議論していたものだよ。でも、人生経験の中で、「現実に合わなくなり、ボロボロになってすら、一念にしがみつく姿」を目にすれば、「人は考えを変えられない」と悟るようになる。だから、「思想の変化で、世の中が転換する」という説を、まったく信じられないんだね。方針に変化が起こるのは、多くの場合、人事での交代によってだ。 企業行動の変

    人は考えを変えない、悲しいほどに - 経済を良くするって、どうすれば
  • 金づくり・人づくり・社会づくり - 経済を良くするって、どうすれば

    の名目GDPは537兆円で、消費はその56%の302兆円。1.5%成長を確保するには、4.5兆円増やさないといけない。そこで厚生年金が1.2兆円も家計から所得を抜いていては、消費が振るわず、デフレから抜けられないのも致し方あるまい。人口減を持ち出して、宿命を嘆くまでもない。今度の新内閣の看板は「人づくり革命」になるらしいが、今まで実際にしてきたのは「金づくり」。これでは人口も減るだろうよ。 ……… 8/10に厚生年金の2016年度収支決算の概要が公表になり、フローの収支は1.2兆円の改善と判明した。毎度のことだが、公表資料のままでは、一般の人には、何が何だか分からない。そこで、保険料収入+一般会計受入+基礎年金勘定受入をフローの収入、保険給付費+基礎年金勘定繰入をフローの給付とし、収支差を計算すると、前年度より1.2兆円も改善していると分かる。「改善」とは言っても、家計の立場からは、払

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  • 4-6月期GDP1次・成長力の覚醒と解放 - 経済を良くするって、どうすれば

    緊縮なければ、成長する。さすがに、年率4%成長に届くとは思わなかったがね。第一生命研の新家さんも指摘するように、過去1年の最終需要は、2016年7-9月期+2.9%、10-12月期+2.5%、2017年1-3月期+2.1%、この4-6月期+3.8%であるから、潜在成長率がゼロ%台と言うこと自体が現実にそぐわなくなってきた。日経済は、2%後半の成長力を持ち、それを実証して見せた。成長力の覚醒と解放と呼ぶにふさわしいではないか。 ……… 一体、日経済に何が起こったのか。昨年後半から成長戦略が機能しだしたと主張する人は皆無だろう。あれほど成長に必要と叫ばれながら、これと無関係に成長は始まった。要は、成長戦略など、どうでも良かったのである。それどころか、目玉の国家戦略特区は、経済成長より政治腐敗を実現してしまった。産業政策には癒着が付きものという、昔からありがちな成り行きである。 成長起動の主

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  • アベノミクス・4月はロケットスタート - 経済を良くするって、どうすれば

    4月の経済指標は極めて好調だ。2.2%成長を達成した1-3月期は、2次速報で上方修正が予想されており、4-6月期に入っても、その勢いは続いている。「雇用は増えても、消費は」と言われてきたが、消費中心の成長となっている。次は、物価上昇が見られるだろう。日経済は、0% 台前半の成長力しかないと見限られていたが、大方の予想を超える健闘ぶりを見せている。特に改革をしたわけではないにもかかわらず。 ……… 4月の商業動態の小売業は、前月比+1.4と急伸した。CPIの財が+0.2であったし、インバウンドも含むので、割り引く必要はあるが、4-6月期に消費が2%超の成長を確保するのに、かなりの「貯金」となった。特に、車と衣料が大きく伸びている。これらは振れやすい項目のため、5,6月に反動減が出るだろうが、仮に3月の水準まで戻ったとしても、4-6月期の平均は、前期比+0.7になる。 5月のデータは、まだ断

    アベノミクス・4月はロケットスタート - 経済を良くするって、どうすれば
    ko_chan
    ko_chan 2017/06/06
    景気が回復してくるとまたぞろ増税勢力が。消費税は10%を上限に、名目成長◯%何年につき何%って刻んで上げても良いみたくルール作ってくれないと。それでも安心できないけど。動機が財政再建だからね。
  • 日本経済の最後の戦略を考える - 経済を良くするって、どうすれば

    経産省の若手のパワポが話題になっているが、新境地を開こうとするなら、暗黙の前提を疑ってみることだね。シルバー民主主義を克服し、高齢者から子育てへ、重点を移すという問題意識は、配分する財源が増えないことを前提にしている。今の二、三十代は、景気が良くなって給料が増えた経験がなく、生活維持に、女性や年寄りも含め、働く量を増やすしかない境遇にあったから、その発想は無理もない。それどころか、「成長を考えろ」と言っても、「夢みたいなことを」とか、「過去の栄光だよ」と返されそうだ。 ……… 経済成長は、需要の安定がなければ実現しない。実際の経営者は、教科書と違い、収益性より需要リスクに強く影響される。収益性を見込んで、設備や人材に投資したところで、需要減退に見舞われれば、会社の存続にかかわるからだ。日は、財政再建を最優先にし、景気が良くなりかけると、緊縮をかけて需要を抜き、安定を疎かにしたために、先進

    日本経済の最後の戦略を考える - 経済を良くするって、どうすれば
    ko_chan
    ko_chan 2017/05/31
    消費税の唯一の良いところは、小金貯めてる中高年からも確実に取れること。逆進性は社会保障で解決。成長でみんなの所得が増えたうちから一部をいただくなら何ら問題ない。
  • 民主主義と財政への誤解 - 経済を良くするって、どうすれば

    政治がだらしないから、日の財政赤字は膨大になった」という話は、よく聞くところだ。一般の方からであれば、「まあ、そういうところもありますかね」と受け流すが、学生がそんなことを研究したいなどと言って来たら、「若さを無為にするようなことはやめなさい」と諫めることになる。こういう学生は、債務=債権という経済の基的な概念も身についていないのは明白で、とてもモノにならないと心配するからだ。 ……… 確かに、日の政府は、膨大な借金を抱える。他方、借金は、貸す者がいないと成立しない。日の場合、これは基的に企業部門である。すると、「政治がだらしないと、企業はカネを貸すようになる」のか。表裏一体の事柄なのに、片面の説明が不自然になるのは、そもそも、説明自体が誤りであることを示している。民主主義の下での大衆迎合が財政赤字を作るというのは、一知半解の見方でしかない。 むろん、ポピュリズムの政治家が外国

    民主主義と財政への誤解 - 経済を良くするって、どうすれば
    ko_chan
    ko_chan 2017/05/05
    “日本は、1997年に、公的年金の黒字を勘定すれば、深刻な赤字にはなかったのに、財政だけを気に病む視野狭窄によって、過激な緊縮財政を打ち、デフレ経済へと転落した”
  • セービング・キャピタリズム - 経済を良くするって、どうすれば

    今、我々が目にしているのは、しょせん、人手不足にならなければ、働く者に分け前は回って来ないという単純な現実だ。労働生産性が向上して豊かになると言うよりは、人手不足にやむを得ず、労働生産性を向上させていく。人手不足になれば、24時間営業や多頻度配達といった労働力の薄利多売はできなくなり、無人レジや宅配ボックスなどの省力化投資をするようになる。資主義は、人手不足でしか分配を解決できないようだ。 ……… ロバート・ライシュの『最後の資主義』は、米国の政治経済の側面を鋭くえぐるものだ。「自由市場」か「政府」かという見せかけの選択に隠され、市場のルールは、大企業、ウォール街、富裕層を利する不公平なものになっており、その是正には、中間層と貧困層による「拮抗力」が必要だとする。それは、栄光の1960年代には、米国が持っていたものであり、衰退してしまった力の復活ということになる。 ライシュは、これに楽

    セービング・キャピタリズム - 経済を良くするって、どうすれば
  • 歴史に学ぶ資本主義の未来 - 経済を良くするって、どうすれば

    歴史的に金融は悪徳とされてきた。成長なき時代にあっては、利子を払い続けることには無理があり、そうした約束は、身の破滅を呼ぶものだったからだ。乏しさが普通の世界では、分かち合いが倫理であり、強欲は排されねばならない。利益の追求が許されるようになるのは、成長と豊かさが当然になって以降で、近代の割と新しい価値観である。それだけに、成長が失われれば、価値観までが問い直されることになる。 ……… FTの名物コラムニストのジョン・ブレンダー著『金融危機はまた起こる 歴史に学ぶ資主義』を読み進めるうち、オチが見えるような気がした。やはり、結語は、「資主義は最悪の経済の仕組みだ。ただし、これまで試されてきたすべての経済の仕組を別にすれば」であった。では、資主義は、どこがマズいのか。自然発生的であるから、絡み合う現実そのものというところもある。これを切り分けねばならない。 資主義の原動力は、事業欲で

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    ko_chan
    ko_chan 2017/04/06
    “0歳児の保育コストは極めて高く、女性が普通に働いたくらいでは、とてもペイできない。枠を縮小する代わり、所得補償や職場復帰を整え、需要を抑えるべきである”
  • アベノミクス・消費の再出発 - 経済を良くするって、どうすれば

    2月は消費が順調に伸び、前期12月のつまづきもあって、1-3月期の消費は年率2%を超えることになりそうだ。3月の結果が出る頃にば、「雇用逼迫でも、弱い消費」という認識も払拭されるのではないか。安倍政権はスキャンダルに見舞われているが、景気は明るさを増している。その大きな功績は、この4月からの消費増税の見送りだろう。3年かかって、消費は駆け込み前水準の回復まできた。国民生活の向上は、ようやくスタートラインにつく。 ……… 2月の商業動態の小売業は前月比+0.2となり、財の物価上昇は前月比-0.1であったから、日銀・消費活動指数+は、若干のプラスが見込まれる。1,2月平均は、12月が低かったこともあって、前期比+0.6程になろう。このまま3月も推移すれば、その他の需要項目も順調であることから、1-3月期のGDPは高まりそうである。コラムは、前期から上ブレを唱えてきたが、一期遅れで実現される運

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  • 2017年度はスキあらば緊縮予算 - 経済を良くするって、どうすれば

    2016年度の大規模な緊縮財政は、無残であった。この反省なくして、2017年度予算は語れまい。財政再建は大事だが、一歩ずつ進めるべきで、2016年度のような「一気に緊縮、景気の陰り、反動でバラマキ」をしていたら、財政も、経済も、社会も、おかしくなってしまう。日の財政の問題は、赤字や膨張ではなく、緊縮至上の無謀な独善にある。頑なに全体を見ようとせず、面前の課題だけに拘る有様は、この国の宿痾なのか。 ……… 2016年度当初は、国、地方、年金の総計で-5.8兆円の緊縮であった。2014年度の-4.4兆円、2015年度の-7.9兆円に連なる、3年続きの野心的な再建策だった。しかし、予算編成時の2015年12月頃には輸出の失速が表れており、10-12月期、翌1-3月期の景気低迷ぶりに慌てることになる。そこで早々に景気対策が叫ばれ、2次補正で2.8兆円の建設国債を追加し、緊縮は-3.1兆円へと変わ

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  • アベノミクス・2%成長へ前進 - 経済を良くするって、どうすれば

    景気の屈曲点、すなわち、いつ下降に転じ、いつ底入れし、いつ加速するかを、事前に予測するのは困難である。それどころか、足元がどういう状況に在るのかすら分からず、半年も経って、ようやく屈曲点を過ぎていたと気づくのが普通だ。そうした中、コラムは、昨秋からの失速、2月頃の底入れ、そして、この秋の加速を、ほぼリアルタイムで読み取ることに成功した。これは、「不況下では、追加的需要が決定的役割を果たす」というアプローチによるものである。 ……… 11月の経済指標は、供給側が極めて好調であった。まず、商業動態の小売業は前月比+0.2と小幅上昇だった。前月が+2.6と非常に高かったのに、反動もなく上乗せできた意味は大きい。天候不順による生鮮品の高騰で、財の物価指数(下図・淡青線)が跳ね上がったため、11月の実質がマイナスに変わるなど、かなり割り引かれるものの、それでも10,11月の平均は7-9月期を+0

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  • 財政赤字を、さもなくば金融膨張に - 経済を良くするって、どうすれば

    イギリス人というのは、妙なクリエイティビティを持っているように思う。現実を合理的に突き詰めると、常識を超える方策が現れる。『債務、さもなくば悪魔』のアデア・ターナーは、業界出身の元金融サービス機構長官だ。官民の巨額に膨らんだ債務は、金融自由化の産物であり、中央銀行が受け容れざるを得ないものだと主張する。それが無利子・無期限の国債なら、ヘリコプター・マネーと呼ばれ、超低利・超長期の国債なら、金融政策の範囲内とされるだろう。 ……… コラムが使う格言に「金持ちにするのは簡単だが、豊かにするのは困難だ」がある。もし、日銀が全国民の口座に1000万円を振り込むならば、すぐにも、日を金持ちの国にできる。しかし、国民が預金通帳の数字を眺めて楽しむのみならず、引き出して使おうとすると、財・サービスの供給能力に変わりはないのだから、需給の逼迫でインフレが発生し、お金の価値が消えるだけで終わる。ゆえに、

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  • 「もっと痛みを」は選挙での風物詩 - 経済を良くするって、どうすれば

    参院選告示後の日経社説(6/23)は、「ツケ回しせず経済再生の道筋示せ」と題して、痛みから逃げずに改革をと訴えている。まあ、毎度のことであり、もはや、選挙での風物詩となっているが、今回は、3年前と比べると、消費増税もあって、財政収支は大幅に改善している。これは、2年間、成長ができなかった痛みを代償に得たものである。一体、いつまで痛みを求められるのだろうか。 ……… 6/17に日銀から2015年度の資金循環が発表され、一般政府の資金過不足は、前年度比で7.2兆円改善した。2014年度の7.5兆円に続く、大幅なものである。すなわち、国、地方に社会保障(公的年金等)を合算した政府部門全体の財政収支が、名目GDP比で1.5%も良くなったということである。これだけ資金を吸い上げれば、年度内の成長がゼロになるのも当然だろう。もし、財政が中立だったら、どれだけ成長していたかと思う。日の潜在成長率は、人

    「もっと痛みを」は選挙での風物詩 - 経済を良くするって、どうすれば