トヨタ自動車は8日、電気自動車(EV)や人工知能(AI)などの成長領域への投資を2025年3月期で1兆7000億円と4割増やす方針を打ち出した。向上した「稼ぐ力」を将来の投資に振り向け、米テスラや中国勢への競争力に対する不安の払拭をめざす。「意志を持って足場固めに必要なお金と時間を使っていく」。8日に記者会見したトヨタの佐藤恒治社長は今期に将来への投資にギアを上げることを宣言した。設備投資は前
「EV出遅れ」「OTA出遅れ」「自動運転出遅れ」「水平分業出遅れ」などなどに続き、このところ静かなブームとなりつつあるのが、日本の「SDV出遅れ」論だ。何としてでもニッポン出遅れの材料を探し続けるその熱意には感服至極である。 要するに、SDVに出遅れた日本の自動車メーカーが、絶望的な窮地に陥(おちい)ると言わんばかりのことを記事にする媒体が現れて、新たなトレンドになりそうな気配がしているのだ。その一連の流れが筆者的には全く腑(ふ)に落ちないのである。 そもそも今までと比べてSDV出遅れ論がちょっと弱いのは、破壊的イノベーションとの結びつきが直感的にイメージしにくいという点にある。EV出遅れの時はスマホとガラケーをうまいこと当てはめて説明してきたわけだが、今回は話が難しすぎてそうそう簡単にはいかない。 しかも、そのSDVができるとクルマはどう進化するのかをきちんと定義して説明できる人がいない
猫も杓子もEVシフトというブームも終わり、ようやく地に足がついたEVの着実な進歩が認められる時代になった感がある。なんでもかんでも「破壊的イノベーション」という流行り言葉になぞらえて、やれ急激なEVシフトだの、内燃機関の終わりだのと言っていたことがどうも現実的ではないということが、世の中の標準認識になりつつある。 別にEVシフトはこれで終わるわけではなく、おそらくは2035年に向けて、シェアで最大30%程度まではゆっくり地道に進んでいく。EVを快適に使うには自宅に普通充電器があることが必須。もしくは勤務先かどこか、常用するパーキングに長時間占有できる普通充電器があることが条件になる。 これは今のバッテリーと急速充電器では、80%までしか充電できないからだ。100%まで充電するには普通充電器で時間をかけてゆっくり入れるしかないし、となれば、その充電器は他に誰とも共有しない占有可能な充電器でな
ゼネラルモーターズ(GM)がユーザーの運転データをデータ収集企業に販売していたことが、ニューヨーク・タイムズのカシミール・ヒル記者の調査によって判明しました。販売されたデータは保険会社によって参照され、保険料の決定などに使われていたそうです。 Florida Man Sues G.M. and LexisNexis Over Sale of His Cadillac Data - The New York Times https://www.nytimes.com/2024/03/14/technology/gm-lexis-nexis-driving-data.html How G.M. Tricked Millions of Drivers Into Being Spied On (Including Me) - The New York Times https://www.nytim
【ニューヨーク=川上梓】米テスラが急速充電器を担当する部門を事実上閉鎖し、担当幹部と数百人の従業員を解雇したことがわかった。英フィナンシャル・タイムズ(FT)が30日報じた。同社の急速充電器は世界最大級のインフラ網を持ち、独自の充電規格「NACS」は米国の標準規格にも採用されている。事業は今後も続けるが、新規拠点の拡大は遅らせる見通しだ。テスラの規格を採用する他の自動車メーカーのEV戦略や、米
2024年3月、米政府は2027年から適用する新たな自動車排ガス規制を発表した。当初案より緩和され、ハイブリッド車に有利な内容となった。 これは急速な電気自動車(EV)へのシフトに「ブレーキを踏むよう」働きかけたトヨタの戦略的ロビー活動の成果だと、米紙「ニューヨーク・タイムズ」は指摘する。 招待客オンリーの秘密の会合 2023年の秋、ラスベガスで開催されたトヨタ・ディーラー向け年次会合での朝食会は、招待客のみが参加できる特別な催しだった。出席者にはスマホのカメラを赤いシールで隠すよう指示があった。 朝食会でスピーチをしたのは、トヨタのトップロビイストであるスティーブン・チッコーネだった。彼は「自動車業界は存亡の危機に直面している」と述べ、それは景気やガソリン価格のせいではなく、米国で提案されている排ガス規制の厳格化のせいだと指摘した。 のちに各ディーラーに回覧され、本紙ニューヨーク・タイム
7月1日より、これまで36Kr Japanのメディアで提供していた記事のうち、一部スタートアップ企業に関するニュースについては、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」の会員限定で提供します(初期段階では無料会員も対象とします)。まだ登録されていない方は、ぜひそちらをご利用ください。 未来のロボットと言われると、まず想像するのは二足歩行して対話する人型ロボットかもしれない。これまでホンダのASIMOやボストン・ダイナミクスのPETMANなど様々な企業が人型ロボットをリリースして世を驚かせてきた。ここに中国企業が勢いよく参入し、近い将来には価格破壊を起こし、普及するかもしれない。その兆候が見えてきたので紹介しよう。 中国で人型ロボットといえばまず「UBTECH(優必選科技)」が挙げられる。2月にEVの「NIO」の工場内で同社の人型ロボット「Walker S」が、スムースな動きで
ウクライナ軍に3万機以上のドローンを供給してきた軍事援助ボランティア(Come Back Alive)は「米国の小型ドローンは未成熟だ」と明かし、Wall Street Journalは「ウクライナで米国製ドローンが存在感を失っているは当局の規制に原因がある」と報じた。 参考:How American Drones Failed to Turn the Tide in Ukraine 戦いの優劣は左右するのはシステムのスペックではなく適応へのスピードAIを搭載した小型ドローン開発に挑戦しているスタートアップ企業らは「伝統的な大手企業が製造する軍事用ドローン」ではなく、早く安く供給できる商用ドローンの開発に照準を合わせており、米国を拠点とするドーロン関連企業(約300社)にも過去2年間で25億ドルの資金がベンチャーキャピタルから流れ込んでいるものの、ウクライナ当局は「米国製ドローンは壊れやす
欧州では販売数の伸び率が鈍化をしている「EV車(以下・EV)」。2035年からEUは二酸化炭素を排出する車の販売を禁止することを発表していますが、世界が目指しているのは果たしてEVの普及なのでしょうか?アメリカ大統領選が近づいてきた昨今、注目を集めるトランプ氏の「ガソリン車を使い続ける」という発言は、国際的な約束を破ることになりますが、そもそもEVにどのようなデメリットがあるのか、そしてEVの欠点を克服した中国の2024年の最新情報をご紹介します。(『 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード 』牧野武文) 【関連】なぜトヨタは「EV出遅れ」批判に屈せず営業利益率11%を叩き出せたのか。泥仕合を回避して世界一人勝ちへ=勝又壽良 約束を破り「ガソリン車」を使い続けると発言したトランプ氏 EVの普及が踊り場に差し掛かってきました
世界の電気自動車(BEV)市場に異変が起きている。テスラが4月2日に発表した2024年1〜3月期の世界販売台数は、前年同期比8.5%減の38万6810台となり、四半期ベースで4年ぶりにマイナスとなった。 また、4月4日にはアメリカ自動車大手のフォードがBEVの生産計画を見直し、プラグインハイブリッド(PHEV)のラインナップを拡大する方針を示した。 そのほか、同じアメリカのゼネラル・モーターズやドイツのメルセデス・ベンツがBEV投資を延期、アップルがBEV事業を中止するなど、欧米自動車業界では「BEV失速」のムードが漂っている。 では、世界に先駆けて急速なBEVシフトが起こる中国では、どうだろうか。 中国国内におけるBEV乗用車の販売台数の伸び率をみると、直近3年間は平均97%増であったのに対し、2024年1~3月には11%増と大幅に低下している。最大手であるBYDの伸び率は2023年に7
経済産業省が3月27日に、大臣諮問機関の産業構造審議会で、航空機産業戦略を公表した。開発遅延を繰り返して最終的に開発中止になった旅客機「三菱スペースジェット(MSJ、旧MRJ)」の失敗を受けて、今後10年で官民合わせて4兆円の投資を行い、2035年以降に次世代国産旅客機の事業化を官民連携で目指すとした。 こういうニュースが流れると、私のところに質問が飛んでくることがある。「なんで日本は旅客機を造れないんですか。ロケットは飛ばせるのに何が違うんでしょうか」 一番単純な答えは、「ロケットは造り続けたから。旅客機は途中でやめちゃったから」というものだ。が、これではその意味が理解できない人も多いだろう。 自分はある程度、この件について説明できるぐらいは、取材を重ねてきている。 まず、一人の航空宇宙関係者の話から始めよう。 井上赳夫(1914~2003)という方がおられた。 2000年代初頭、日本の
米電気自動車(EV)メーカー、テスラは世界の従業員の10%以上を削減する。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が従業員宛ての社内メールで明らかにした。同社はEV需要の減速に直面している。 マスク氏は職務の重複とコスト削減の必要性を人員削減の理由に挙げた。ブルームバーグニュースが同メールを確認した。この削減が全社的に適用された場合、削減される従業員は1万4000人を超えることになる。 テスラは今月、予想を大幅に下回る納車台数を発表し、四半期ベースで4年ぶりの減少を記録した。複数のアナリストは、最新モデルである「サイバートラック」の生産が遅れていることや、来年後半に次世代車の生産を開始するまで新製品が一服することを理由に、テスラの年間販売台数が減少する可能性があるとみている。 マスク氏は電子メールで「次の成長段階に向けて準備するに当たり、コスト削減と生産性向上のために会社のあらゆる面を見直
いずれも東海道よりは早いが、飛行機よりは時間がかかります。飛行機の場合は20分前に手荷物検査があるので、それを含めると大阪まで85分ですが、リニアも手荷物検査が必要になる可能性があります(JRが検討中)。その場合は大阪まで107分です。 Q. 新幹線の乗客は増えるんでしょうか? 減るでしょう。図のように東海道新幹線の乗客はGDPとほぼ比例して増えましたが、2018年をピークに減っています。コロナの影響が大きかった2020~22年を除いても、ピークから20万人ぐらい減っています。 東海道新幹線の乗客数(日経ビジネス) Q. それはなぜですか? 第1に人口が減り、高齢化しているからです。大阪まで開通する2040年ごろには、人口は約1億人になり、そのうち4000万人が65歳以上の高齢者です。新幹線に乗る現役世代の人口は、ピークに比べて30%減る見通しです。 第2にコロナ以後はリモート会議が増えま
中国の自動車業界で、PHV(プラグインハイブリッド車)の新型車投入や技術開発を強化する動きが相次いでいる。中国市場でEV(電気自動車)の需要拡大がスローダウンする中、PHVは伸び続けていることが背景だ。 3月後半だけで、少なくとも4つのメーカーがPHV関連の発表を行った。国有自動車大手の長安汽車は3月18日、同社の第2世代のレンジエクステンダー型EVプラットフォーム(車台)を採用した新型車「深藍G318」をお披露目した。 (訳注:レンジエクステンダー型EVは、航続距離を延長するための発電専用エンジンを搭載したEVを指す。中国の販売統計上はPHVに分類される) 3月24日には、民営大手の吉利汽車の関係者が一部のメディアに情報をリーク。同社の次世代のPHVプラットフォームを採用した新型車の航続距離が、車載電池とガソリンタンクを満タンにした場合に最大2000キロメートルに達するとアピールした。
グローバル・コンサルティング・ファームのアリックスパートナーズから「電気自動車(EV)普及とアフターサービス市場の課題に関するレポート」が発表された。 本稿ではその概要をお伝えしていく。 EVの普及はアフターマーケット業界の課題をより深刻化させる 現在、自動車のアフターマーケット業界は、人手不足、部品調達の遅れ、修理台数の減少など、様々な課題を抱えている。短期的にみると、これらの課題が電気自動車(EV)の普及を予想以上に遅らせるとされ、長期的には、EVの普及はアフターマーケット業界の課題をより深刻化させるとみられる。 より少ない部品で製造されるEVは、アフターマーケット・サプライヤーへの依存度が低いため、今後、数年間でアフターマーケット市場は数十億ドルの損益に見舞われると予想される。 アリックスパートナーズの分析では、2030年までには、EVの新車と中古車が、現在の米国における自動車保有台
電気自動車(EV)ブームが失速している ──。 テスラは4月2日、2024年1~3月の販売台数が38万6810台になったことを発表した。前年同期の実績が42万2875台だったことを考えると、前年比で約8.5%減と大きなマイナスだ。イーロン・マスク氏の言動による影響との見方もあるが、EVが「思ったより伸びない」状況はある程度市場全体に広がっているようにも見える。 【全画像をみる】まさかの「ガソリン車」の需要増。EV失速は顕著か、消費者の拭えぬ懸念 2023年後半から失速のEVJETROが発表したレポートによると、2023年のアメリカの新車販売台数は1561万6878台。このうち、BEV(バッテリーEV)やPHEV(プラグインハイブリッド)、FCV(燃料電池車)を含む「クリーンビークル」の販売台数は、前年比で約5割増。シェアでも9.3%に達するなど好調に推移していた。ただ、2023年後半にかけ
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