プレーヤーが出揃い、本格的に競争が始まった電子書籍。有望市場として狙うのは、着実な収入が望める教育だ。楽天は若年顧客の開拓という狙いも電子書籍に託している。 「国内の電子書籍市場が激しい競争環境にある中で、kobo(コボ)の採用を決めていただいたことに深く感謝申し上げたい」 2月15日、京都府宇治市にある立命館宇治中学校・高等学校の図書館で、ある式典が行われた。壇上で挨拶したのは楽天で執行役員グローバル人事部CSR担当を務める黒坂三重氏。楽天はこの日、同校に対し、電子書籍の専用端末「kobo Touch(コボタッチ)」を、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として、無償提供すると発表した。 配布するコボタッチは計1600台。学校側が無償提供を受け、全生徒に貸し出す。端末を販売している国内の電子書籍事業者としては、初めての試みだ。「早期に授業での活用なども検討していく」と同校の岩崎成寿副校長