「猫バンバン」に代表されるように、自動車のエンジンルームに小動物が入り込むのは日常的に経験するトラブルだろう。何を隠そう、筆者(ネルソン三浦、フリーライター)も、出かけようとエンジンをかけたときに猫の鳴き声に気づいたことがある。すると、エンジンルームから5匹の子猫が出てきたのには驚いた。実は、自動車のエンジンルームに入ってくるのは猫だけではない。ドイツでは、“テン”による自動車のケーブル損傷トラブルがかなりの頻度で発生しているのだ。 ドイツ保険協会(GDV)の報告によると、テンによるトラブルが毎年20万件以上発生しており、被害額に換算すると約9000万ユーロ(約140億円)となるという。 テンはイタチ科の小動物で、イタチより大きくかつハクビシンより小さい。雄で、頭胴長約45cm、尾長約25cm、体重約1.5kgとありそこそこ大きいように思える。国内では、本州、四国、九州、淡路島、対馬、佐渡