労働契約法を改廃して「解雇自由」としたとしても,「整理解雇」が容易になるだけで,不当な解雇がなされることはないと信じている方が,経済学愛好家の中にはおられるようです。何をもって「不当」と考えるかはその人の正義感によるところもあるので,「解雇自由」な米国で実際に報道された解雇例を示すことにより,そこで行われる解雇が「不当」なものかを見てみることにしましょう。 肥満を理由とする解雇 自宅で喫煙したことを理由とする解雇 ゲイであることをカミングアウトしたことによる解雇 「香水の付けすぎ」という理由での解雇 地元の高校で開かれた演説会で、ブッシュ大統領が対イラク戦争と大量破壊兵器の捜索について話している時に「同意出来ない」と叫んだことを理由とする解雇。 『MySpace』で経営者への不満を漏らしたことを理由とする解雇 自分の妻に交際を迫ったが拒絶された上司から,その報復として、「仕事成績が悪い」と
【追記あり】日本の解雇法制の現状を知りたければ,マルクスより,OECDより,まず我が国の労働法学者による教科書と判例を読もう 池田信夫さんは,次のように述べています。 ところが日本では、この原則と例外の関係が法的に明確でなく、解雇権濫用法理などによって事実上すべての整理解雇が違法ということになっている。 しかし,整理解雇を有効とした最近の裁判例として,さいたま地判平成19年11月16日,東京高判平成18年12月26日労働判例931号30頁,仙台地判平成17年12月15日労働判例915号152頁,東京地判平成17年5月26日労働判例899号61頁,静岡地判平成16年5月20日労働判例877号24頁等があり,「事実上すべての整理解雇が違法ということになっている」というのは誤りです。 解雇法制を論ずるにあたってマルクスを読んでおく必要があるとは思いませんが(判例の解雇権濫用法理も,マルクス主義と
「解雇自由」の定義をめぐってつまらない議論が繰り返されるのもうざいので、ここでまとめて書いておこう。そもそも解雇自由という言葉が多義的であり、民法では解雇自由の原則を規定している。この定義はビジネスの現場ではもっと多様で、たとえば人事コンサルタントの鈴木雅一氏は次のように書いている:解雇問題にあっては、日本と好対照に位置づけられるのがアメリカである。Employment at will、これは日本では“随意雇用・解雇”と訳す。Employment at willとは、会社も社員も、雇用契約の当事者は、いずれかの自由意志で、理由のあるなしにかかわらず、雇用関係を解消できるということを意味する。 ヨーロッパ諸国の事例は若干事情が異なるように思える。概して言えば、アメリカほど解雇は簡単ではないと言えよう。しかしながら、Employment at willの根底にある解雇自由については、原則とし
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く