大隅栄誉教授の研究テーマであるオートファジーについての詳細は、今年8月に掲載した弊誌のインタビュー記事をご覧いただきたい。 「日本に必要なのは、社会全体でサイエンスを支えるという意識」- 東工大・大隅良典 栄誉教授 以下、会見での大隅栄誉教授の受賞挨拶全文を掲載する。 大隅良典 栄誉教授 ノーベル賞受賞会見挨拶 本日、夕刻にノーベル委員会から受賞のお知らせをいただきました。もちろん、研究者としてはこの上なき名誉なことだと思っています。ここ数年、思いもかけずいろいろな賞をいただいていますが、ノーベル賞には格別の重さを感じています。ノーベル賞は、少年時代にはまさしく夢だったように記憶しておりますが、実際に研究生活に入ってからは、ノーベル賞は私の意識のまったく外にありました。私は、自分の私的な興味にもとづいて、生命の基本単位である細胞がいかに機能的な存在であるかということに興味を持ち、酵母という