「店舗外観」は保護されるのか?というタイトルで、我が国では珍しい“トレード・ドレス”をめぐる不競法事案を紹介したのは、4年前の夏のことだった*1。 地裁、高裁と原告が連敗したことで、上記のケースについては事実上の決着が付いてしまったわけだが、暫く月日が流れた2010年の末に、あの時と同じ大阪地裁第21民事部で、再び“日本版トレード・ドレス紛争”といえるような事案の判決が出されている。 大手企業同士の争いの割には、報道等もあまりなされなかった事案ではないかと思うのだが、興味深いこの事案について、ここで取り上げてみることにしたい。 大阪地判平成22年12月16日(H21(ワ)第6755号)*2 原告:株式会社西松屋チェーン 被告:イオンリテール株式会社 原告は言わずと知れた、全国にチェーン展開している乳児・子供用品店。 被告は被告で、イオン、ジャスコといったブランドで小売店舗を全国展開している