保育料を滞納していることを自分の父親に伝えたのはプライバシーの侵害にあたるなどとして、九重町の男性(30)が21日、玖珠町を相手取り、慰謝料など50万円の損害賠償を求める訴訟を大分地裁に起こした。 訴状によると、男性はリサイクル業を営んでいたが、不況の影響で経営状態が悪化、長男長女の保育料約10万円を滞納していた。今年3月、町福祉保健課は男性の父親に「(男性が)パチンコに行っているのを職員が何度も見ている」「九重町に移転しても滞納は本人について回る」などと書いた文書を送付、父親に対し男性に支払わせるよう求めたという。 男性側は、「第三者の父に滞納を伝えるのはプライバシーの侵害で、パチンコに行っているのを何度も見ているといかにも浪費をしているかのような表現は事実に反する」などと主張している。 同町は「公文書としてではなく、担当者らが個人的な判断で送った」としている。【深津誠】