名古屋市の河村たかし市長は10日の定例記者会見で、名古屋城天守閣を現在のコンクリート製から木造に建て直すことを本格的に検討すると発表した。プロジェクトチームを24日に発足させ、2010年度予算案に調査費を盛り込む考え。一方、再検討を表明していた本丸御殿再建事業は継続する方針。 名古屋城は1945年の空襲で天守閣や本丸御殿などが焼失したが、これらの詳細な図面や写真は戦災を免れた。天守閣は59年に再建された。本丸御殿再建事業は2017年完了を目指して進められている。 河村市長は「多くの市民から名古屋には自慢するものがない、観光客を案内する所がないと言われ、非常にさびしい思いをしている。市民の精神的基柱をつくり、1000年先でも自慢できるものを残す」と述べた。市名古屋城整備室は木造での再建について「消防法や建築基準法に適合するかや、現在の石垣の強度が十分か調査しないといけない」と説明している。【