電気自動車のアリアで東海地方から関西地方に向けてぐるっと遠出をしました。4泊5日の旅です。 連合三田会(慶應の同窓会組織。定期的に寄付を募っていて、寄付者の中からたまになにかが当たる)の抽選で当たった1泊2日のホテルのディナー付きの券を使うために豊橋に行ったり、友人が取ってくれたなかなか予約の取れないお店の食事をするために京都に行くためです。 まあ、別に新幹線で行ってもいいし、どうしても車で行きたいのであればガソリン車で行っても良かったのですが、まぁ、時間に余裕もあるし、面白いからアリアで行ってみようと思いました。 そうしたらまあ、思いのほか厳しかったです。まず、航続距離が気温が高い時期の大体7割ぐらいに落ちます。1kWhあたり、普通の時期であれば5キロから6キロぐらい走るのですが、気温が1桁台の前半になったぐらいでだいたい4キロぐらいしか走りません。 なのでアリアの場合満充電ですと、だい
昨年のロサンゼルスモーターショーに登場したフォードの電動マッスルカー「マッハE」/Josh Lefkowitz/Getty Images (CNN) 米電気自動車(EV)メーカー、テスラは大幅値下げを断行した。フォードも電動マッスルカー「マスタング・マッハE」の価格を引き下げ、さらにEVピックアップの生産を縮小した。ゼネラル・モーターズ(GM)はプラグインハイブリッド車(PHV)の生産再開を検討中で、純粋なEVに軸足を移すとした当初の取り組みから後退するかもしれない。 しかもここへ来て米環境保護庁は、自動車メーカーに対しEV販売増を求める要件の緩和を検討している。従来積極的に進めていた脱ガソリン車、脱SUV(スポーツ用多目的車)からの転換を示唆する動きだ。 まずはっきりさせておこう。米国のEV市場は崩壊しているわけではない。コックス・オートモーティブによると、 2023年10~12月期のE
9月15日、韓国南部の大都市テグで客を乗せて走っていたタクシーが、飛び出してきた車と衝突した。 その途端、タクシーはなぜか急加速し、時速はあっという間に120kmに到達。 乗客「ブレーキを踏んでください。ダメですか?」 タクシー運転手「ブレーキをかけてるけどダメだ」 命の危険を感じた後部座席の乗客は、慌ててシートベルトを締める。 アクセルを踏んでいないという運転手の訴えとは裏腹に、暴走タクシーはさらにスピードアップ。 ついには時速188kmに達したのだ。 乗客「サイドブレーキはないですか? エンジンを一度切ってみてください」 タクシー運転手「エンジンが切れない...切れない...」 暴走を続けたタクシーは、信号待ちの車に激突してようやく停車。 このタクシーはEV(電気自動車)だった。 市内で客を乗せて走っていたタクシーは、横断歩道付近で信号を無視して飛び出してきた車と衝突。
1月と2月における米国でのEV新車販売台数が前年同月を下回った。まだ2カ月間ではあるものの、「成長の減速」から「マイナス成長」へと突入した可能性がある。こうした中、レンタル大手のハーツがレンタル用EVを売却して事業を縮小する代わりに、ガソリン車の購入を加速。テスラをはじめとした米中古EV価格も、ここ1、2年で急速に下落している。EVのような高額商品の普及には健全な中古市場の形成が欠かせないが、その市場で一体何が起きているのか。 米NBCニュースの東京総局、読売新聞の英字新聞部、日経国際ニュースセンターなどで金融・経済報道の基礎を学ぶ。現在、米国の経済を広く深く分析した記事を『週刊エコノミスト』などの紙媒体に発表する一方、『Japan In-Depth』や『ZUU Online』など多チャンネルで配信されるウェブメディアにも寄稿する。海外大物の長時間インタビューも手掛けており、金融・マクロ経
アメリカのイリノイ州では大寒波の影響を受けて、2024年1月中旬の気温が連日氷点下2桁を記録しています。アメリカのニュース専門放送局・Foxのイリノイ州局であるFox Chicagoが、寒さのあまりバッテリーの性能が極端に落ちて動かなくなってしまったEV(電気自動車)が後を絶たないと報じられています。 Dead Teslas pack Oak Brook Supercharger station due to cold weather https://www.fox32chicago.com/news/dead-teslas-oak-brook EVの弱点は冬の寒さです。EVに搭載されているリチウムイオンバッテリーは、極端に気温が下がると充電性能が下がり、電力も通常より少なくなってしまいます。そのため、いざEVに乗ろうとしてもバッテリーの残量がほぼなくなってしまったり、起動すらしなくなって
中国浙江省の省都、杭州の郊外にある古びた小さな寺院からは、膨大な数の電気自動車(EV)が雑草やゴミの中に放置されている光景が一面に見渡せる。それはまるでEVの墓場のようだ。 中国国内の少なくとも6都市に、不要になったバッテリー駆動車の似たような集積地がある。杭州のそうした場所には、トランクから植物が生えるほど長い間放置された車もあれば、ダッシュボードの上にふわふわのおもちゃが置かれたままになっている車もある。 こうした光景は、2018年の「シェアサイクル」バブル崩壊後の状況を思い起こさせる。当時は、巨大ハイテク企業の出資を受けてシェアサイクル事業を展開するオッフォやモバイクなどの新興企業の台頭と衰退を経て、何千万台もの自転車が川や側溝、使われなくなった駐車場に放置されていた。 今回のEVの大量廃棄は、車両を所有していた配車サービス会社が経営破綻したか、より優れた機能とより長い走行距離を備え
トヨタといえばEVシフトへの遅れを指摘されていたが、ハイブリッド車に注力するという決断が効を奏していると、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が報じている。 EVに「無気力だった」トヨタ 今日のようなハイテク、ハイリスクな自動車業界では、運勢はすぐに変わってしまうものであり、トヨタ自動車ほどその好例はない。 少し前まで、トヨタは電気自動車の分野で危険なほど遅れをとっているように見えた。電気自動車のパイオニアであるテスラは急成長を遂げ、世界で最も価値のある自動車メーカーとなった。テスラの成功を見て、ゼネラル・モーターズやフォード・モーターといった他社は、多くの消費者がバッテリー駆動の自動車やトラックに乗り換える準備が整っていると判断し、遅れを取り戻すために数百億ドルを投資し始めた。 しかし、トヨタはもっと慎重だった──あるいは無気力だった、と批判する向きもある。トヨタは、これまで米国でわずか2車種
たしかにバッテリー残量が20%の状態で充電ステーションに行くことになったら、急速充電でも30分くらいかかるだろう だからEVは面倒だし使えないなんてことを言われる。だけど、一般人に限ればそういう状況になることはほぼない というのも残量20%みたいな状態になることが、日常生活ではないからだ 今の都市デザインは、ガソリンを使う前提なので爆発を想定して以下のような形になっている 目的地(家、お店、病院、職場)---------------ガソリンスタンド---------------目的地(家、お店、病院、職場) そしてそののまま充電ステーションを設置したので以下のようなアホなものになった 目的地(家、お店、病院、職場)---------------充電ステーション---------------目的地(家、お店、病院、職場) ガソリン車時代の生活スタイルで想像し、EVもそうだと思い込んで 「EV
イギリス政府は地球温暖化対策の進め方を見直し、ガソリン車などの新車販売を禁止する期限を2030年から2035年に先送りすると発表しました。国民の負担を減らすためだとしていますが、温暖化対策を後退させるという批判も上がっています。 イギリス政府はこれまで地球温暖化対策として、ガソリン車とディーゼル車の新車販売を2030年までに禁止するとしていましたが、スナク首相は20日の記者会見で期限を2035年に先送りすることを明らかにしました。 スナク首相は会見で「国民の負担を減らす現実的な手法をとる」ためだと説明したうえで、2035年という期限は欧米の主な国や地域と変わらず、温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにする目標に変わりはないと強調しました。 しかし今回の政策見直しについては、温暖化対策を後退させるという批判が環境団体などから上がっているほか、電気自動車の生産態勢を強化している自動車
日本には、電気自動車(EV)が普及するための条件が完璧にそろっているという。だがテスラ社のイーロン・マスクも日本市場には苦戦していると認める通り、普及は遅々として進んでいない。その原因はどこにあるのか。同じく普及が停滞する米韓の状況と合わせ、米経済メディア「ブルームバーグ」が分析した。 日本はEV普及の「ラガード」 日本は電気自動車(EV)の先駆者となるための、あらゆる条件を備えている。世界平均を上回る所得、堅調な自動車産業、高い新車購入率、技術を称揚する文化などだ。 しかしながら、2023年の日本におけるEVの新車販売比率(新車販売台数に占める特定の自動車の割合)はわずか1.8%だった。 2024年3月、ブルームバーグの気候変動ニュースメディア「ブルームバーグ・グリーン」は、完全電気自動車(BEV)の普及拡大が見込まれる31の国を調査した結果を発表した。するとそのなかで、普及率が思いのほ
電気自動車(EV)の市場シェアは最大でも3割、残りはハイブリッド車(HV)などになる。EVへの一点張り戦略に長らく懐疑的な見方を示してきたトヨタ自動車の豊田章男会長がそんな予測を示した。 トヨタの自社メディア「トヨタイムズ」によると、豊田氏は企業経営者や役員に向けて今月行った講演での質疑応答で「いくらBEVが進んだとしても、市場のシェアの3割だと思う」と語った。残りの7割はHVや燃料電池車、水素エンジン車などになるとし、「エンジン車は必ず残ると思う」と続けたという。 豊田氏が新車販売と保有車のどちらに占めるEVの市場シェアを念頭に置いた発言だったかは明らかではない。ブルームバーグNEFによると、2040年に世界乗用車販売の75%、保有車の44%がEVになると予測されている。
テスラが航続距離推定ソフトウェアを不正に操作し、車両の航続可能距離を水増ししていたとロイターが報じました。この件に関する顧客からの苦情が多すぎて、テスラは苦情対応用の専門部署を作ったそうです。 Tesla’s secret team to suppress thousands of driving range complaints https://www.reuters.com/investigates/special-report/tesla-batteries-range/ Tesla exaggerated EV range so much that drivers thought cars were broken | Ars Technica https://arstechnica.com/tech-policy/2023/07/tesla-exaggerated-ev-range
ガソリン車よりも環境に優しいとして注目されている電気自動車(EV車)は、車載の大容量リチウムイオンバッテリーが非常に重たいため、同サイズのガソリン車と比べて200kg~500kgも車両重量が増える傾向があります。車両が重くなると衝突時のエネルギーも大きくなるとのことで、アメリカのネブラスカ大学リンカーン校と陸軍工兵司令部が、実際にEV車をガードレールに衝突させた実験動画を公開しています。 Nebraska experts weigh highway safety and electric vehicles | Nebraska Today | University of Nebraska–Lincoln https://news.unl.edu/newsrooms/today/article/nebraska-experts-weigh-highway-safety-and-electri
トヨタ自動車は11月1日、2024年3月期の純利益が過去最高の3.95兆円になる見込みと発表しました。従来予想の2.58兆円から上方修正した理由のうち約1兆円は円安効果ですが、その要因を除いても好調であることに変わりはありません。 この決算発表を受けて、トヨタが底力を見せたと礼賛するアナリストの声が目立ちました。中でも目を引いたのが、トヨタの稼ぐ力がテスラを超えたという報道です。トヨタは2021年上期に売上高純利益率でテスラに抜かれて以降は後塵を拝してきたのですが、今回の決算で久しぶりにライバルを稼ぐ力で超えることができたというのです。 また、自動車各社の業績については中国市場の減速が不安要因になっていますが、その点でも今回の決算でトヨタが中国への依存度が低いことが強みと評価された様子です。この先、中国市場がさらに停滞してもトヨタの決算への影響が少ないことがプラス要因とも報道されたのです。
テスラ、24年の成長鈍化を見込む-決算は予想に届かず、株価下落 この分野の高PERはもう許されない。 注目のテスラの決算発表があったが、普通に下振れとなった。 来期の販売見通しも弱いし、マージンもクソミソに下がっており、熱心なファン以外は希望を持てるシナリオがなかった。 【テスラの株価チャート】 EVについては、当初の先進性に加えて補助金・ガソリンに比べて走行距離当たり電力価格が安かったことによるアーリーアダプター需要によるダッシュが大きかった。 しかし、購入者についてはここにきてEVを買うかどうかというのに二の足を踏む傾向が見られており、なぜそのようになっているかをいくつかの点を交えながら確認したい。 理由の一つ目はメンテナンスコストの高さにある。 EVは従来ガソリン車と比べて搭載半導体数が多かったり、電気系統の複雑さがあるわけであるが、この複雑性のせいでガソリン車であれば部品とっかえの
急加速と重さの二重苦。 ガソリン代と環境のことを考えてEV(電気自動車)にしたはずなのに、買ってからタイヤの減りがガソリン車より早くてショックを受けるオーナーが後を絶ちません。 フロリダ州にある修理専門店「EV Garage Miami」主任技師のJonathan SanchezさんがThe Miami Heraldに明らかにしたところによれば、EVのメーカーや年式に関わらず、相談で一番多いのがタイヤ案件なのだそう。 気になるタイヤ交換の頻度については、ガソリン車のだいたい4分の1から5分の1に相当する8000~1万マイル(約1.3~1.6万km)でタイヤ交換が必要になるケースも珍しくないのだといいます。 買う前にちゃんと誰かが口頭で「絶対気に入る車だけど走行7000マイル(約1.1万km)でタイヤの交換に1400~1500ドル(約20~22万円)かかる」と説明してくれてたら絶対買ってなか
マツダの新型車「MX-30 ロータリーEV」は、発電機としてロータリーエンジンを搭載するシリーズ式プラグインハイブリッド車(PHEV)だ。それにしても、なぜマツダは今になってロータリーエンジンを復活させたのか。普通のレシプロエンジンではダメだったのか。事前取材会で話を聞いた。 マツダのロータリーエンジンが復活! なぜ? ロータリーエンジンは小さいから? エンジンを発電機として使うハイブリッド車(HV)といえば、日産自動車の「e-POWER」というシステムが思い浮かぶ。例えば日産自動車のコンパクトカー「ノート」 は、1.2Lの直列3気筒エンジンとモーターを組み合わせたシリーズ式ハイブリッド車だ。 「MX-30 ロータリーEV」は17.8kWhのリチウムイオンバッテリーを積んでいて、外部からも充電できる。だからシリーズ式の「プラグイン」ハイブリッド車というわけだ。充電しておけば電気自動車(バッ
テスラをはじめとする電気自動車(EV)が、先進のテクノロジーとガソリンを使わない未来への期待で自動車購入者を魅了する中、ハイブリッド車は過去のものになったと思われ始めていた。ハイブリッド車の旗手であるトヨタ「プリウス」の販売台数は、過去10年間で85%も減った。 ところが今では、EV販売の伸び悩みからゼネラルモーターズ(GM)やフォード・モーター、フォルクスワーゲンはEVで掲げた野心的な目標を下方修正するようになっている。 EVでなくハイブリッドが支持される理由 そうした中でも、ハイブリッド車の販売は堅調で、EVが2023年に直面した厳しい現実が今も続いていることが明白になってきた。アメリカ人の多くは電動化を大いに歓迎しているが、完全に電動化されたEV(フルEV)を受け入れる準備はまだ整っていない、という現実だ。 調査会社コックス・オートモーティブで産業分析の責任者を務めるステファニー・バ
米国ホワイトハウス公式サイトより 米国政府は3月、普通乗用車の新車販売のうち電気自動車(EV)の占める比率を2032年までに67%にするとしていた目標を、35%に引き下げた。世界でEVの販売失速や政府のEV普及目標引き下げの動きがみられるなか、米国の“改心”が世界のEV普及一辺倒の流れにブレーキをかけ、エンジン車回帰が進むとの見方も出始めている。 欧州は2035年までに全ての新車をEVなどのゼロエミッション車(ZEV)にするという方針を掲げており、米国政府はEVの購入者向けに最大7500ドルの税額控除を行い、一部州は将来的に全新車のZEV化を決めている。日本も35年までに全新車を電動車にする方針を掲げるなど、EVシフトは世界的潮流でもあった。 この流れに自動車メーカー各社も対応。メルセデスベンツは30年までに全車種を完全電気自動車(BEV)にするとし、米ゼネラル・モーターズ(GM)は35年
A Hertz car rental facility in Chicago. Photographer: Scott Olson/Getty Images 米レンタカー大手ハーツ・グローバル・ホールティングスは、米国で保有する電気自動車(EV)の3分の1を売却し、ガソリン車に再投資する計画だ。EVの需要が低調なことが理由。 同社は11日の規制当局への届け出で、2万台のEVの売却を昨年12月に開始したとし、売却は2024年を通じて継続すると説明。23年10ー12月(第4四半期)決算で、減価償却費の増加に関連した2億4500万ドル(約358億円)の非現金費用を計上する見通しだとした。 ハーツは「顧客の需要を満たすため、EVの売却で得られた利益の一部を内燃機関車の購入に再投資する意向だ」とし、「この措置により、予想されるEV需要と供給とのバランスが改善すると見込んでいる」と説明した。 スティー
1976年生まれ。千葉大学人文社会科学研究科(博士課程)単位取得退学。中国・南開大学に留学後、ジャーナリストとして活躍。著書に『幸福な監視国家・中国』(共著、NHK出版)など多数。千葉大学客員准教授を兼務。 電気自動車(EV)はこのまま普及するのか、それとも壁にぶち当たって失速するのか。 この数年というもの、飽きるほど聞いた論争だ。「脱炭素は世界的な潮流であり、逆転することはない」「実際に保有すればわかるが、加速性能や乗り味、あるいはOTA(オーバー・ザ・エアー、無線によるソフトウェアアップデート)などのユーザー体験は内燃車を上回っている」「実現間近の自動運転との相性の良さ」など普及派の論を聞くと、なるほどなるほどとうなずいてしまう。 一方で、「高額なバッテリーを使うEVは割高。補助金がなければ誰も買わない」「EVの製造時に莫大なエネルギーを消費するほか、充電するための電気を作るのにも温室
2023年第4四半期、中国のEVメーカーのBYDが米テスラを販売台数で追い抜き、世界に衝撃を与えた。同社の勢いは欧米で反発を買いつつあるが、その強さの秘密はどこにあるのか、英紙「フィナンシャル・タイムズ」が考察する。 トヨタも恐れる中国のEV トヨタが1世紀近くにわたって誇ってきたのは、複雑で高度な技術を要する自動車の製造コストを常に削減する能力だった。しかし、同社の電気自動車(EV)専任組織である「BEVファクトリー」プレジデントの加藤武郎は、2018年に中国を訪れた際に衝撃を受けた。 「中国の部品の競争力を初めて思い知りました」と彼は2023年10月、同社メディア「トヨタイムズ」に語っている。「当時日本で見たこともない設備がズラッと並んでおり、最新鋭のモノづくりを目の当たりにして『やばいぞ!!』という危機感」を覚えたそうだ。 加藤の心配は正しかった。2023年、中国は日本を抜いて世界最
Nora Naughton,Alexa St. John [原文] (翻訳:仲田文子、編集:井上俊彦) Nov. 05, 2023, 08:00 AM テクノロジー 136,335 2023年後半の今、電気自動車(EV)の未来に良い兆候はまったく見当たらない。 EVの窮地について、自動車メーカーもついに気づき始めた。 業界の専門家や関係者は、ハイブリッドに焦点を当てる必要があると指摘する。 自動車メーカーが最新の電気自動車(EV)の需要を喚起しようと必死になる一方で、消費者は妥協案としてのハイブリッド車を求めている。 アメリカの消費者は、追加料金を支払ってでも利便性を高めようとする傾向がある。Uber、DoorDash、InstaCartといったアプリの成功からもそれは明らかだ。自動車業界では、同じ理屈がハイブリッド車にも当てはまる。ハイブリッド車が、EV完全普及へ向けて利便性の高い橋渡し
原付以上軽自動車未満「ミニカー」区分のモビリティ今回発表された「ミニマムモビリティ」は、1人乗りの超小型車両区分である「ミニカー」(50cc原付エンジンを乗せたミニ自動車)規格で設計され、走る楽しさを追求した超小型EVだ。 軽自動車未満の超小型EVとして開発中 80年代のポラロイドカメラをモチーフに、レトロでありながら近未来も感じさせる前後対称のデザインを採用。また、小型軽量であるため環境性能に優れており、ミニカー規格で車検不要、税金も安くコスパに優れた、チョイノリ用途のモビリティとなる。 ミニカー規格につき乗車定員が1名という制約はあるものの、ドア/エアコン付きで快適な走行を提供され、AC100Vの家庭用コンセントで充電することができる点が、他の市販EVにはない大きなメリットといえる。 5時間の充電で航続距離100kmを実現し、ソフトウェアはOTAでアップデートが可能という次世代の進化す
さて、おそらく金曜日からあちこちでマツダの新しいロータリーエンジンの記事が出ているだろうと思う。新たに登場した8C型ロータリーは、かつての13B型と何が違うのかがかなりこってり目に解説されているはずだ。 まあ、筆者も同様に取材してきたので、結局はそこも書くのだけれど、その前にマツダは一体何を考えて、何をつくろうとしたのかの話から始めないといけない。ということで、またもや長いマツダの話が始まる。 今回登場した「MX-30 ROTARY-EV e-SKYACTIV R-EV(以下、R-EV)」 を端的に説明すれば、メカニズム的には2021年に発売された「MX-30 EV MODEL(以下、EVモデル)」のモーター/発電機と同軸に、発電専用ワンローターロータリーエンジンを追加したものだ。 発電専用エンジンを搭載して電欠のリスクをなくしたことと引き換えに、EVモデルに搭載されていた35.5kWhの
50万円EVとして日本でも大きな話題になった上汽通用五菱汽車の「宏光MINI」の販売が急失速している。 ピーク時に月間5万台を超えていた販売台数は、2023年6月に前月比6583台減り、1万3763台まで落ち込んだ。EV市場全体は伸び続けているのに宏光MINIは急失速している。テスラ超えでEV界の寵児になった「神車」に何が起きているのだろうか。 2020年7月末に発売された宏光MINIは日本の軽自動車を思わせるキュートなボディと、2万8800元(約57万円)からという激安価格で超小型EVブームを巻き起こし、「神車」と呼ばれた。 テスラの「モデル3」を抜いたことも 9月には販売台数でテスラの「モデル3」を抜き、EV国内トップに。販売する五菱汽車や全国乗用車市場情報連合会(CPCA)によると、2022年の販売台数は55万4000台を超え、同年の小型EV販売台数で世界首位に立った。最高月間販売台
A BYD Co. Dynasty series electric vehicle at a dealership in Beijing, China, on Monday, Aug. 28, 2023. Bloomberg 中国の電気自動車(EV)メーカー、比亜迪(BYD)はバッテリー式EVの販売台数で米テスラを抜き、新たに世界一の座に就こうとしている。 首位交代は10-12月(第4四半期)中に起きる可能性が高いが、そうなればEV市場にとって象徴的な転換点であるだけでなく、世界の自動車業界における中国の影響力拡大のさらなる裏付けとなるだろう。 トヨタ自動車やドイツのフォルクスワーゲン(VW)、米ゼネラル・モーターズ(GM)といったなじみのある企業が依然大半を占めるこの分野で、BYDや上海汽車集団(SAICモーター)など中国勢が本格的に存在感を示しつつある。 中国はここ数年で米国や韓国、ド
中国電気自動車(EV)最大手の比亜迪(BYD)は2月19日、セダンタイプ「秦PLUS」の2024年モデル「秦PLUS 栄耀版」を発表した。「ガソリン車よりも安い電気自動車」をキャッチフレーズに低価格戦略を打ち出し、従来モデルよりも価格をぐっと引き下げた。 24年モデルのプラグインハイブリッド車(PHV)「秦PLUS DM-i」は希望小売価格7万9800元(約170万円)から、純電気自動車(BEV)「秦PLUS EV」は10万9800元(約230万円)からとなっている。 BYDの値下げに他社もすぐ追随した。2月20日時点で、上汽通用五菱汽車(SGMW)や長安啓源(Changan Qiyuan)、哪吒汽車(Neta)など5社以上が、低価格のエントリーモデルの発表や一部モデルの値下げなどに動いた。 中国汽車流通協会の郎学紅・副秘書長は「今回の価格調整は、2024年は自動車市場の競争がより激化する
ヒョンデとキアが開発した「ユニバーサル・ホイール・ドライブ・システム」は、EVの駆動パーツをホイール内に組み込むことで、大幅な効率性アップを実現した。 ヒョンデ・モーターカンパニーとキアは、韓国・ソウルで開催されたユニ・ホイール・テック・デイ(Uni Wheel Tech Day)において、足まわりの技術にパラダイムシフトをもたらす「ユニバーサル・ホイール・ドライブ・システム(ユニ・ホイール:Universal Wheel Drive System)」を発表した。 Universal Wheel Drive System EVの駆動パーツをホイール内に移動 ヒョンデとキアは、EV専用の駆動システム「ユニバーサル・ホイール・ドライブ・システム」を、韓国・ソウルのユニ・ホイール・テック・デイで公開した。 「ユニバーサル・ホイール・ドライブ・システム(ユニ・ホイール)」は、既存のEV用駆動パーツ
見直されたトヨタの決意 この10年間、自動車業界でもっとも声高にハイブリッド車を擁護してきたトヨタの経営陣が、いま、ある種の正当性を感じていたとしても不思議はない。 バッテリーと従来の内燃機関(エンジン)を組み合わせたハイブリッド車に多額の投資をするというトヨタの頑固なまでの決意は、これまで投資家と環境保護団体の双方から批判を浴びてきた。 消費者は割高なEV(電気自動車)の購入をためらうに違いないと、トヨタは繰り返し訴えてきた。そしていま、欧米市場で価格の高止まりと充電インフラの不備への懸念から、バッテリー電気自動車への熱狂が冷めつつあるなか、かつて異端扱いされていたトヨタの主張が見直されつつある。
レイチェル・キューリンは自らを、信頼性が高く燃費のよいハイブリッド車を支持する何百万人というトヨタのロイヤルユーザーの1人と考えていた。ところが彼女は最近、自身が乗っていたトヨタ「プリウス」をシボレー「ボルト」に買い替えた。トヨタの電気自動車(EV)展開が遅すぎたためだ。 「トヨタファンの選択肢はどこにあるの?」。アリゾナ州メサに住むキューリンは「本当に悲しい」と言った。 一時は環境意識の高い自動車オーナーにとってナンバーワンのブランドだったトヨタは、消費者の嗜好の変化と気候変動の主要因である化石燃料の使用削減を推し進める各国政府の動きについていくことができていない。 巨大市場の米中でシェア低下が進行 トヨタと日本の自動車業界は今、1980年代に世界的な巨人となって以来、最大のビジネス課題に直面している。その対応によっては、トヨタと日本の自動車業界が世界トップの座にとどまれるか、あるいは「
今回は、フランスの高級紙「ル・モンド」が配信した、 「日本の『軽』は、欧州における小型車の未来かもしれない」 と題された記事からです。 早速ですが、以下が要点になります。 「これまで日本の軽自動車は、面白がって見られていたが、 もやは見た目ほどエキゾチックではなくなっている。 ルノーのゼネラルディレクターでもあるルカ・デ・メオ氏が、 ヨーロッパ自動車工業会の会長として、 日本メーカーの小型モデルにインスピレーションを得て、 ヨーロッパの都市向けに特別に設計された、 電気自動車のカテゴリーを欧州で創設する事を提案したのだ。 日本の軽自動車同様、ヨーロッパの軽自動車も、 サイズとエンジンの制約を受けることになる。 価格は1万ユーロから1万5000ユーロ程度になるとみられ、 特に車通勤以外に選択肢のない都市部や郊外の人々にとって、 電気自動車を良い意味で民主化するのに役立つはずだ。 この路線が実
毎月世界各国のEV販売状況を集計して伝えているアメリカのメディア「CleanTechnica」で、1月の世界のEV販売状況が紹介されました。ここ数ヶ月で増えている「失速」や「踊り場」といった見出しが目立つ日本国内メディアの報道は、はたして真実なのでしょうか? 【参考記事】 Top Selling Electric Vehicles in the World — January 2024(Clean Technica) 世界における1月のEV販売状況 2024年1月、世界の新車販売におけるEV(BEV+PHEV)のシェアは16%(BEVは10%)で、2023年1月の11%(BEVは7.6%)と比べると、約1.5倍に増えています。台数ベースでも前年から63%の成長で、1月としては過去最高となる100万台を突破。このうちBEVは+48%、PHEVは+98%の成長で、絶対数では引き続きBEVが多い
2024年3月、米政府は2027年から適用する新たな自動車排ガス規制を発表した。当初案より緩和され、ハイブリッド車に有利な内容となった。 これは急速な電気自動車(EV)へのシフトに「ブレーキを踏むよう」働きかけたトヨタの戦略的ロビー活動の成果だと、米紙「ニューヨーク・タイムズ」は指摘する。 招待客オンリーの秘密の会合 2023年の秋、ラスベガスで開催されたトヨタ・ディーラー向け年次会合での朝食会は、招待客のみが参加できる特別な催しだった。出席者にはスマホのカメラを赤いシールで隠すよう指示があった。 朝食会でスピーチをしたのは、トヨタのトップロビイストであるスティーブン・チッコーネだった。彼は「自動車業界は存亡の危機に直面している」と述べ、それは景気やガソリン価格のせいではなく、米国で提案されている排ガス規制の厳格化のせいだと指摘した。 のちに各ディーラーに回覧され、本紙ニューヨーク・タイム
電気自動車(EV)に対する手厚い補助金や減税のおかげで、ノルウェーは世界一のEV先進国となった。 しかしいま、ノルウェー政府はEV補助金の打ち切りへ乗り出しており、業界からは強い反発の声があがっている。加えて、こうした制度が新たな不平等を生んだとの指摘もある。 補助金制度がもたらした国内の分断から私たちが学べることとは──。 補助金が国庫を圧迫! ノルウェー政府が推進した減税や補助金政策、そして充実したインフラ造りによって、ノルウェーはEV先進国の地位を確立した。2023年5月と6月には、新車販売台数の96%をEVとハイブリッドカーが占めるまでになった。2022年には、テスラの「モデルY」がノルウェー史上最高の年間販売台数を記録した。 ところがノルウェーはいま、国民を引き寄せた“甘い”EV補助金をいかに打ち切るべきかという難問に直面している。ノルウェーの例は、ガソリン自動車を廃止するだけで
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