コロナ禍以降、日本のコミックス市場(紙+電子)は大幅に拡大している。2019年にコミックス全体の売上が4980億円だったのに対して、2020年は6126億円、2021年は6759億円と大きく上昇。かつて紙の漫画だけで売上のピークを記録した1995年の5864億円を超えて、2年連続で過去最高を更新している。 紙の漫画雑誌の売上が低下し、紙のコミックスの売上が前年とほとんど変わらないなか、この拡大を原動力となっているのが電子コミックだ。2021年の電子コミックの売上は、前年比2割増しの4114億円を記録。コミックス市場全体の中で電子コミックの比率は、すでに6割を占めている。 こうした状況の中で、「少年ジャンプ+」のようにWeb発で新たなヒット作を生み出すメディアも登場している。さらに、これまでの漫画メディアとは文脈が異なるところから登場して人気を集めているのが、スマートフォンで閲覧する形式の漫
『ラブひな』作者が明かす漫画業界のDX 打ち切り作を実写ドラマ化した絶版ビジネス:コミック市場の売上高が過去最高(1/4 ページ) コロナ禍で多くの業界が未曾有の被害を受ける中、業績を伸ばしたものもある。その一つが、漫画やゲームに代表される一部のエンタメ業種だ。特に漫画の業績の伸びは著しく、全国出版協会・出版科学研究所の調査によると、2020年の紙と電子媒体を合わせたコミック市場の売上高が6126億円と、過去最高を記録した。 翌21年は6759億円に伸ばし、その記録を更新している。これにより、出版市場全体におけるコミックのシェアは40.4%になった。 この背景にあるのが、新型コロナウイルス感染拡大の影響による巣ごもり需要だ。これに伴い、自宅で手軽にダウンロードしてそのまま読める電子版の需要も高まっている。コミック全体の売上高のうち、電子版のシェアが20年は約52.9%、21年は約60.9%
日本のアニメ作品は世界でも人気があり、「日本アニメは世界一」というイメージを持っている人も少なくないのではないだろうか。しかし、拡大を続けていたアニメ制作業界の市場規模が2020年、縮小に転じた。背景には新型コロナウイルスの影響、そして海外のアニメ制作現場の成長を指摘する声もある。海外のアニメ制作現場の成長によって、日本アニメが他国に“負ける”日は来るのか。動画配信サービスの広がりによって変化する世界のアニメ市場と、成長する中韓アニメについて、外国人向けの日本アニメ関連サービスを運営する2社に聞いた。 制作業界の市場規模縮小、向上する海外の技術「『アニメ制作業界』動向調査」(帝国データバンク)によると、アニメ制作業界の市場規模(事業者売上高ベース)は、2019年まで9年連続で拡大していたが、2020年には2510億8100万円(前年比1.8%減)と縮小した。背景には、新型コロナウイルスの影
「MANGA Plus」は日本の切り札になるのか? 「少年ジャンプ+」編集部の挑戦:ジャーナリスト数土直志 激動のアニメビジネスを斬る(1/5 ページ) 日本の漫画ビジネスを巡る状況が、2021年に大きく変わっている。一つは作品をデジタルで届ける流通・販売の変化、もう一つは世界で日本漫画が読まれるグローバル化だ。 書店数や雑誌販売部数の継続的な減少もあり、出版は斜陽産業と思われがちだ。しかし現在、大手出版社は空前の好景気を迎えている。直近の講談社の純利益は前期比1.5倍、小学館は44%増、集英社は2倍を超える。この好業績を牽引するのがデジタル出版、とりわけ漫画だ。 全国出版協会・出版科学研究所によれば、20年の出版市場は前年比4.8%増の1兆6168億円。2年連続で拡大した。中でも漫画の勢いがすごい。電子コミックの増加は同31.9%増である。またインプレス総合研究所は、20年度の電子出
パラパラと雑誌を読んでいると、1つのグラフが目を引きました。マンガアプリの上位5社のユーザー数を比較した図です(日経BP『日経エンタテインメント!』2021年7月号、93頁より引用)。 「LINEマンガ(LINE)」が615万人(前年比123.5%)、「ピッコマ(Kakao Japan)」が511万人(同168.6%)の2強が他マンガアプリを圧倒しています。 3-5位は「少年ジャンプ+(集英社)」が229万人、「マンガワン(小学館)」が182万人、「マガポケ(講談社)」が181万人と、いわゆる3大出版社が並びます。 不思議に思ったのは、2強の着実なユーザー数の伸びに比べて、3大出版社の伸びが鈍化していたことでした。なぜでしょうか? マンガアプリは2種類ある 国内には100超のマンガアプリがあります。3大出版社は上記のアプリだけを提供しているわけではありません。つまり、鈍化の理由は「3大出版
現在TBS系列で放送されヒット中のドラマ「ドラゴン桜」。原作漫画『ドラゴン桜』『ドラゴン桜2』を、作者・三田紀房氏との二人三脚で成功に導いてきたのが、編集者で株式会社コルク代表の佐渡島庸平氏だ。三田作品のほかにも『宇宙兄弟』などの人気作を生みだしたあと講談社を退社し、日本のコンテンツビジネスを世界に通用するものとすべく、クリエイターのエージェンシー「コルク」を起業。最前線を走る佐渡島氏が、日本のコンテンツビジネスの現状と、その先に見据えるビジョンについて語った──。 「日本の漫画」は韓国・中国に惨敗した 漫画アプリ「ピッコマ」などを展開する韓国企業カカオエンターテインメントが、ニューヨーク市場での上場を計画しています。その際の企業評価額として、同社は約2兆円を見込んでいるとのこと。 日本で漫画を手がけている大手出版社と比べると、事業規模が文字通りひとケタ違う。この一事を見るだけでも、日本の
「ワピース」騒動についてご存知でしょうか。 ちなみにワピースを知らない人のために書いておくと、10年以上前に韓国で制作されてその当時に良くも悪くも話題になったワンピースの丸パクり漫画ね。 Netgeekが「韓国で放送中のアニメ「ワピース」が、日本の漫画「ワンピース」と大変酷似しており、批判が殺到中」と批判記事を書いていて(その記事がこちら)、興味が湧いたから調べてみました。 (調べてみたら、netgeekの記事にはちょっと的はずれなことも書いてあることがわかりました) というわけでさっそく韓国語ソースを調査。 韓国語版のアンサイクロペディアの記載が皮肉たっぷりでなかなかおもしろくて、ワピースについて 「大韓民国のゲグジャンイが3年間制作していた、100%純粋国産キャラクターで勝負する100%純粋国産アニメーションである。ワンピースとなぜか似ている部分があるように見えるが気のせいだ。」 と書
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