ねずみから採取した、たった1滴の血液からクローンのねずみを作り出すことに茨城県つくば市の理化学研究所のグループが成功しました。 血液という手に入りやすいものでクローンを作れることから、絶滅のおそれのある動物などを増やす技術につながると期待されています。 この研究を行ったのは、茨城県つくば市にある理化学研究所の小倉淳郎室長の研究グループです。 研究グループでは、ねずみから採取した1滴の血液の中から白血球を取り出し、これを基に同じ遺伝情報を持つクローンのねずみを作り出すことに成功しました。 白血球には複数のタイプがあり、クローン動物を作るには、非リンパ球と呼ばれるタイプの白血球を取り出す必要がありますが、研究グループでは、顕微鏡を使って85%という高い確率で取り出す技術を開発し、クローン作りが可能になったということです。 絶滅のおそれのある動物を増やす技術などにつながると期待されるということで
『がん遺伝子の発見 がん解明の同時代史』という本を読んだ。 がん遺伝子の発見―がん解明の同時代史 (中公新書)posted with AZlink at 2013.6.20黒木 登志夫 中央公論社 売り上げランキング: 218163 Amazon.co.jp で詳細を見る この本の中で、美智子皇后とPCR開発者のロックなエピソードが紹介されていたのでまずその話から。 PCR法というのは、すごく良く知っている人はすごく良く知っているし、ちょっと知っている人はちょっとだけ知っているし、知らない人は全然知らない技術でしょう。とにかく、ごく微量なサンプルから簡単にじゃんじゃん遺伝子を増やせるという、ネズミ講の遺伝子版みたいな感じで、その筋の人達にとってはウハウハなわけです。 (どういう感じのブログなのか知ってもらいたくて、全然情報量のない段落をひとつ作ってみました↑) 今回読んだ『がん遺伝子の発見
イワシやサバなどの青魚に多く含まれる「オメガ3系脂肪酸」の割合が多い食事を取ることで、恐怖や苦痛を伴う記憶を緩和させる傾向があることが動物実験でわかったと、国立精神・神経医療研究センター(東京都)の関口正幸室長らの研究チームが19日、発表した。 不安障害などの発症予防に役立つ可能性があるという。20日から京都市内で開かれる脳神経分野の合同学会で報告する。 オメガ3系は、DHA(ドコサヘキサエン酸)やαリノレン酸などの不飽和脂肪酸。実験では、オメガ3系と、植物油に多いオメガ6系(リノール酸など)の含有割合を変えた餌を食べさせた複数のマウスに、怖がって動かなくなる程度の電気ショックを与えた後、再び動きだすまでの時間を比較。3系、6系はいずれも必須脂肪酸だが、食事の欧米化が進み、日常生活での3系の摂取量は、6系に比べて減っている。3系と6系の割合を1対7~8にした餌を与えた32匹は、動き出すまで
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 失語症 さて、固有名詞を忘れることが多いことは、一般的な事実だが、すでにベルクソンが失語症の症状の分析において、身体の動作を示す動詞と対比すると、固有名詞がもっとも先に失われていくことを指摘していた。これからしばらく、言葉を失っていく障害である失語症のメカニズムを考察しながら、言葉を忘れるということの意味を考えてみたい。 人間が言葉を話せるというのは驚くべき能力である。そのことは、言葉を失っていく過程とそれを取り戻していく過程を調べてみると、まざまざと実感することができる。言葉を失うというのはどのようなものか、想像できるだろうか。ぼくたちはずっと言葉を聞き、話すことになれているので、なかなか想像もつかないことだ。 言葉を失うとは たとえばまっ
今日発表されたNatureのオンライン版に、弘前大学出身で北大の私の研究室で博士号を取得、今はニューヨーク大学でポスドクをしている武尾真君を筆頭著者とする論文が出ています。 Nature Newsにも取り上げられているので、かなり注目度の高い論文です。 How nails regenerate lost fingertips Study of mouse toes reveals pathways that could offer clues for regenerating human limbs. 現象自体は研究者には結構知られていることなのだそうで、実験に使われたマウスと同じようにヒトでも指先を切断するような事故にあったとしても、爪がある程度残っていれば指先は「完全に」再生することが知られていたようです。 なんだ、それなら度々日本のテレビに登場し、BBCでも大々的に取り上げられたニュ
5月31 恐怖のアルコール その1 (酢を昼間から飲んでいた酒豪のクラスメートの謎がようやく解けた) カテゴリ:アルコール認知症 大学時代に酒豪のクラスメートがいたが、彼はよく酢を飲んでいた。彼の机には酢の瓶がいつも置いてあり、コップについではガブガブと飲んでいた。彼が言うには、酢がすごくうまいのだという。しかも酢を飲むと集中力が高まり勉強がはかどるのだという(そんなことあるかいな)。 しかし、この謎が30年以上も経ってようやく解けたのであった。アルコールを飲み続けると、脳の神経細胞はアルコールの代謝産物である酢酸ばかりをエネルギー源として利用するように変化してしまうという論文が出たのである。彼は、ブトウ糖よりも酢酸を好んで消費するようになった脳の命令に従って、昼間から脳のエネルギー源として酢を好んで飲んでいたのだ。今、ようやくクラスメートの謎が解けたのであった。 ヘビードリンカーの脳は酢
2013-05-28 タコ「うー、寒い寒い、ちょっとRNA書き換えとこ」 Octopuses Rewrite Their RNA to Beat the Cold - ScienceNOW DNA-mRNA-タンパク質がいわゆるセントラルドグマで、DNAの配列の違いが、そこからできるタンパク質の構造の変化につながり性質が変わってくわけですが、その途中、mRNAのところでちょいちょいっと編集しちゃおうというのがRNA編集です。この分野の研究者がプレゼンをするときスライドにスペルミスなんかがあっても「あーこっちも編集されちゃいましたね」と言うとウケます。少なくともアメリカでは。 今回ご紹介するのは一年前の論文だけど、南極あたりに住むタコがとあるタンパク質を低温でも働けるようにRNA編集するという仕事です。上記ScienceNowの記事では、タコは寒くても「手袋してない」とアメリカンジョーク
海外FX業者を利用する上で、ボーナスは絶対に欠かせません。口座を新規開設するだけでもらえる「口座開設ボーナス」、入金時にもらえる「入金ボーナス」、その他にもキャッシュバックなど、様々なボーナスがもらえます。 受け取ったボーナスはそのまま取引に使え、利益が出た時は出金することも可能です。お得はあっても損はないボーナスなので、海外FX業者を選ぶ際には必ず比較しておきたいところです。 そこでこの記事では、海外FXボーナス(口座開設ボーナス・入金ボーナスキャンペーン)を徹底的に研究した上で、おすすめ比較ランキングにまとめてみました。日本人に人気のFX業者だけでなく、マイナーの海外FX業者や注意点なども詳しく解説していきます。 「海外FXボーナスが豪華な業者をすぐに知りたい」という方向けに、海外FXボーナス選びに役立つカオスマップを作成したのでこちらも併せて参考にしてください。 「どのFX業者で口座
123RF 米デューク大学の調べで、出世して高収入を約束されている男性に共通しているのは“低い声”であることがわかった。声の低い男性は収入も多く、大きな企業を率いて、長期間仕事を続けている傾向にあるという。 同大学では米国企業の792人の最高責任者を調査し、収入と声の低さには確固たるつながりがあることを発見した。職場で声の高い同僚に囲まれ尚かつ本人の声が低い場合、高収入に恵まれるケースが多いとか。事実、米タイムズ紙のデータでは平均年齢56歳、声の周波数が125.5ヘルツのCEOの平均年収は370万ドル(約3億7,600万円)で、24億ドルの会社を率いているという。 もっとも声が低い方に属する経営者の平均給与は187,000ドル(約1,900万円)以上、4億4千万ドル以上というケタ違いの資産を運用しているというから、何が何でも声を低くしたくなってくる。調査を行ったBill Mayew教授によ
ドラッカーなんて誰も読まない!? ポーターはもう通用しない!? ―― 学問としての経営学 入山章栄×飯田泰之 情報 #行動経済学#経営学#新刊インタビュー#ドラッカー#ポーター#リソース・ベースト・ビュー#ヤバい経済学 経営学と聞いて経営者名言集や列伝をイメージする人も少なくないだろう。いったい経営学とはどのような研究を行っているのか。『世界の経営学者はいま何を考えているのか』の著者でありアメリカで経営学を研究する入山章栄氏と経済学者・飯田泰之が、世界の経営学について、学問のあり方について繰り広げる、太平洋をはさんだスカイプ通話による日米間対談。(構成/金子昂) 飯田 経営学については経済学以上に誤解が多い学問かもしれません。その意味で、入山さんにアカデミックな経営学の最前線を紹介いただけるというので楽しみにしています。 入山 じつは、ぼくは飯田さんが博士課程の頃から、飯田さんのことを知っ
デニス・ノーミル(Dennis Normile) 原文:Insistence on Gathering Real Data Confirms Low Radiation Exposures (Science 10 May 2013: Vol. 340 no. 6133 pp. 678-679) (翻訳 山形浩生) 東京: 2011年3月、福島第 1 原子力発電所での惨事が展開する中で、早野龍五は放射性物質の放出についてツイッター投稿を始めた。この東京大学素粒子物理学者は、次第に地域住民の被曝をめぐる論争にますます深く引きずり込まれるようになっていったのだった。当局がきちんとした事実を提供していないことに失望した早野は、学校給食の放射性セシウム検査を始めた。これは福島周辺の環境で最も量の多い放射性核種だ。そして、汚染食物を食べることで地元住民がどれだけ放射性核種を吸収しているか計測しようとし
2013-05-08 性別が7つある生き物とその決定機構 ヒトの性は2種類だ。集団に男女半々ずつとすると100人いたら交配相手の候補は50人ということになる。じゃあ7種類の性があったらどうなるのか!これも集団中に各性別が均等にいるとすると相手候補は100人中およそ85.7人になるのだ!!!!!!なんてお得!!!!!!よりどりみどり!!!!!!引く手あまた!!!!!!みどりあまた。 まあそれ言い出したら全員雌雄同体が一番お得かもしれないな……。なんかそれもつまらなそうだけど……。 テトラヒメナTetrahymena thermophilaには7つの性がある。「オス」と「メス」以外になにか名称があったら面白かったのにI,II,III,IV,V,VI,VIIと呼ばれています。味気ない。そのテトラヒメナの性決定の仕組みがちょっと明らかになったそうなので紹介します。 基礎知識 テトラヒメナはこう
米カリフォルニア(California)州ロサンゼルス(Los Angeles)で開催されたゲームの見本市「エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ(Electronic Entertainment Expo、E3)」で、ゲームを楽しむ来場者たち(2012年6月7日撮影、資料写真)。(c)AFP/Frederic J. BROWN 【5月6日 AFP】テレビゲームをすることで、記憶力や論理的思考、視覚処理といった脳の機能の衰退を防いだり、回復させたりすることが可能だとの研究結果をまとめた論文が1日、米オンライン科学誌「プロスワン(PLOS ONE)」で発表された。50歳以上の数百人を対象にした実験の結果、テレビゲームにより認知機能が改善し、加齢に伴い衰える各種能力が最大で7歳近く若返ることが分かったという。 米アイオワ大学(University of Iowa)の公衆衛生の専門家、
血液のがん、白血病の再発の原因とされる「がん幹細胞」を、特定の化合物を使って死滅させることに成功したと理化学研究所などのグループが発表しました。 白血病の根本的な治療法の開発につながるとしています。 横浜にある理化学研究所などのグループは、大人に多い血液のがん、急性骨髄性白血病の治療法を開発するため、がんを作り出し、再発の原因とされる「がん幹細胞」に注目しました。 そして、がん幹細胞の増殖に関係するたんぱく質を分析し、このたんぱく質に強く結びついて働きを抑える化合物を特定したということです。 この化合物をヒトのがん幹細胞を移植して白血病になったマウスに毎日、投与したところ、およそ2か月で、血液や、血液が作られる骨髄で、がん幹細胞を死滅させることに成功したとしています。 研究グループは、今回、特定した化合物を使えば、毎年、国内で5000人余りが発症する急性骨髄性白血病のうち、およそ30%を占
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