各地をウロウロしていると、無人駅に出くわすことがある。無人駅とは、駅員さんが常駐していない駅である。わたしは、駅員さんの不在を目の当たりにすると、不思議な気持ちになる。焼き豚の入っていない炒飯が脳裏をよぎるのだ。成立はするんだけど、確実に何かが不在である……というような。 そんな無人駅。けして地方特有のものではなく、東京都内にもバリエーション豊かに点在している。その一端をめぐってみたところ、さまざまな角度から東京が眺められて、頭からぼうっと湯気が噴き出すような楽しさを覚えたので報告したい。
1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。(動画インタビュー) 前の記事:両面焼きの餃子は熱い 勝手に食べ放題2020餃子の王将編 三軒茶屋で海鮮丼茶漬け 有名人が多く住む町、三軒茶屋。人気の町としても知られている。地方から上京する若者は三軒茶屋を選びがち、というあるあるを聞いた事があるが、どうでしょうか。 「海街丼 三軒茶屋本店」というお店。 昔、さだまさしが「海は見えますか?」と歌っていたが、海が見えなくても海鮮丼は食べられる。 イワシをあぶったどんぶり、白身魚をごちゃまぜにしたそれはありがたい丼もある。 ここのお店は海宝丼というのが名物である。並、上、特上とあるが、どれにしようか。仕事で何かを成し遂げていなくても、私生活でおめでたいことがなかったとしてもこれから人生、おもいきっ
昔の人々は日々どんな料理を食べていたのだろうということを考えてみたことはないだろうか。それが紀元前ともなると調味料や食材にも制約が出るし、どんなものを食べていたのか想像ができない。そもそも料理はしていたのだろうか……? そんな、まったく想像できなかった紀元前3000~400年頃の古代メソポタミアの料理を再現したものを食べることができたのでお伝えしよう。 古代メソポタミア料理を食べることができたのは、銀座にあるダイニングバー「日々輝」でやっている期間限定のイベントのなかでだ。「日々輝」と音食紀行を主宰する歴史料理研究家の遠藤雅司さんとのコラボで、2020年3月までギルガメシュやエンキドゥの時代に食べられていた料理の再現をしている。 歴史料理研究家という肩書を持つ遠藤雅司さん(奥)。遠藤さんはこのイベントではレシピの提供をしている。当時のレシピというのはそれこそ粘土版に楔形文字で書かれたような
北海道標津町の毎年1月11日は「いい飯寿司(いずし)の日」である。絶妙に語呂合わせできているようなできていないようなこの日は特産物のサケを使った「鮭飯寿司」のコンクール(大試食会)が開催される。 そもそも飯寿司とはなんなんだ、とか言ってたら地元の漁師さんの家で作って試食会に出品までしていた。人生はわからない。もうなにもわからない。 ※この記事は(2回目の交通費だけ)デイリーポータルZをはげます会の提供でお送りします。はげます会のみなさん、ありがとう! 1975年神奈川県生まれ。毒ライター。 普段は会社勤めをして生計をたてている。 有毒生物や街歩きが好き。つまり商店街とかが有毒生物で埋め尽くされれば一番ユートピア度が高いのではないだろうか。 最近バレンチノ収集を始めました。(動画インタビュー) 前の記事:東京23区「広報誌ラック」集め > 個人サイト バレンチノ・エスノグラフィー 標津町「鮭
以前、ペン回し世界チャンピオンへのインタビュー記事というのを書かせてもらった。 その取材時にとんでもない超級テクニックの数々を目の当たりにしたこともあって、それ以来ペン回しにあこがれを抱いているんだけど…ただ、何度練習してもうまくペンが回せないのである。 とはいえ、僕も文房具の専門家としての意地がある。ペンも回せないようで文房具ライターが名乗れるはずもないのだ。 そこで、どんなに不器用でも簡単にブン回せるペンというのを試してみることにした。 1973年京都生まれ。色物文具愛好家、文具ライター。小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の人間がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文具を自慢する」という結論に辿り着き、そのまま今に至る。(動画インタビュー) 前の記事:鉄道の街大宮でハイエナ見てナポリタンを食う~新幹線の駅にひとり置き去り~ > 個人サイト イロブン Tw
世田谷ボロ市が大好きなデイリーポータルZ。 一昨年、ボロ市で買ったものの値段を当てる「世田谷ボロ市で買ったものまるごとハウマッチ」という遊びをやった。 今年もやりました。 ※編集部より この記事はデイリーポータルZの運営元であるイッツコムのサービスエリアの魅力を紹介するつもりで作りました。 世田谷ボロ市とは? 世田谷ボロ市とは、毎年1月と12月に世田谷区で行われる大規模な骨董市である。 年数のカウントのところだけ毎年増やしている 安土桃山時代から続くイベントで、東京都の無形民俗文化財に指定されている由緒ある民俗行事……ではあるが、普通に規模のでかい骨董市である。 このボロ市で、心の琴線に触れたものを各々が購入し、その値段を当てつつ、買ったものをみんなに自慢する……そういう趣向である。 参加者は去年と同じく、当サイト編集部の林さんと、古賀さん、そして私、ライター西村です 「ボロ市で買ったもの
1971年東京生まれ。イラストレーター。ドクロ服、ドクロ雑貨集めに情熱を燃やしすぎている。ほかにはワニ、ウツボ、ハダカデバネズミなど毛の生えていない動物も好む。著書に「しろねこくん」、「ココロミくん」、「ひとみしり道」、「ばかスイーツ」などがある。(動画インタビュー) 前の記事:くりこま高原はけやきが甦ってぎんなんが安い〜新幹線の駅にひとり置き去り〜
紆余曲折を経て『孫指』という道具を作ったら、年末に大変バズりました。みんな最近の大きくて重いスマホに小指をやられていたってことなんでしょうね。 今回は、なぜ孫指を作るに至ったのか、孫指を改良したらどうなったのか?という辺りについて書いてみようかと思います。 良いなと思ったら自分でも作ってみてください。 あばよ涙、よろしく勇気、こんにちは松本です。 1976年千葉県鴨川市(内浦)生まれ。システムエンジニアなどやってましたが、2010年にライター兼アプリ作家として自由業化。iPhoneアプリはDIY GPS、速攻乗換案内、立体録音部、Here.info、雨かしら?などを開発しました。著書は「チェーン店B級グルメ メニュー別ガチンコ食べ比べ」「30日間マクドナルド生活」の2冊。買ってくだされ。(動画インタビュー) 前の記事:牛乳は、牛乳1:水2で薄めて使うとちょうどいい > 個人サイト keiz
1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。 前の記事:「皮だけおでん」を作ってみて得た4つの気づき これはほんの一例で、とにかく自由な発想でホットサンドメーカーを使い倒している。そのどれもがたまらなく美味しそう。こんなの、真似して買わないわけないじゃないですか、ホットサンドメーカー。 買いましたよ リロ氏さんとまったく同じ製品。もはやただのファン。ちなみに、運良くタイムセールのタイミングで、1000円ほどで購入できました。 で、このホットサンドメーカーをどうやって使うかというと、基本的には、焼きたい食材を挟み、弱火で両面じっくり火を通すだけ。いきなり強火でいくと焦げますから、あせらずじっくりが吉。 「油がはねない」「パカっと開けて気軽に火の通り具合を確認できる」「しばらくほっとけば勝手に焼
大久保駅前にある八百屋のお惣菜がアジアっぽくなってた。話を聞きに行ったらスーパーカーが出てくる意外な展開に 新宿駅から一駅離れた大久保は今韓流ブームのおかげでちょっとした原宿みたいになっている。 そして韓国に限らずアジア系の人もたくさん住んでいて、アジアの食材店や料理店がたくさんある。 ふらっと寄った八百屋にまでインド料理っぽい惣菜がある。しかも安い。おもしろいなあ大久保の八百屋。どういうことになってるんだろうと話を聞きに行ったらスーパーカーが出てきた。 アジア料理の街大久保は八百屋まで変 大久保には韓国のお店だけでなくインドやネパールなどアジアを中心としたさまざまな料理店、食材店がある。 筆者はインドには行ったことがあるのだが、食材店なんかは現地そのままの雰囲気だ。おもしろがって用もないのに見に行ったりしていた。 大久保駅と新大久保駅の間にある八百屋 ある日八百屋から見慣れない料理の看板
最近、飲み会で「乾杯〜」のあと「このかけ声って乾杯しかパターンがないのか?」という話になった。 これまでなにも考えず、乾杯乾杯と言ってきたのだ。 無意識に言ってしまう割に、違和感のあるフレーズは他にもあった「お疲れ様です」がその代表である。 もしかしたらもっとたのしい言い方ができるのではないか? いろんなフレーズの代案を考える会をやりました。 「無意識にいってしまうセリフ」を集める まずは、なにも考えずに言ってしまい、代案を考えてみたいセリフを集めていく。 「お疲れ様」「乾杯」はその筆頭である。友人たちと考えていくことにした。 「わー結構あるな」友人の永井千晴さんだ。「お疲れっていう言葉に違和感ある?」と聞いたら「朝言われると え? ってときあります」と返ってきたので呼んだ。 もう1人の参加者はフロクロさん。「七五調の言い回しを500個集めました」と嬉しそうに報告してきたので呼んだ。「乾杯
変なモノ好きで、比較文化にこだわる2人組(1号&2号)旅行ライターユニット。中国の面白可笑しいものばかりを集めて本にした「 中国の変-現代中国路上考現学 」(バジリコ刊)が発売中。 前の記事:生活臭が詰まった台湾中古ショップ巡り > 個人サイト 旅ライターユニット、ライスマウンテンのページ タイのお寺マニアのたーれっくさんと行く タイ在住日本人男性「たーれっく」さんはタイのお寺にはまっている。たーれっくさんはタイのお寺が好きでお寺漫画を描くまでに至っている。漫画では定番のお寺からマニアックなお寺まで様々なお寺を紹介している。 そんなお寺巡りを邁進するたーれっくさんと合流し、首都バンコクで気軽に行ける通なスポットを案内してもらうことに。 ありがたや! たーれっくさん。タイ発行のフリーペーパー「Weekly WiSE」にて「漫画で学ぶタイのお寺」を連載中。ほかにも電子書籍でタイを紹介する漫画を
1983年徳島県生まれ。大阪在住。散歩が趣味の組込エンジニア。エアコンの配管や室外機のある風景など、普段着の街を見るのが好き。日常的すぎて誰も気にしないようなモノに気付いていきたい。(動画インタビュー) 前の記事:「神は細部に宿る」コレクション > 個人サイト NEKOPLA Tumblr 限界までJPEG圧縮したい ここに何の変哲もない写真がある まったく同じ写真でも、JPEGの圧縮率を高めるとこうなる。一枚目の写真と比較して、容量は約2/3にまで圧縮できた。スマホで見ると違いが分からないかもしれないので拡大してみると、 汚いノイズが目立っている JPEGという画像圧縮の規格がある。人間の目には感じにくい情報を削ることで、画質をほとんど変えずにファイル容量を小さくする技術である。 当然ながら、画質と容量はトレードオフの関係にある。高画質を維持すればするほど容量は減らないし、逆に画質劣化を
1982年生まれ。ウィーンに住んでいるのに、わざわざパレスチナやらトルクメニスタンやらに出かけます。 岡田悠さんと「旅のラジオ」更新中。 前の記事:ジョージアの廃墟の町で「スターリン温泉」に入る > 個人サイト ウィーンと私と、旅する子どもたち (上記9枚の写真は、アジャリア観光資源開発庁からの提供) アジャリア『自治』共和国 「アジャリアは、通貨も言語もジョージアと同じです」と、政府職員が私に応えた。 「それって、ほんとうに国と言えるんですか?」 すこし意地悪な質問をぶつけてみると、 「まあ、だから『自治』共和国と名乗っているのです」 どこか飄然とした回答なのであった。 アジャリアの首都バトゥミは、ジョージア国旗の左下の「赤丸」部分(出所:トビリシの古本屋で買った歴史の教科書) 街中でアジャリア国旗を見かけたが(写真奥)、数としてはジョージア国旗の方が多かった(写真手前) トルコと隣り合
趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。(動画インタビュー) 前の記事:台湾でインスタントラーメンの源流かもしれない麺を食べ歩く > 個人サイト 私的標本 趣味の製麺 受け皿でフタをするのがトレンドなのか ある日の午後、「行きつけのイタリアン」が枕詞のサイゼリヤで、ドリンクバーのコーヒーを飲もうとドリンクカウンターへ足を運んだのだが、そこで「紅茶のおいしいいれ方」という注意書きを見て驚いた。 なんと受け皿などでフタをしろと書かれていたのだ。え、そんな作法あるの? そんなことしている人みたことないぞ。いや私が知らないだけで常識なのだろうか。 ドリンクバーの紅茶をほとんど利用しないためか、こんな注意書きは初見である。ここに書かれた作り方が本当におすすめなのか、すでに一般的なのか、一体誰に聞けばいいんだろ
2019年も、まもなく終わろうとしている。 毎年、この時期に行われている、三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2019」の結果が発表された。 選考発表会を見に行ったので、結果をお知らせしたいとおもう。 本当に「新語だな」と思える新語大賞 三省堂の辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2019」は、三省堂が2014年から毎年、行っている新語大賞で、当サイトでも何度か取り上げた。 KYは使われはじめて10年目?〜三省堂「今年の新語2016」とは? この「今年の新語」が、他の新語大賞とすこし違うのは「今後も使われ続け、日本語として定着するのではないか?」と思う新語を選ぶというところが、ポイントで、今年だけの流行語を選ぶわけではない。ここ重要なのでもう一回繰り返します。 「今年の新語」は、その年にしかはやらない言葉を選ぶのではなく、辞書に載せられるほど、定着するであろう新語を選ぶ。というイベントです。
1975年宮城県生まれ。元SEでフリーライターというインドア経歴だが、人前でしゃべる場面で緊張しない生態を持つ。主な賞罰はケータイ大喜利レジェンド。路線図が好き。(動画インタビュー) 前の記事:桃太郎のきびだんごは経費で落ちるのか > 個人サイト 右脳TV 裏切りものが何人いるかわからない世界 のっけからダジャレで恐縮である。でもそんなに遠くない気がするのだ。レゴブロックでなんとかイケるのでは?というぼんやりした確信を頼りに進めよう。 というわけで担当編集の古賀さんに説明します。ブロックチェーンについては「ビットコインが盛り上がったときに本を読んだがさっぱりわからん」とのこと。 いやしかし、仮想通貨(最近は暗号資産と呼ぶ)には苦い思い出もある人も多かろう。トラウマを刺激するつもりはないので、ここは最初に言っておこう。 実はブロックチェーンは「データを安全に保管する仕組み」であって、仮想通貨
1992年東京生まれ。普段は商品についてくるオマケとかを考えている会社員。好きな食べ物はちくわです。最近子どもが生まれたので「人間ってすごい」と本気で感じています。(動画インタビュー) 前の記事:夜の埋立地散歩 ~超穴場夜景スポットと地の果て~ > 個人サイト 日和見びより ルーツは日本最古の理容店 というわけで東京大学の本郷キャンパスへやってきた。東大は敷地も広大なので美容院くらいあってもおかしくないだろうという思いと、本当に構内に美容室が必要か…?という思いが混ざり合う。 目的の美容室は東大のランドマークともなっている安田講堂のすぐ近く、法文2号館の地下にある。 お店の名前は「kitadoko」だ。 法文2号館は設計者の内田祥三の名前から通称「内田ゴシック」と呼ばれるアーケードが美しい 渋い並びの地下のテナント。フォントがゴシック体なことと建物がゴシック調なことに関係はあるのか(多分な
変な日本語Tシャツやタトゥーなど、海外の怪しい日本語はインターネットでも大人気だが、日本にも怪しい英語がたくさんあることをご存知だろうか。 怪しいといっても間違っているわけではない。大真面目に伝えようと頑張った結果大変面白くなってしまった英語が、例えば日本にしかない概念を英訳した説明文などで稀に見ることができるのだ。 ”中二病が考えた必殺技”の味わい 初めてそれを発見したのは数年前、名古屋の徳川美術館を訪れた時だった。この美術館は海外からの来客も多く、展示品に添えられた説明書きには日本語と英語が並んでいる。 その時はちょうど千利休の企画展をしていた。そういえば、茶の湯文化って海外にも通じるんだろうか。 英語だとどんな説明になるのか気になって読んでみると、茶の湯を極めた利休が「茶聖」の称号を手に入れた、という流れでとんでもない英語表記が目に飛び込んできた。 これを見つけた時の概念を揺さぶられ
「おれが本物のたけのこってやつを見せてやりますよ。明日7時、羽田空港に来てください」 と言われて京都までたけのこを食いに行かされる。『美味しんぼ』などのグルメ漫画でよくある展開である。 あれを実際にやってみるとどんな感じなんだろうか。気まずい空気になったりしないのだろうか。スケールダウンして体験してみた。 連れて行かれる人の気持ち グルメ漫画で「お前達に本物を食べさせてやる」と連れていかれる人たちってどんな感じなんだろう。 そんな話題がデイリーポータルZの飲み会で昔からよく語られていた。多少スケールダウンすればあれを実際に体験できるのではないか。 翌日京都に行ったりするのではなく、すぐ移動して2時間以内に収めるのだ。場所も用賀から電車で11分の渋谷、食べるものはちょっと珍しいものとしてタイ料理のマッサマンカレーを選んだ。 「記事の撮影をするので2時間空けてきてください」とお願いして人を集め
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く