映画「BASURA」から フィリピンのごみ捨て場に暮らす人々を撮り続けてきた映画監督、四ノ宮浩さん(51)が最新作「BASURA(バスーラ)」を完成させた。同国での第1作「忘れられた子供たち」(95年)から、変わらぬ視点で、貧困の現状を伝える。東京都写真美術館で上映が始まり、今後、全国公開を予定。若者に見てほしいと、高校生以下は入場料を無料にした。 バスーラとは、現地の言葉で「ごみ」のこと。四ノ宮さんは「スモーキーマウンテン」と呼ばれたフィリピン最大のごみ捨て場に住み込み、6年かけて第1作を撮った。世界の注目が集まり、当時の政権がごみ山を封鎖した。 さらに、住民が移り住んだ別のごみ捨て場で次作の制作を開始。撮影中にごみ山の崩落事故に遭い、その一部始終を追ったのが2作目の「神の子たち」(01年)になった。 それでも「現実は変わらない」と、あきらめかけて日本に帰国した。その時、9・11