国を挙げての取り組みが注目される「働き方改革」。「同一労働同一賃金」が真っ先に取り上げられ、議論されています。政府の取り組みに先駆け、昭和女子大学では八代尚宏氏を座長に2016年9月~2017年2月の半年間にわたり、「労働法制の変化と『働き方』研究会」が開催されました。これからの働き方改革とは本来、どうあるべきなのか。この課題に対し、参加者の多くが、企業の人事担当者、女性活躍推進担当者、ダイバーシティー担当者だったこともあり、各回とも活発な議論が交わされました。今回は、残業代割増率と残業時間の関係に迫ります。(以下、すべて八代氏 談) 日本の働き方では長時間労働にならざるを得ない理由 「日本の労働時間はなぜ長いのか」――。前回記事(「『長時間労働の削減』は日本の雇用慣行を揺るがす」)では、長時間労働の原因について考えました。 今回は労働時間規制がどんな必要があって定められているのか、また労