道路や橋梁、トンネルなど日本のインフラは1960年代、高度成長期に急ピッチで整備された。人口の急増や大都市化、モータリゼーションの進展に加え、1964年には東京五輪が開催されたことで東京を中心にインフラ整備のニーズが高まったことが背景にある。 だが、それから50年が経ち、インフラの劣化が顕著になってきた。高速道路などでのコンクリート片の落下など、深刻な問題も起きている。 そうした高度成長期の遺産とも言うべきインフラの劣化は、コンクリート構造物だけに留まらない。実は、街路樹も危ないのだ。 高度成長期に多くの道路が整備されるのと同時に、都市空間における環境対策の観点から街路樹も植えられた。 植えられたときには樹齢10~15年ほどだった街路樹も、今では60年以上。老朽化が進んでいる街路樹も多い。 樹木にとって道路沿いに植えられることは、公園など広い土地に植えられるのに比べて過酷な状態だ。歩道の一