育ち盛りの子どもが、パン1個と牛乳で、おなかを満たせるはずがない。しかし、震災被害の大きかった被災地の公立学校の多くで、そんな給食が続いている。飽食ニッポンの出来事とは思えないが、役所の頭の固さもあって、改善しそうにない。 ライター・形山昌由(写真も) がれきがまだ手つかずのまま積み上がっている雄勝地区に、石巻市立大須中学校はある。鎌田鉄朗教頭は困った表情を隠さずに、こう打ち明けた。 「みんなおなかを減らしています。生徒の中には一時期、体重が5キロ減った子がいました。私自身も6キロ減りました。何とかしようと、生徒を連れて近くの山でバーベキューをしたり、家庭科室でカレーを作ったりと、いろいろと工夫をしているところですが……」 岩手、宮城両県では、4月20日から21日にかけて多くの公立学校が再開し、それに合わせて学校給食も始まった。だが、各地の給食センターが東日本大震災で被害を受け、完全