→紀伊國屋書店で購入 かつて七日間で世界を灼きつくしたと伝えられる巨神兵のように、莫大なエネルギーを以て創作に打ち込む天才。誰もついていけない、いや、一緒にいるだけでうっかり一緒に灼かれてしまいそうな危険な存在。そんな人を私はモンスターと呼んで、密かにコレクションしています。書評空間ではすでにそんなモンスターのひとり、宮崎駿監督の暴走っぷりを書いた(それが主題の本ではないのですが)「ジブリの哲学」をご紹介させていただきましたが、今回はさらにすごいモンスターを紹介させていただきます。漫画の神様、手塚治虫先生です。 手塚治虫を神格化して描いた漫画といえば、藤子不二雄Aによる自伝的漫画「漫画道」でしょう。故郷の富山県でせっせと漫画を投稿していた少年時代の藤子不二雄コンビは、自信作をひっさげて上京を果たします。しかし憧れの手塚治虫に邂逅を果たした彼らは、手塚が自らボツにした膨大な枚数の原稿を目にし