天理市豊田町で7世紀前半に築造された古墳が新たに見つかり、同市教委が27日、発表した。巨石を組んだ全長9・4メートルの大型横穴式石室が確認されたことや、一帯が古墳時代の豪族・物部氏の本拠地だったことから、市教委は「物部氏の首長クラスの墓である可能性が高い」としている。(岡田英也) 昨年12月から市道整備に伴う調査を実施。地形から県の遺跡地図には古墳の存在が指摘されていたが、石室は初めて確認された。墳丘は直径約30メートルの円墳とみられる。市教委は「豊田トンド山古墳」と命名予定。 石室は最大で一辺3メートルの巨石を積み上げていた。ひつぎを置く「玄室」は長さ4・9メートル、高さ2・6メートル、幅2メートル。中世に盗掘された痕跡があり、棺は残っていなかったが、石の破片が多数見つかり、石棺が安置されていたとみられる。 通路の「羨道(せんどう)」は幅1・7メートル、長さ4・5メートル。床面に赤色の顔