『和宮様御留』(かずのみやさまおとめ)は、有吉佐和子の長編小説。文芸雑誌『群像』に1977年1月号から1978年3月号にかけて連載され、同年講談社から出版された。「和宮替え玉説」というショッキングなテーマが連載中から反響を呼び、単行本はベストセラーとなった。第20回毎日芸術賞受賞。1980年、1981年には竹下景子主演で舞台化され、2度テレビドラマ化され、しばしば舞台化されている。 概要[編集] 本作品は「和宮替え玉説」をストーリーの中核とする歴史小説である。公武合体のために和宮降嫁を急ぐ京都所司代酒井忠義(さかいただあき)と、頑強に拒否する観行院(かんぎょういん)・和宮母子、その間で右往左往する孝明天皇や公家衆、女官たちの動きを細かく追いながら、作者の創作した主人公の少女フキが、何も知らされないまま替え玉に仕立て上げられ、次第に精神の均衡を失っていくさまを冷静な筆致で描いている。また文中