印刷 65歳以上の高齢者が家族や介護職員らから虐待を受けた事案が、2010年度は1万6764件にのぼった。前年度より1073件増え、過去最多を更新した。厚生労働省が6日に調査結果を公表した。息子からの虐待が4割を占め、同省は「介護の負担感や仕事との両立の難しさが虐待につながっているのではないか」とみている。 虐待が疑われる事案の相談・通報を自治体が受けた件数は、前年度より2009件多い2万5821件。そのうち6割余りが虐待と判断された。大半が家族や同居人による虐待だったが、介護施設の職員らの事案も96件あった。虐待で死亡したのは21人で、前年度の32人から減少。すべて、家族によるものだった。 家族による虐待では、被害者の約77%が女性。また、約47%が認知症とみられる人だった。虐待したのは息子が最も多く、約43%を占めた。 この調査は、高齢者虐待防止法の施行を受けて06年度から毎年