「恋人も家族も欲しくない」。そんな若者の意識が明らかになった。「個」の意識ばかりが優先され、日本社会は崩壊寸前だ。 3割以上が結婚に興味なし 「ひとりでいることが自由で楽しいんです。好きなときに美術展やコンサートにも行けるし、趣味に使うおカネも自由になる。ついこのあいだもひとりで東京江東区の清澄白河にある、新しいコーヒー屋に遊びに行きました。サードウェーブ・コーヒーといって、いま流行ってるんですよ。結婚して子供がいたら、コンビニのコーヒーで満足するしかない。家族にしばられるよりも、SNSなどで友だちとユルくつながりながら自由を満喫できる今の生活のほうがずっといいです」 都内で建築会社の事務員として働く栗山晴美さん(仮名、31歳)は、結婚にまったく興味がわかないと言い切る。こざっぱりとしたファッションで、はっきりとした顔だち。男性受けの悪いタイプでは決してない。事実、3ヵ月前まで付き合ってい
去年1年間に結婚した夫婦の数は66万8000組余りで、戦後2番目に少なくなったことが厚生労働省のまとめで分かりました。 厚生労働省によりますと、去年、結婚した夫婦の数は66万8788組で、戦後最も少なかったおととしよりもおよそ6900組増えましたが、戦後2番目に少なくなりました。 初婚の平均年齢は男性が30.8歳、女性が29.2歳で、男女ともにこれまでで最も高くなり、晩婚化が進んでいます。 都道府県別では、初婚年齢が最も高いのは男女ともに東京で、男性が32.1歳、女性が30.3歳でした。 最も低いのは、男性が宮崎の29.8歳、女性が福島の28.1歳でした。 一方、去年、離婚した夫婦の数は、23万5394組で結婚の数が減ってることもあり、3年連続で減り、特に10年未満の短い期間での離婚が大きく減少しています。人口問題に詳しい政策研究大学院大学の松谷明彦名誉教授は「結婚の数が減ったのは女性の生
[Part1] 結婚というプライベートな問題が、出産の高いハードルに 日本は「子ども手当」の導入で、子育ての社会化へと踏み出す。ただし、少子化の真の原因は非婚化だ。保守化した若者の婚活に未来はあるのか。 鳩山政権の目玉政策だった「子ども手当」は、何とか財源を工面し、2010年度予算案に組み込まれた。10年度は中学生以下の子ども1人につき毎月1万3000円、11年度からは2万6000円が所得制限なしで各家庭に支給される予定だ。 東レ経営研究所の渥美由喜の試算では、政権公約に掲げた2万6000円支給が実現すれば、日本が家族関連の政策に使う費用の国内総生産(GDP)比は2.2%と03年の約3倍となり、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均水準になる。「子ども手当は国民全体で子育てのコストを負担する政策への転換として大きな意義がある」と渥美は評価する。 だが、手厚い給付が出生率向上につながるとは
[Part2] なぜ、アジアで極端な少子化が進むのか エマニュエル・トッド 人口学者 ソ連邦の崩壊や米国発の金融危機を予測した知識人として世界的に知られるフランスの人口学者エマニュエル・トッド。国や地域ごとに異なる家族類型の精密な分析を通じて、家族関係が人々の価値観や一国の政治経済にまで影響を与えていると主張する。急速に進むアジア地域の少子化の背景とその影響を尋ねた。 ――アジア地域の国々で極端な少子化が起きている理由は何でしょうか。 Emmanuel Todd 1951年まれ。世界各地の家族構造と、政治、経済、文化との連関を指摘し、注目を集める。主著は「帝国以後」「世界の多様性」など。=小杉豊和撮影 トッド 少子化は地域文化が発展し、識字率が上がる過程で必ず生じる。女性の教育水準が上がり、社会的に自立することで、産む子どもの数も自らの意思でコントロールするようになる。 子どもが生まれやす
35〜44歳の6人に1人、約300万人が未婚のまま親と同居していることが、総務省統計研修所が昨年まとめた推計で明らかになった。90年代に指摘された当時20〜30代の「パラサイト・シングル」(親に依存する未婚者)の多くが、中年世代になっても依存を続けているとみられる。 10年9月に実施した同省の労働力調査を基に、統計研修所が推計。35〜44歳で親と同居する未婚者は295万人。同世代の16.1%で、90年の112万人(同世代の5.7%)、00年の159万人(同10%)から急増した。雇用も不安定で、完全失業率は11.5%と同世代全体(4.8%)の2倍以上。非正規雇用率(契約期間1年以下)も、データのある80年以降で初めて全体(11%)を上回り、11.2%に上昇した。 「パラサイト・シングル」を造語した山田昌弘・中央大教授(家族社会学)らの分析でも、両親と同居する35歳以上の未婚者の平均年収は、9
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