政見放送削除事件(せいけんほうそうさくじょじけん)は、1983年の第13回参議院議員通常選挙において、雑民党の政見放送の内容の一部を、日本放送協会(NHK)が候補者に無断で削除、放送した事件。 事件概要[編集] 当該政見放送中、雑民党党首の東郷健は、視覚障害者の竜鉄也や、足の不自由な八代英太らと協力して「太陽はいらない」というコンサートを挙行した時のエピソードとして、「『メカンチ [注釈 1]、チンバ [注釈 2]の切符なんか、だれが買うかいな』と言われて、あまり売れませんでした。このような差別がある限り、この世に幸福はありません」と主張した。 NHKは、この「メカンチ、チンバ」を差別用語で放送禁止用語に当ると判断し、自治省に照会し違法ではないとの言質を得た上で、東郷に無断で放送時に当該部分の音声を削除した。東郷はNHKの編集行為を公職選挙法違反として損害賠償請求した。 東京地裁の一審判決