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ブックマーク / www.webchikuma.jp (11)

  • 第75回「結局フードコートが一番楽しいよな〜」|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま

    芸人仲間数人と雑談していた時、どういう話の流れだったか、一人が「結局フードコートが一番楽しいよな〜」と言った。それに対し、その場にいた私を含む全員が「わかる〜」と相槌を打った。直後、自分の胸にじんわりと罪悪感が湧いたことに気がつく。話はそのまま、フードコート、という言葉を聞いて各々が想起した思い出にスライドした。 「確かに、友達と車で旅行行ったときとか、サービスエリアとか、な、楽しかったよな」 うん、大丈夫。私は慌てて記憶を探り、脳内で○をつけていく。あ、ロケの休憩時間に行ったこともあったな。スタッフさんが「なんでも好きなもの頼んでください」って言って、大げさに「やったー!」なんてはしゃいだりして。あれも、楽しかったといえば楽しかったな。大丈夫大丈夫。 強引な答え合わせをよそに、目の前で飛び交っているのは予想した通り、「部活帰りにたむろした」だの「家族で行ったときは友達に会うの恥ずかしかっ

    第75回「結局フードコートが一番楽しいよな〜」|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま
  • 第73回「ちゃんと寝れてますか?」|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま

    社会の荒波に揉まれて働いているだけでも偉いのに、さらに他人を気遣う余裕もある天使のようなヘアメイクさんが、「加納さん、ちゃんと寝れてますか?」と聞いてくれることがある。優しい。優しくてホロリとしてしまうが、内心ちょっと気まずい。というのも、私はとても寝られている。自信を持って言えるほど、当によく寝られている。だから「めっちゃ寝れてます」と伝えると、無理をしている人に向ける用の慈しみの笑みをくれる。違う、私は当に、毎日ぐっすりと寝ている。 こうなってしまうのには理由がある。まずは目の下の皮膚が薄い。そのせいで人よりクマが目立ち、同情を買いやすい。メイクさんは入念に私のクマに何色かのコンシーラーをのせながら、その行為とセットで「お疲れですねぇ」と労う。私もそこで説明すれば良いものの、なぜか「いやぁ、そうですかねぇ」とぼかす。自分が疲れてるかどうかわからないことなんてないのに、明言しないこと

    第73回「ちゃんと寝れてますか?」|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま
  • 料理を学ぶということ|料理人という仕事|稲田 俊輔|webちくま

    料理人・飲店プロデューサーの稲田俊輔さんによる「料理人という仕事」。料理人はいかにして料理を学ぶのでしょうか? 料理学校、働いているお店・・・・・・。料理を学ぶ際の基から伝授します。 「見て覚える」こそが重要 さて、あなたは新人として先ずは調理補助に追われ、それにもだいぶ慣れてきました。スピードも最初の頃に比べて格段に速くなったはずです。指示を待つだけでなく、自分から仕事を見つけてテキパキとこなせるようにもなったでしょう。 もしかしたらそれと並行して、ホールの仕事も一通り体験できたかもしれません。であればラッキーですね。いずれにせよ、そのあたりから徐々に、もっと料理らしい料理を任されるようになっていきます。最初は簡単な仕込みや、既に仕上がっているパーツを組み合わせるだけのことだったりもしますが、もちろん徐々にその内容は高度なものになっていきます。 任せられると言っても、当たり前ですが、

    料理を学ぶということ|料理人という仕事|稲田 俊輔|webちくま
  • ホールの仕事は料理人にとっても極めて重要|料理人という仕事|稲田 俊輔|webちくま

    料理人・飲店プロデューサーの稲田俊輔さんによる「料理人という仕事」。今回のテーマは料理ではなく「ホールの仕事」です。これらは別物と考えられがちですが、そんなことはありません。ホールから何を学べるでしょうか? 「キッチン」と「ホール」 飲店の仕事は大きく2つに分けられます。「キッチン」と「ホール」です。これを読んでいる皆さんの興味の中心は、おおむね「キッチン」の方にあるのではないでしょうか。すなわち料理人としての仕事ですね。しかし、料理人であっても「ホール」すなわちサービスの仕事はとても重要です。今回はそこを掘り下げていきたいと思います。 キッチンスタッフの人数とホールスタッフの人数は、店の業態などにもよりますが、だいたい同数が基です。小規模な個人店だと、たとえばご夫婦で営まれていて、男性がキッチンを、女性がホールを担当するというパターンをよく見かけると思います。そして店の規模が大きく

    ホールの仕事は料理人にとっても極めて重要|料理人という仕事|稲田 俊輔|webちくま
  • 全体のルールのために個人はどこまで犠牲になるべきか……「法哲学」ではこう考える|ちくまプリマー新書|住吉 雅美|webちくま

    ルールは集団生活に必要不可欠なものだと思われている。実際、社会を円滑にまわすために個人の活動よりもルールが優先されることはよくあるだろう。しかし非常時はどうだろうか。『ルールはそもそもなんのためにあるのか』より第1章を丸ごと公開! ルールは何のために生まれたのか 人類が集団生活をしている以上、ルールは必要不可欠だと思われている。 人類どころか、野生の動物にも、言語がなくてもルールはある。犬やオオカミには、腹を見せた相手には攻撃しないというルールがある。さらにエチオピアのオオカミは、草動物のゲラダヒヒに狩りを助けられているため、彼らをべることなく共生している。あるオオカミがタブーを犯してゲラダヒヒの乳児を襲ったとき、大人のゲラダヒヒがそのオオカミに殺到して追い払い、事なきを得たという。こうしてみると、ルールは必ずしも言語によって明示される必要はなく、当初は集団生活の中で個体が身体で知って

    全体のルールのために個人はどこまで犠牲になるべきか……「法哲学」ではこう考える|ちくまプリマー新書|住吉 雅美|webちくま
  • 第68回「女3人ってむずいんちゃうん?」|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま

    私にとって初めてのレギュラー番組「トゲトゲTV」が終了した。 麻貴ちゃん(3時のヒロイン)とサーヤ(ラランド)と3人、思えばあっという間だった。 番組は、「いま勢いのある女芸人3人が」という触れ込みで始まったように記憶しているが、私は2人と比べて圧倒的にテレビ仕事が少なかった。複数のコンテンツに手を出して勝手に慌ただしくしていたものの、番組のオファーというものは数えるほどで、いつも疲れた様子で収録にやってくる2人を見ては、「早くこうならなくては」と身を引き締めた。いつになく女芸人に追い風が吹いた時代だった。この番組はその一環。レギュラーに浮かれてはいけない。 各々のコンビでネタを書いている、いわゆるブレーンの3人だ。麻貴ちゃんと私は芸歴10年を超えていた。それぞれ、自分が面白いと思っていることはすでに確立していて、それは大きく変化した印象はない。しかしせっかくのレギュラー番組だから、時間

    第68回「女3人ってむずいんちゃうん?」|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま
  • 修行って必要?|料理人という仕事|稲田 俊輔|webちくま

    料理人・飲店プロデューサーの稲田俊輔さんによる「料理人という仕事」。第2回のテーマは「修行」です。料理仕事に限らず、いずれ独り立ちする仕事の多くは修行期間が必要となるでしょう。でも、その「修行」はほんとうに必要なのでしょうか? 会社員ではない働き方を考えている人には刺さること間違いなし。 修行は必要なのか 「修行って当に必要なんですか?」という質問を受けることがあります。 最近では、10年以上かかるとも言われる寿司の修行を、2ヶ月のカリキュラムに圧縮した「寿司アカデミー」なども話題です。修行に10年もかけるのは無駄ではないか、単に修行の名目でいいようにこき使われるだけなのではないか、そう思っても不思議ではありません。 ならば修行は不要なのか。結論から言うと、私の考えとしては、やっぱり必要だと思います。当に10年必要かどうかは考え方次第だとは思います。しかし不要とはとても言えません。

    修行って必要?|料理人という仕事|稲田 俊輔|webちくま
  • 料理人になる方法|料理人という仕事|稲田 俊輔|webちくま

    料理人・飲店プロデューサーの稲田俊輔さん。数々のレシピを出し、に関するエッセイ・小説なども精力的に発信しています。そんな稲田さんが、料理人という仕事について考えを綴った連載がはじまります。どうすれば料理人になれるのか?必要なものとはなにか? 一人でやるのか誰かとやるのか? そんな疑問に答えます。飲店のバックヤードに興味がある人、つい飲店の開店動画を見てしまう人、必見です。 料理人になるためのルート プロの料理人になるためには、いくつかのルートがあります。 まず王道は、なんと言っても調理師学校を卒業し、そこからの紹介などで然るべき飲店やその運営会社に就職するルート。就職のしやすさやその後のキャリアアップを含めて考えても、このルートが最も確実なのは間違いありません。私自身は結局、調理師学校を経ないままプロになりました。それでもなんとかなりはしましたし、ある意味それで良かったとも思っ

    料理人になる方法|料理人という仕事|稲田 俊輔|webちくま
    takutakuma
    takutakuma 2023/08/04
    イナダシュンスケさんの新連載
  • 第1回「イルカも泳ぐわい。」|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま

    Aマッソ加納の初エッセイ連載スタート! 大好きなものから納得いかない芸人の掟まで、類稀なるワードセンスで注目される若手芸人が、「何言うてんねん」と感じる事々を綴ります。 不可抗力だと分かってはいても、YouTubeに自分達の動画を勝手にアップロードされるのはあまり気持ちの良いものではない。「この番組に向けて」「この時間帯のオンエアだから」など、今このネタを選んだ様々な意図などおかまいなしに、芸人のネタは知らない人の手によって、あのフードコートのように好きなものが選べる場所で、いつでもべられるファーストフードと化していく。 しかし当のことを言うと、どの芸人も元はといえばただのお笑いが大好きなガキである。数年前のあの人のあのネタ、師匠が若い時のキレキレのコント、一度は生で見たかった今は亡きあのコンビの伝説の漫才、そんなものを夜中に見られるのは正直嬉しい。もちろん需要があるから供給が生まれる

    第1回「イルカも泳ぐわい。」|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま
  • Dr.ハインリッヒの漫才を見るためには (1)|愛のある批評|西村 紗知|webちくま(1/4)

    人や作品が商品として消費されるとき、そこには抗い、傷つく存在がある。 2021すばるクリティーク賞を受賞し、「新たなフェミニティの批評の萌芽」と評された新鋭・西村紗知が、共犯者としての批評のあり方を明らかにしつつ、愛のある批評を模索する。 第3回は、西村が女芸人のうちで唯一、比較的穏やかな気持ちで接することのできる漫才師Dr.ハインリッヒについて。 1.女芸人という不安、それからDr.ハインリッヒの印象 そうか、私は金属バットに甘えていたのだな。 2022年11月17日に、毎年開催されている日一の漫才師を決める大会である「M-1グランプリ2022」の、準決勝進出者が発表された。何度も見返したがそこに「金属バット」の名前は無かった。結成15年になる彼らの出場資格は今年までである。まだ、準々決勝の動画の視聴者数を一番多く稼いで、ワイルドカード枠で準決勝に上がれる可能性は残されていたが、あまり

    Dr.ハインリッヒの漫才を見るためには (1)|愛のある批評|西村 紗知|webちくま(1/4)
  • 空を駆ける|海をあげる|上間 陽子|webちくま(1/4)

    祖母は84歳のときに、膝に人工骨を入れる手術をした。50代後半から膝がひどく痛み出し、痛み止めの注射を毎週のように打ち続けていた祖母の膝は軋みをあげて、祖母はすり足でしか歩けない。 祖父をおくったあと、生活するには不自由がないと祖母は思っていたようだが、叔母のひとりが、「一緒に旅行に行くためにも膝の手術を受けよう」と熱心に祖母を説得し、祖母はしぶしぶ承諾した。 「80代になっての全身麻酔って大丈夫なの?」と母に聞くと、「確かにそうなんだけど、悪くない話のように思える」と母はそう話していた。 「84歳にもなるとリハビリが大変だと医者は言うけど、おばあちゃんは根気強いから大丈夫だと思う。それに手術を受ける病院はうちの近くだから、毎日みんなで見に行ける。ただ、ちょっと心配なのは、人工骨は20年しか持たないっていう話なの。でも、104歳までおばあちゃんが元気かなぁと思ったら、それはないかなぁって思

    空を駆ける|海をあげる|上間 陽子|webちくま(1/4)
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