近年は、とりわけ有名映画のテレビドラマ化が相次いでいる。「サイコ」の前日談を描いた「ベイツ・モーテル」、レクター博士の若き日を描いた「HANNIBAL/ハンニバル」、コーエン兄弟の「ファーゴ」をベースにした「FARGO/ファーゴ」など、枚挙にいとまがない。先日もデンゼル・ワシントンがオスカーを受賞した サスペンス・アクション「トレーニング デイ」のテレビドラマ化が発表され、9月から放送開始の新番組としてSFサスペンス「マイノリティ・リポート」のドラマ版が注目を集めている。その背景にある事情とは何なのか。 そもそもアメリカのテレビドラマは、放送権、DVDリリース、動画配信を含めてワールドワイドにセールスを展開することを常に視野に入れているので、国際的に知名度が高いヒット映画の知名度を利用することは常套手段だ。加えて、00年代以降、映画界のビッグネームが次々とテレビ業界に本格的になったことは、