足尾鉱毒事件で廃村に追い込まれた谷中村(現栃木市)を舞台にした映画「鉱毒悲歌(こうどくひか)」が28日から、宇都宮市江野町の「宇都宮ヒカリ座」で上映される。初日には、映画の製作委員会委員長の谷博之・元参院議員の司会で「田中正造大学」の坂原辰男事務局長と出演している作家の故立松和平さんの長男・横松心平さんのトークショーを開催。東京電力福島第一原発事故を例に、市民が犠牲になる公害との共通性などを語る。 (後藤慎一) 昨年六月に完成した映画は、宇都宮市職員だった立松さんや、宇都宮大生らが四十年近く前に撮影。長く「お蔵入り」になっていたフィルムを編集して一時間四十三分にまとめ、宇都宮市や佐野市で上映された。一定期間のロードショーは今回が初めて。 モノクロの映像は、人の背丈以上もあるヨシ原をかき分け、谷中村があった墓地にたどり着く場面から始まり、足尾銅山の煙害で壊滅した地域の姿などを細かく記録。足尾