福田淳一(東京大学地震研究所) Journal of Geophysical Research: Solid Earth, 123, 732-760, 2018. https://doi.org/10.1002/2017JB014709 スロースリップイベント(SSE)は数日から数年の期間に亘って非地震性すべりが加速する現象であり、GNSS等の測地学的観測により、沈み込み帯を始めとする世界各地のプレート境界で多数検出されてきました。これらのSSEのマグニチュード、継続時間、繰り返し間隔、すべりの空間分布などの静的なパラメータは多くの研究で明らかにされてきましたが、SSEの時間発展過程を明らかにした研究は少数にとどまっています。しかし、詳細な時間発展過程を明らかにすることは、SSEの発生メカニズムやSSEによる地震活動の誘発メカニズムの理解につながる可能性があるため、重要です。そこで本論文で