8時過ぎに家に帰ると食卓の上に晩ご飯の用意がしたあるだけで誰もいなかった。その晩飯も肉じゃがでクリスマスらしさは皆無であった。 そういえば今夜は近所の家に集まってクリスマス・パーティをするとか言っていたのだ。そのために昨日はプレゼント交換用の文房具を買いに行かされたのだった。 もちろん私はパーティに出る気はなく、風呂を沸かしてゆっくりと浸かり、ご飯を温めて食事をした。その後は、コタツに入ってみかんを食べながら、撮り貯めていたプレミアリーグの試合を見る。 なんて素敵なクリスマス・イブなんだろうか。 しばらくすると玄関が開く音がしたが、それに続いてゾウアザラシの雄叫びような音が聞こえてくる。 「オエーーーーー」 バタンとトイレの扉が乱暴に開かれると立て続けにまた雄叫びだ。 「オエ、オエ、オエーーー」 そして娘の「ママー」とすすり泣く声がし、息子はそんなお姉ちゃんに対して「ねーねー泣かないで」と