被害が大きかった熊本・益城町の保健福祉センターに配置されたMP(撮影/辰濃哲郎) 脇に張られたテント内には、市販のかぜ薬や胃腸薬も並べられ、被災者の相談窓口も設置された。薬剤師が終結する旗じるしでもあった(撮影/辰濃哲郎) 薬局機能を持つモバイル・ファーマシー(MP)が、今回の熊本地震で医療のハブとして機能した。今後さらに配備されれば災害医療が変わる。 大分県薬剤師会の伊藤裕子理事は、思わずフェイスブックのメッセージ掲示板に書き込んでいた。 「助けてください!」 熊本地震の前震が起きた翌日の4月15日、伊藤さんは、キャンピングカーを改造して薬局機能を持たせたモバイル・ファーマシー(MP)とともに、被害の大きかった益城町に駆け付けた。だが、16日未明の本震で、乗っていた薬剤師2人がけがを負い、バッテリーケースやテントの支柱が破損した。 伊藤さんのSOSに呼応したのは、宮城県薬剤師会の山田卓郎