毎日新聞のインタビューに答える島崎邦彦・元原子力規制委員=東京都千代田区で2016年6月16日、中村藍撮影 「想定外だった」。東日本大震災の東京電力福島第1原発事故後、この言葉を政府や東電は何度も口にした。それから5年4カ月。再稼働が進む中で、地震や津波の現在の想定に対して「過小評価だ」と警告を発するのは、2014年9月まで原子力規制委員会の委員長代理を務めた島崎邦彦さんである。“古巣”にもの申すのはなぜか。インタビューで明らかにした真意とは。【高木昭午】 東京大地震研究所の教授や日本地震学会長などを歴任した島崎さんは、地震研究の重鎮として知られる。規制委では、電力会社が策定した原発の地震想定を審査していた。 この記事は有料記事です。 残り2701文字(全文2956文字)