コメのカドミウム蓄積を抑える遺伝子 岡山大学・馬教授の研究チーム 岡山大学資源植物科学研究所の馬建鋒教授の研究チームは9月7日、コメのカドミウム蓄積を抑える遺伝子を同定したと発表した。 カドミウム(Cd)は動植物にとって毒性の強い重金属で、イタイイタイ病などの原因として知られている。カドミウムを多く含む食品を食べることで、人体に蓄積し健康被害を起こす。国際的にコメに含まれるカドミウムの安全基準は0.04ppmとされている。 馬教授の研究チームは、世界各地の140種類以上のイネを調査し、カドミウムの集積に関わるタンパク質OsHMA3遺伝子を同定した。 この遺伝子はカドミウムを液胞に隔離する機能がある。これを人為的に増やしたイネは、カドミウム汚染土壌で栽培してもコメのカドミウム濃度が大幅に低下する一方、鉄や亜鉛などその他の有用元素濃度には影響がなかった。 同チームは、「今後、この遺伝子を制御
2010年6月12日,13日に開催された「第5回食育推進全国大会」(主催:内閣府、佐賀県)において、安部司氏による講演&実演「食品の裏側-食の本当の豊かさとは?」が行われた。 これまで多くの記事等で、安部司氏の著書や講演には食品の安全に対する誤解を招く内容が含まれることが指摘されていることから、5月11日付で内閣府および佐賀県宛に情報提供するとともに講師選定理由についての公開質問状を送付した。 佐賀県くらしの安全安心課からの回答は、食品添加物を通して食について改めて考える機会を提供したく、複数の外部の方の意見も聞きながら講師を選定したとの趣旨だった。さらに、安部氏の考えとは「異なる立場、考え」の方がおられることは理解できるとのことで、安部氏の講演を短縮し、消費生活コンサルタント森田満樹氏の講演をプログラムに追加された。これは当方から要望したことではなく、全く予想外の対応だった。 以下に、本
コメにカドミウムが蓄積しないよう制御するイネの遺伝子を岡山大などの研究チームが特定した。汚染土壌でも栽培できる品種の開発が期待される。米科学アカデミー紀要電子版に6日掲載された。【大場あい】 カドミウムは自然界に存在する重金属で、人体に蓄積されると腎機能障害などを招く。イネの場合、根からカドミウムを吸収し、食用となる実の部分(コメ)や茎、葉に蓄積される。日本ではイタイイタイ病などカドミウムによる健康被害が全国で起きたほか、途上国の鉱山周辺などでも問題化している。 同大の馬建鋒(ま・けんぼう)教授(植物栄養学)らは世界各地のコメの代表品種140種を同じ土壌で育てカドミウムの蓄積量を比較。蓄積量の多いネパールの品種「アンジャナ・ダーン」(インディカ種)と、少ない日本の品種「日本晴」(ジャポニカ種)の遺伝子を調べた。 アンジャナ・ダーンは茎や葉など地上部分にカドミウムが多く含まれるが、根の蓄積量
前回、8月26日の食品安全委員会におけるエコナ審議を報道した共同通信に対する疑問を書いた。(エコナ問題を伝えるのは難しい1) この件については、共同通信のほか、朝日新聞も報道している。「ラットにエコナ成分大量投与、発がん性物質に 花王実験」である。 こちらの記事は、共同通信とは違い、実験が高用量投与であることに字数を割き、「今回は血中濃度だけを測っており、実際に体内で吸収されるのかどうかは分かっていない」と慎重な書きぶりだ。ラットでのグリシドール検出がハザードであることは十分分かっているが、初知見だから書いておくべきだ、という判断だろうか。見出しはあまり変わらないのだが、読後感は共同通信とは大きく違う。 ただし、朝日新聞も、カニクイザルの試験については触れていない。予備試験であることに慎重に配慮したのかもしれない。前回触れなかったが、グリシドールの定量法として、花王がまだ研究中の感度の少し
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「エコナ成分、発がん性物質に変化 動物実験で」というタイトル(見出し)の記事を共同通信が8月26日、配信した(47Newsの記事)。エコナに高濃度で含まれるとされるグリシドール脂肪酸エステルが、ラットの体内で発がん物質、グリシドールに変化したという実験結果を、厚労省が食品安全委員会に報告したという。「食安委は今後、人体に影響があるかどうかを審議、最終的な結論を出す」と書かれているが、見出しのインパクトは強い。「やっぱり、エコナを食べたらがんになるんだ」と受け止めた人も多かったかもしれない。 これは、26日に開かれた食品安全委員会での配布資料と委員による議論を基にした記事らしい。だが、配布資料を読むと、共同通信の記事とは印象がかなり異なる。ヒトでのリスク評価という視点から言えば、「エコナで懸念された発がん性が、ヒトでは問題ないかもしれない可能性が浮上した」というのが、今回のもっとも重要なポイ
発がん性物質に変わるかもしれない成分が含まれているとして、花王が昨秋、食用油「エコナ クッキングオイル」の販売を自粛した問題で、この成分をラットに大量に与えたところ、発がん性物質に変化した、とする花王の実験結果が26日、明らかになった。同日開かれた食品安全委員会で、花王から調査データの提供を受けた厚生労働省が報告した。 今回問題となっているのは「グリシドール脂肪酸エステル(GEL)」という成分。GELは、体内で消化されると、「グリシドール」という発がん性物質に変化する可能性があると、海外の研究機関などから指摘されていた。 実験では、ヒトが日常生活で料理に使ったエコナを口にした際、体重1キログラムあたり、1日に摂取すると推定される量の4600倍のGELをラットに投与。投与後の血中濃度を測ったところ、GELは検出されなかった一方で、グリシドールが検出された。 このことから、「GELは体内
「ホメオパシー」についての会長談話 ホメオパシーはドイツ人医師ハーネマン(1755 - 1843 年)が始めたもので、レメディー(治療 薬) と呼ばれる 「ある種の水」 を含ませた砂糖玉があらゆる病気を治療できると称するものです。 近代的な医薬品や安全な外科手術が開発される以前の、民間医療や伝統医療しかなかった時代に 欧米各国において「副作用がない治療法」として広がったのですが、米国では 1910 年のフレク スナー報告に基づいて黎明期にあった西欧医学を基本に据え、科学的な事実を重視する医療改革 を行う中で医学教育からホメオパシーを排除し、現在の質の高い医療が実現しました。 こうした過去の歴史を知ってか知らずか、最近の日本ではこれまでほとんど表に出ることがな かったホメオパシーが医療関係者の間で急速に広がり、ホメオパシー施療者養成学校までができ ています。このことに対しては強い戸惑いを感じ
●十二支の動物をヒトに近い順に並べ替えるとサルの次はネズミである。 十二支の動物(トラはネコ,龍は鯉に置き換える)には安全性試験に用いられる動物が多く存在する。これをヒトに近い順に並べ替えると以下のようになる。「>」等の記号の意味は常識で判断されたい。 霊長目(サル)>齧歯目(ネズミ)≧ウサギ目(ウサギ)≫鯨偶蹄目(イノシシ>ウシ=ヒツジ)>奇蹄目(ウマ)>食肉目(イヌ=トラ)≫≫鳥綱(トリ)≧爬虫綱(ヘビ)≫≫魚類(コイ) よく,ネズミ如きで行った毒性試験など信用できないなどという御仁がいるが,ヒトとネズミは分類学上かなり近く,それが多くの毒性試験でラットやマウスが供試動物とされる理由の1つである。 【10/07/12作成】 十二支の動物(ここでは,生物学上の種を論じるため,子・丑・寅・卯ではなく,ネズミ・ウシ・トラ・ウサギ)を用いる。竜は架空の生物なので無理矢理コイ(鯉;タツノオトシゴ
口蹄疫拡大の問題点指摘など 東京農大の情報誌に論文 東京農業大学は月刊情報誌「新・実学ジャーナル」7・8月合同号を7月下旬発行した。 山本孝史農学部教授の「口蹄疫拡大の要因を考える」など5つの論文や報告のほか人物紹介などがある。 その中で山本教授は宮崎県での患畜処分が迅速でなかった問題について「わが国の畜産農家の中で全飼養動物を殺処分して自己の敷地内にすべて埋却できる農家がどれくらいあるであろうか」と次のように指摘した。 「最大の問題は…埋却場所」であり、それは「2000年に口蹄疫が発生した時から各県家畜衛生担当者の最大の悩み」となっていて、当時から国に「要望されていた」とした。 さらに次のようにも指摘した。「2000年の発生は中国から輸入された稲わらによりウイルスが持ち込まれたと推測されている。瑞穂の国が稲わらを輸入しなければならないという現状は、家畜防疫の観点からも打破しなければならな
「美味しんぼ」第592話で、遺伝子組み換え作物および農薬の安全性に関して 事実とは異なる意見を大きく取り上げました。 これを読んだ読者が食品の安全について大きな誤解をすることが懸念されたので、「美味しんぼ」を掲載する株式会社小学館週刊ビッグコミックスピリッツ編集長宛に情報提供と訂正要望の文書を提出しました。 その後、編集長と話し合いの機会を持つことができました。その結果、編集長は「抗議には根拠がないと考えている」と主張され、合意に達することはありませんでした。 しかし、話し合いは必ずしもすれ違いではなく、お互いの立場を相互に理解できたと思います。 そして編集長から、今後、食品の安全性について取り上げる機会があれば、今日の話し合いの結果も参考にしたいというコメントがありました。 なお、このホームページを見たJ-castニュースが、早速この問題を取り上げました。 http://www.j-ca
6月23 改めて、「天然」と「合成」ということ 先日のカルチャースクールに続き、今月末も添加物関連でお話をさせていただく機会があり、そっち方面の本もぼちぼち書いていたりで、最近は食の安全方面にアンテナを張っております。で、この間の週刊現代に、その手の記事がまた出ておりました。「食べてはいけない 2010」だそうです。こちらで読めるようですね。 激安食品が出回る現在、うさんくさい食品は確かにあるのだろうと思います。ただし、そうした警告記事をどこまで信じるかというのもまた難しいところです。拙著「化学物質はなぜ嫌われるのか」でも書いた通り、こういう問題は疑うことはいくらでもできるのに、絶対安全という保証は事実上不可能であるからです。 ある添加物が「危険だ」と主張する人と、「安全だ」という人でディベートをすれば、これはもう圧倒的に前者が有利です。「動物実験で安全性を確かめた」といっても「人間では絶
先日、朝日新聞に「食の安全に科学の目 行政・民間、小中高生に教材」という記事が掲載されていた。 食の安全に科学の目 行政・民間、小中高生に教材 朝日新聞 2010年5月7日食べることにもっと科学的視点を。行き過ぎたダイエットや偏った食の情報が問題となる中、行政や民間団体が、科学的視点から食を考える子供向け教材を作っている。共通するのは「子供のころから、科学的な目で食品の安全性を考えてほしい」という思い。大人になって、いい加減な食情報に振り回されないためにも、早期からの理解が必要だという。小林未来記者紹介されているパンフレットは、食品安全委員会、農林水産省、日本化学工業協会がそれぞれ作成したもの。ネットでも読むことが出来る。記事にはURLなどは紹介されていなかったので、URLとともに、簡単に内容を紹介していきたい。 科学の目で見る食品安全 内閣府 食品安全委員会科学の目で見る食品安全(中学校
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