香港の有力英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は先月28日付の記事で「中国最大の河川、長江(揚子江)が一滴ずつ干上がっている」と報じた。長江の水位が全般的に下がっているとの研究結果を伝えつつ「中国で最も繁栄している長江流域の環境や経済に深刻な影響を与える可能性がある」と警告している。 ◇長江流域に4億6000万人 長江はチベット高原から始まり、重慶や武漢、さらには中国の経済拠点・上海を経由して東シナ海につながる。その長さは6380kmもあり、ナイル川(6695km)やアマゾン川(6516km)に次いで世界で3番目。流域には計4億6000万人が住み、中国の国内総生産(GDP)の3分の1以上を占めているともいわれる。 SCMPによると、中国政府の研究チームが長江の平均水位に関するデータを採取したところ、「1980年代以降、5年ごとに約2cmずつ低下していると推定される」という結