マグマが噴き上げてくるホットスポットの真上にある世界最北の島国アイスランド。首都レイキャビクから東へ20キロの山裾に、ヘッドリスヘイディ地熱発電所がある。 1号機から6号機の地熱発電用蒸気タービンは三菱重工製だ。今年中に引き渡される5、6号機の建設責任者、久村和明氏は「冬は日照時間が短い上、吹雪で道路脇のポールも峻別できないことがある」と語る。厳しい自然環境ゆえ 厳しい自然環境はエネルギーの源泉でもある。北海道と四国を合わせた大きさの島には200以上の火山があり、昨年にはエイヤフィヤトラヨークトル氷河の火山が噴火して欧州の空を大混乱に陥れた。1千メートルの井戸を掘れば200度の蒸気が噴き出す地域が20以上もある。 人口約32万人、漁業以外に産業に乏しかったこの国で、地熱エネルギーの利用は古くから行われ、早くも1755年に蒸気井の掘削が始まった。1970年代の石油ショックで、人口の半分が石油