車に残されていたコーラ 3月17日、ボクシング界に衝撃が走った。WBA世界ライトフライ級9位の坂間叶夢選手が、20歳という若さで世を去ったのだ。プロデビュー以来、9戦9勝(8KO)、井上尚弥選手の前座試合にも出場するなど、「未来の世界チャンピオン」と期待された逸材だった。 「千葉県にある鋸山の絶壁からの飛び降り自殺でした。登山口の駐車場にあった車には、3分の1ほど飲んだコーラのペットボトルが5~6本残されていた。蓋を開けた直後の一番美味しいところだけを口にしていたんです。減量中は飲めなかったコーラを最期に味わいたかったんだろうな、と……」 沈痛な面持ちでそう声を絞り出したのは、叶夢選手の父・一平さん(44歳)だ。3月18日には試合を控えていた叶夢選手が、なぜ自ら命を絶ってしまったのか―。そう問うと、一平さんは強い口調でこう語った。
プロボクシングIBF世界ミニマム級王者重岡銀次朗(24=ワタナベ)の2度目防衛戦の挑戦者で同級9位のアルアル・アンダレス(24=フィリピン)が体調不良で出場不可能となったことが26日、明らかになった。 31日に名古屋国際会議場で重岡-アンダレス戦が決まっていたが、アンダレスが今月19日の入浴中にめまいで意識を失って病院に救急搬送され、減量の影響による低血糖状態でドクターストップとなった。そのためフィリピンでボクシングなどプロスポーツを管轄するコミッション、GAB(ゲームズ・アンド・アミューズメント・ボード)を通じ、試合延期を申し出るレターも届いたという。 複数の関係者の話を総合すると、25日にGABから「医学的理由でアンダレスが31日に予定される重岡銀次郎とのIBF世界ミニマム級タイトル戦に出場できない」との書面が送付されていた。ボクシング興行「3150FIGHT Vol8」の世界戦として
史上初の高校8冠を含むアマ12冠を達成した荒本一成(24=帝拳)が19日、東京・後楽園ホールでプロテスト(B級)を受験して合格した。 【写真】アマ12冠ボクサーの荒本一成 プロではミドル級(リミット72・5キロ)を主戦場にする逸材は、1階級下の日本スーパーウエルター級(同69・8キロ)1位の玉山将弥(30=帝拳)に鋭い左ジャブをビシビシと決めて、パワーとともにスピードでも圧倒した。 「後楽園ホールのリングに上がるのは大学4年の夏のリーグ戦以来3年ぶり。プロになったので新鮮で、ちょっと緊張しましたけど、やってみたらふつうの感じでできた」と、荒本は落ち着いた口調で3ラウンドのスパーリングを振り返った。 王寺工高時代にウエルター級で15~17年に総体、国体を3連覇し、15、16年の選抜も連覇して、高校8冠を達成。日大進学後も国体連覇、全日本選手権などを制覇した。昨年の全日本選手権で敗退してパリ・
プロボクシング興行「Prime Video Presents Live Boxing8」が5月6日に東京ドームで行われると6日、主催の大橋ジムが発表した。クアドラプル(4大)世界タイトルマッチを中心に行われる。国内の1つの興行で4つの世界戦が行われるのは史上初となる。 メインイベントは4団体世界スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥(30)=大橋=が、WBCの指名挑戦者で元世界2階級制覇王者、WBC1位のルイス・ネリ(29)=メキシコ=の挑戦を受ける4団体王座防衛戦。尚弥の弟で、WBA世界バンタム級王者の井上拓真(28)=大橋=が、指名挑戦者で同級1位の石田匠(32)=井岡=の挑戦を受ける2度目の防衛戦も行われる。拓真は自身のX(旧ツイッター)で「ぶちかましますか」とコメントした。 また、WBA世界フライ級王者のユーリ阿久井政悟(28)=倉敷守安=が、同級3位で世界初挑戦の桑原拓(28)=大
印象に残る試合がたくさんありました。4度目の防衛戦の相手、熟山竜一と彼の地元で戦いました。顎にいいのをもらって初めてダウンしました。ダウンとはこういうものなのかと理解できました。 無冠の帝王、アレクサンダー・バクティンの功績を称える、第三回全ロシアボクシングトーナメントが、バクティンの故郷チタで開催された。国内22の地域から100人を超えるファイターが参加した。この地でプロで一度も負けたことのないアレクサンダー・バクティンは生まれ育った。 どうしてボクシングを選んだのですか? バクティン 「クラスノカメンスクは小さな町ですが、空手、柔道、ボクシング、サッカーなどスポーツが盛んでした。私は父に従って柔道をしていましたがいい成績を残せませんでした。祖母のマリア・アレクサンドルフがボクシングを紹介してくれました。彼女は私がアスリートになりたいという夢の手助けをしてくれました。8歳から始めましたが
世界スーパーバンタム級4団体統一王者となった井上尚弥(30=大橋)の次戦が、5月に東京で〝悪童〟こと元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)との対戦で交渉中と明らかになり、ファンの間で波紋が広がっている。 【写真】日本中から嫌われた山中慎介戦のネリ 米スポーツ専門放送局「ESPN」のボクシング担当を務めるマイク・コッピンガー氏が9日、自身の「X」(旧ツイッター)で、井上とネリの対戦合意について投稿。大橋ジムの大橋秀行会長も「交渉中」であることを認めている。 ただ、ネリは日本のボクシングファンにとって〝仇敵〟だ。2017年8月に当時WBC世界バンタム級王者だった山中慎介との対戦後に薬物検査で陽性反応を示し、18年3月には同じ山中戦の計量で大幅な体重超過によって王座はく奪となるなど大騒動を巻き起こし、日本ボクシングコミッション(JBC)からは無期限の国内活動停止処分を受けている。 世界トッ
プロボクシングのWBA世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(34)=志成=が12月31日に東京・大田区総合体育館で、同級8位のホスベル・ペレス(28)=ベネズエラ=と初防衛戦を闘うことが27日、発表された。自身の持つ日本選手最多記録を更新する通算25度目の世界戦で、6年連続12度目の大みそか参戦となる。 もはや、大みそかの〝恒例行事〟となった井岡の世界戦。通算23戦20勝(18KO)3敗のペレスとの対戦が決まった王者は、東京都内で行われた発表会見にシックなグレーのスーツで登場した。 「今年の大みそかも闘いたいという気持ちが強かったので、試合をすることに決めた。日本中を盛り上げられるような、しびれるような試合をしたい」 6月に前日計量で2・9キロも体重超過してWBA王座を剝奪されたジョシュア・フランコ(米国)にダイレクトリマッチで挑戦し、判定勝ち。新王者となった。
ボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者・井上尚弥(大橋)が25日、神奈川・横浜市内で会見し、12月26日に東京・有明アリーナでWBA&IBF世界同級2団体統一王者マーロン・タパレス(フィリピン)と4団体統一戦を行うことを発表した。勝てば世界2人目となる2階級での4団体統一の偉業。試合はNTTドコモの映像配信プラットフォーム「Lemino」で独占無料生配信される。戦績は30歳の井上が25勝(22KO)、31歳のタパレスが37勝(19KO)3敗。 【画像】「これとやんのかよ‥みたいな顔に見える」 体格差はどうか、井上尚弥とタパレスが並んだ2ショット写真 入場曲でも使用する「DEPARTURE」が流れる中、井上は黒いスーツ姿で登壇した。目の前には2本のベルト。今年を締めくくる大一番へ向け、高らかに宣言した。 「12月26日にタパレスとの4団体統一戦が決まりました。バンタム
谷村さん作詞作曲「チャンピオン」モデル、カシアス内藤氏「俺が生き残っちゃって」 余命宣告で見舞受け 3枚 谷村新司さんが作詞作曲したアリスの代表曲「チャンピオン」のモデルとなった元プロボクシング東洋ミドル級チャンピオン、カシアス内藤氏(74)が16日、会長として後進の指導に当たる横浜市内のE&Jカシアス・ボクシングジムで取材に応じ、思い出を語った。 かつて咽頭がんで余命宣告を受けながら復活した内藤氏。訃報はテレビで知り、入院していることも知らなかったといい「(自身が)余命1カ月なんて言われてる時に、(谷村さんが)面会に来てくれた。その後も『君オッケーだよ、大丈夫だよ』って言ってくれた。本来なら俺が先に死ぬんだよ。まさかね俺が生き残っちゃって。俺からしてみたらちょっと逆転しちゃったかな。今回のことはとてもショック」と驚きを隠せなかった。 谷村さんは、内藤さんのプロ復帰やその半生描いたノンフィ
大橋ジム会長の大橋秀行はいまや、井上尚弥をはじめ5人の世界王者を輩出した名伯楽として名を知られている。だが、現役時代の大橋は幾度となく強者との激闘を繰り広げ、1980年代中盤から90年代前半まで日本ボクシング界を牽引した名チャンピオンだった。軽量級離れした強打を武器に「150年に1人の天才」と呼ばれた男は、どんなボクシング人生を歩んできたのか。「ボクサー・大橋秀行」の知られざる足跡に、ロングインタビューで迫った。(全4回の1回目/#2、#3、#4へ)※文中敬称略 「尚弥と違って、俺は何度も木っ端みじんにされた」 相手の背中から巻き込むような左ボディが脇腹をえぐる。王者を2度転がしてテンカウントを聞かせた。1990年2月7日、東京・後楽園ホール。新チャンピオンとなった大橋秀行は緑のベルトを腰に巻き、超満員の観客から沸き起こった「バンザイ」コールを体全体で浴びた。 WBA世界ミニマム級王者の崔
WBA・WBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗(BMB)が9月18日、東京・有明アリーナで元2階級制覇王者のWBC指名挑戦者、ヘッキー・ブドラー(南アフリカ)と防衛戦を行い、9回2分19秒TKO勝ちでベルトを守った。寺地はベテランの技巧派ファイター、ブドラーをいかにして攻略したのか。難しいゲームメイクを強いられた一戦を、寺地が絶対の信頼を置く参謀・加藤健太トレーナーと振り返る。 「軽く勝たないといけない試合」の難しさ 35歳のブドラーはキャリア39戦のベテランだ。2018年5月、日本で田口良一を下してライトフライ級2団体王者となり、マカオで行われた初防衛戦で京口紘人(ワタナベ)の軍門にくだった。試合巧者の印象こそあれ「怖い」と感じる要素はない。迎え撃つ寺地はいまや「アマプラ興行」の立派なメインイベンターだ。寺地の父、BMBジムの寺地永会長は戦前、「軽く勝たないといけない試合」と口にするほ
プロボクシングWBC、WBO世界スーパーバンタム級王者井上尚弥(30=大橋)が1日、都内でトレーナーの父真吾氏(51)とともにWOWOWエキサイトマッチの収録に参加した。7月25日、東京・有明アリーナで無敗のWBC、WBO世界同級王者スティーブン・フルトン(29=米国)に挑戦し、8回TKO勝利を収めたファイトを自ら振り返り、心境や戦略などを語り尽くした。収録後には、取材に応じた。 現在、12月の4団体王座統一戦開催に向け、WBAスーパー、IBF世界同級王者マーロン・タパレス(31=フィリピン)陣営との交渉が続いている。既にタパレスの試合動画をチェックしたという井上は「思ったよりもタパレスはディフェンス面がいいなと思った。フルトンよりもパワーもありますし、思ったよりも良いボクサーだと感じた。(試合実現が)楽しみですね」と声をはずませた。既にミット打ちなどではタパレスをイメージしながら取り組ん
スーパーバンタム級最強と目されたフルトンに8回TKOで勝利をおさめた井上尚弥。衝撃の完勝劇の裏にはどんな駆け引きがあったのか? 井上尚弥vs.フルトンの”勝負を分けたポイント”を元WBA世界スーパーフライ級王者の飯田覚士氏が2回にわたって徹底解説! 第1回は、試合の趨勢を決めた序盤の攻防についてーー。<全2回の#1/#2へ> 井上尚弥の何が凄かったのか… 「相手が強くなきゃ実力以上のもんは出ない」 永遠のバスケット漫画「スラムダンク」で桜木花道の試合を見守る親友・水戸洋平が語った言葉がふと思い出された。元WBA世界スーパーフライ級王者、飯田覚士氏の「解説」を聞き終わった後のことだ。 確かに井上尚弥は強かった。そしてまたわざわざ敵地まで乗り込んだスーパーバンタム級2団体世界王者スティーブン・フルトンもさすがだった。
22年ぶりに起きた“替え玉ボクサー事件”を主催した平仲信明会長(左)が激白。マッチメイクを任されたボビー・オロゴン氏(右)が委託した仲介者が手配したという(資料写真:中井幹雄/アフロ) プロボクシングの興行でJBCに申請した選手とは別人の2人のナイジェリア人が試合をした“替え玉ボクサー事件”について協議するJBCと日本プロボクシング協会の実行委員会が今日30日に都内で行われる。沖縄の平仲ボクシングスクールジムのトレーナーライセンスを持つタレント、実業家で格闘家でもあるボビー・オロゴン氏(50)が仲介を頼んだ人物が手配したものだが、同ジム会長で興行の主催者だった平仲信明氏(59)が沖縄から出てきて事情を説明する。正式な処分は後日になるがライセンス停止は免れない。平仲会長は、西部プロボクシング協会会長、日本プロボクシング協会副会長の要職にあるが、進退をセレス小林会長に預け、予定していた次の県議
元世界チャンピオンの平仲信明さんがプロモーターを務める「MUGEN挑」の20回目の興行が14日午後、北海道札幌市郊外のリゾート施設「シャトレーゼ・ガトーキングダム・サッポロ」で開催された。 メインの59kg契約の8回戦に登場した日本フェザー級1位リドワン・オイコラ(平仲BS)が同国人のサミュエル・モセス(ナイジェリア)を初回1分55秒でKOし、通算戦績を12勝7KO1敗とした。しかしオイコラの強さよりも、ほとんどパンチらしいパンチも受けずにダウンして10カウントを聞いたモセスの無気力ファイトぶりが印象的な試合だった。 オイコラはあっという間のKO勝ち 沖縄から世界を目指すアフリカのホープの来日5戦目は昨年の日本デビュー戦と同じ北海道のリング。相手が同胞のナイジェリア人であることに一抹の懸念を抱いたが、やはり……。開始ゴングが鳴ると、ジワジワと距離を詰め軽く手を出し始めるオイコラ(25歳)。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く