「戦時下に何をなし、何をなさなかったのかを、若い僧侶たちにも知ってほしい」と語る廣瀬卓爾さん=大津市で2023年7月31日午後6時4分、花澤茂人撮影 浄土宗の僧侶らで作る「浄土宗平和協会」が、戦争に協力した歴史的事実を検証した結果をまとめた。命の大切さを説くはずの僧侶たちが、なぜ戦争に加担してしまったのか。 平和協会が7月に公表した「浄土宗『戦時資料』に関する報告書」は169ページにわたる。経典の解釈によって戦争を宗教的に意味付けた▽宗派として戦闘機を献納した▽天皇と、浄土宗の本尊である阿弥陀(あみだ)仏を同一化する教説が大きな影響を与えた――など、驚くような内容も含まれる。 中でも、天皇と阿弥陀仏の同一化については「浄土宗における戦時教学の最大の特徴」と指摘。浄土宗務所が1938年に発行した資料に記された「私達に取って 陛下は『阿弥陀』でまします」という文言を象徴的に紹介し、「『天皇の命