昨夏に閉館した藤沢市の映画館の技師らが、自分たちの手でミニシアターを作ろうと動き出した。その名は「輪輪(わわ)シネマ」。まずは会場を借りる移動式上映会でファンを増やす。9、10の両日、最初の上映会が茅ケ崎市内で開かれる。 中心メンバーは、惜しまれつつ60年の歴史に幕を閉じた「フジサワ中央」の元映写技師、高林健さん(28)と、窓口スタッフだった長谷川文乃さん(22)。 2人とも最初はアルバイト感覚だったが、徐々に映画館の魅力にとりつかれた。「お客さんとの距離が近く、『良かった』『つまんなかった』と言われると、本気で喜んだり落ち込んだり。いい興行にしたいと、前後に流す曲などに心血を注いだ」と高林さん。 閉館以降、興行への情熱が冷めず、自分たちの手で開館することを決意。意気投合した長谷川さんと共に、高林さんのふるさと・茅ケ崎で賛同者を募る活動を始めた。 目指すのは、シネコンでもミニシアタ