’08年の暴対法施行、さらには’11年に暴排条例が全国で施行されて以降、暴力団の居場所はどんどんと狭くなっている。この情勢に応じて一般人がヤクザを脅すというかつてなら考えられないような事態が起きているようだ。 「ヤクザにぶつけちまった……」 ひと昔前なら顔面蒼白、この世の終わりといった事態だが、今は立場が逆転している。某暴力団の二次団体に所属するA氏は、横断歩道を歩行中に信号無視で直進してきたカタギの車にはねられたが、泣き寝入りする羽目になったという。 「車の持ち主の男は、ペーパードライバーの女に運転させて、自分は助手席で酒を飲んでるようなクソ野郎。幸い全治1週間の軽傷で済んだけど、さすがにはらわたが煮えくり返って『休業補償もきっちり払えや!』って詰めたわけよ」 ところが、A氏はその際に自分の所属する組の名前を出してしまった。すると、その男はA氏が渡世人と知るや、一歩も引かずこう吹