有線音楽放送2位のキャンシステム(東京)が、自社の顧客のみを対象とした違法な安値キャンペーンで顧客を奪われたなどとして、業界最大手のUSEN(東京)に総額約113億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が10日、東京地裁であった。畠山稔裁判長は「競争を実質的に制限し独占禁止法に違反した」として、USEN側に20億円の支払いを命じた。 USENもキャン社の違法行為を訴えて計約143億円の損害賠償を求めたが、棄却された。USENは「承服しかねる。直ちに控訴する」とのコメントを発表した。 判決によると、USENは平成15年夏、キャン社の従業員約500人を一気に大量に引き抜いた。さらに、翌年夏までに、キャン社の顧客に対して月額聴取料無料期間を1年間延長するなどさまざまなキャンペーンを展開。約5万人の顧客を切り替えさせ、キャン社の売上高を減少させた。 畠山裁判長は、USENの不法行為で損害が出た期間を15年