カレー発祥の地インドでは、日本のような市販のカレー粉もルウも存在しません。インドでは料理メニューに合わせて、その都度、スパイスを調合します。素材や食べる人の好み、体調を考えてスパイスを自在に組み合わせ、日替わりの料理をつくる。それらの料理をインドの人たちは「○○カレー」とは呼びません。そもそもインドには「カレー」という言葉はなかったのです。 私たち日本人が本場のインド料理を食べるとどれも「カレー」のように感じますが、それは西洋の人たちが味噌を使った日本料理を食べると何でも「ミソスープ」と感じるようなもの。香辛料をふんだんに使ったインド料理には、スパイスの組み合わせの違いや素材、調理法の違いでそれぞれ固有の名前がついています。カレーに相当するメニューは、「スープ状のスパイス料理」になるでしょうか。 この料理が1772年頃イギリスに伝わり、「C&Bカレーパウダー」という世界最初のカレー粉が発明