ギガビット高速信号伝送を理解するための基礎知識(後編) ―― 特性インピーダンスからコーディング方式,SerDes回路,イコライザ補償まで 河西 基文 ●AC結合ではランレングスやDCバランスに配慮したコーディング方式が必要 高速通信のアプリケーションでは,伝送路中にACカップリング・コンデンサを配置し,直流成分のオフセット電圧をキャンセルする方法が多く採用されています.コンデンサを挟むと直流成分が通らないため,ランレングス('0'や'1'の連続数)やDCバランスを配慮したデータ・コーディングが必要になります. クロック信号はHighとLowの繰り返しの時間が短く,また同じ時間であればACカップリング(AC結合)を採用してもHigh側とLow側のエネルギーが同じ(DCバランスが取れている)ため,ACカップリング後の信号はDCオフセット電圧が変わるだけで,信号伝送において問題は起こりません.