—— 麻倉さんから、StereoSound ONLINE読者諸氏に知ってもらわなくてはならない重要な案件があるというお話をいただきました。テレビ放送の録画にまつわるテーマとのことです。 麻倉 きわめて、由々しき事態と言っていいでしょう。これが決まってしまったら、皆さんがお使いのBD/HDDレコーダーや録画用ディスクが値上げされることになるのです。 —— それは唐突な話ですね。いったいどういうことなのでしょう? 麻倉 実は今、文化庁が中心になって「私的録画補償金制度」を復活させて、BD/HDDレコーダーに適応しようという動きがあるのです。その場合は出荷価格の1%ほどの補償金が課されることになり、そのコストは “製品の値上げ” という形で、われわれユーザーが負担することになります。 —— 「私的録画補償金制度」というと、ずいぶん昔にDVD-Rなどに課金されていたはずですが、今でも続いていたんで
一昨年、昨年、と、年末に大きなセンセーションを巻き起こしてきたSARVH対東芝の録画補償金請求訴訟。 第一審、控訴審と訴えられた東芝側が勝訴していたものの、各争点について、控訴審が第一審の判断を180度ひっくり返すような判断を示していたこともあって、最高裁がどのような判断を示すのか、というのが注目されていたところであった。 だが、今朝の朝刊に掲載された記事を見て、あらびっくり・・・。 「デジタル放送専用のDVDレコーダーなどの録画機器を巡り、著作権団体の『私的録画補償金管理協会』が東芝に、機器の売り上げに応じた著作権料(私的録画補償金)約1億4千万円の支払いを求めた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(金築誠志裁判長)は9日までに、協会側の上告を退ける決定をした。東芝側勝訴の一、二審判決が確定した。決定は8日付。」(日本経済新聞2012年11月10日付け朝刊・第38面) おそらくは、いわゆる「
アナログチューナー非搭載のDVDレコーダーに対する私的録画補償金の支払いをめぐり、私的録画補償金管理協会(SARVH)が東芝を相手取り起こしている訴訟の控訴審で、知的財産高等裁判所(知財高裁)は2011年9月13日、口頭弁論を終結した。 判決は12月22日に言い渡される。 同訴訟は、SARVHが2009年11月10日に提起した。東芝が同年2月1日に発売した、アナログチューナーを搭載しないDVDレコーダー2機種3モデルについて、SARVHが東芝に補償金の支払いを請求している。 2010年12月27日に東京地方裁判所で言い渡された1審判決では、アナログチューナー非搭載機は私的録画補償金の対象機器に該当するとした一方、補償金の徴収に関する東芝の協力義務について「法的拘束力を伴わない抽象的な義務に過ぎない」と判断し、SARVHの請求を棄却している。SARVHはこれを不服として知財高裁に控訴していた
この年末になって、著作権実務(というか、録音録画補償金実務)に極めて大きな影響を与えるような判決が、東京地裁で出された。 「デジタル放送専用のDVDレコーダーなどの録画機器を巡り、著作権団体の私的録画補償金管理協会が東芝を相手取り、録画機の売り上げに応じて著作権料(私的録画補償金)約1億4千万円を支払うよう求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であった。大鷹一郎裁判長は「メーカーが著作権料を集めて協会に支払うことは、法的強制力を伴わない抽象的義務にとどまる」として請求を棄却した。今回の判決を著作権政策全般に影響を及ぼしそうだ。」(日本経済新聞2010年12月28日付朝刊・第9面) 今年はフェアユースをめぐる議論の陰に隠れて、そんなに話題になることもなかった録音・録画補償金問題だが、思い返せば昨年著作権業界で一番ホットだったのは、この話題。 地デジ移行前年、ということで、対応テレビとともにDVD
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あれからかれこれ2カ月――。折りに触れて,考えを巡らしたり,関係者や専門家に意見を聞いたり,ネットを検索したり,はてはTwitterなどにこっそり話題を投げてみて,この問題に詳しい人たちの反応を探ったりしてきましたが,自分の中でどうにも納得のいく結論が出ない疑問があります。 何の話かというと,デジタル放送専用(アナログ・チューナーを搭載しない)のDVD録画機について,私的録画補償金管理協会(SARVH)が東芝に起こした裁判の話です。SARVHはなぜ,東芝を訴えたのか。いまだにそこがどうしても腑に落ちないのです。 SARVHは2009年11月10日に,東京地方裁判所に東芝を提訴しました(Tech-On!関連記事1)。東芝はそれまでに,2009年2月に発売したDVD録画機「RD-E303/G503」以降,デジタル放送専用のDVD録画機について,著作権法が定めた私的録画補償金を徴収しないと同年4
グーグル・ブック検索の修正和解案では、事前の強気という情報とは裏腹に、対象が英語圏の国(アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア)の書籍に限定されることになりました(→公式サイト)。詳細に調べてみたわけではないのですが、おそらく日本の書籍への影響は極めて限定的なものになるでしょう。また、今回の和解が元々「米国」に限定されていたのですから、すでに日本でも実施されているブック検索(検索利用や一部の参照)については、和解案の影響はなく従来通り継続されるものと予想します。なんだか「オレの時間を返せ」と思うところではあります。 閑話休題。 さて、アナログチューナー非搭載レコーダーについて東芝が私的録画補償金を徴収しなかった件について、私的録画補償金管理協会(SARVH)が、訴訟を起こしました。この件について、文化庁が「アナログチューナー非搭載機も補償金の対象である」と回答したことを問題視し、MIA
前回・前々回と「SARVHvs東芝」をよく知るための私的録音録画補償金FAQを書いてきました。予告している発展編の前に、番外編です。 本件紛争について「政令を変えたもの勝ち」であるという見方があります。本稿ではこの見解を検討していきます。 行政活動の限界 bn2islanderさんは「権利者がメーカーを訴えた場合、裁判所が著作権法の条文だけを読んで判断するのであれば、権利者側が勝つ可能性が五分以上はあると考える」とおっしゃっていますが、このへんのところを一般論として*1捉えるとどうなるかということを考えてみましょう。 仮に「著作権法に『対象機器は政令によって決定される』と書いてある以上、施行通知で何を書こうが、政令が全てである。裁判所は該当の機器を政令と照らし合わせて、録音録画保証金の対象かどうかを判断する」という見解を採用すれば、行政庁は概ねフリーハンドの公権力行使が可能となってしまい、
私的録音録画補償金制度とは何なのか、その概略について基礎編でまとめました。 私的録音録画制度は、著作権者への利益の還元が目的とするもので、私的使用目的での複製の自由を確保しつつ、金銭で合理的解決を図ろうとする制度だということがお分かりいただけたと思います。 このことを押さえた上で、応用編です。 Q 私の録音機器にはボカロとか自作音源しか入ってないんですが、それでも補償金を間接的に支払うのは変じゃないですか? A その通りです。本来ならば補償金支払義務は発生していないので、補償金の返還が請求できることに一応なっているのですが…。 録音録画機器や記録媒体を購入しても、自作曲を録音するだけだったり、こどもの運動会を撮影したりするだけで、他者の著作権や著作者隣接権のコンテンツを複製していないという人もいると思います。 そのような場合、私的録音録画補償金を支払う必要はないはずですが、製品の価格に補償
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