NPO法人マニフェスト評価機構(理事長:松原聡・東洋大学教授)は7月21日、東京都内で公開座談会「年金マニフェストを問う」を開催した。司会は松原聡氏、パネリストは駒村康平氏(慶応義塾大学経済学部教授)、屋山太郎氏(政治評論家・年金記録問題検証委員会委員)、飯尾潤氏(政策研究大学院大学教授・マニフェスト評価機構政策評価委員)の3氏。ここでは、駒村、屋山、飯尾氏による立論の要点をお届けする。 1つ目は年金財政の「安定性」。2004年の年金改革で、ある程度見通しがついたと評価をされているが、少子高齢化が加速すると揺らいでくる。昨年末に発表された人口推計によれば少子高齢化の勢いは増している。2004年改革には当然限界がある。 2つ目は、年金制度の「デザイン」。国民年金を1階部分、厚生年金・共済年金を2階部分とする2階建て構造でいいのか、職業別に異なる制度でいいのか、厚生年金と共済年金は統合されたが