楽天グループの三木谷浩史社長が横浜で来月開くビジネスカンファレンス「楽天オプティミズム」に登壇する。同社が今年開催する最大のイベントだ。 同社はウェブサイトで「Rakuten Optimism =より明るい未来」とうたっているが、楽観主義ないしは楽天主義と訳されるオプティミズムは、最近の楽天グループを想起させるものではない。 同社は過去16四半期のうち15四半期で赤字となり、危機的状況にあるように見える。株価は金融危機後の日本株低迷時以来の安値水準で取引されている。 かつて楽天グループには、米アマゾン・ドット・コムや中国のアリババグループに匹敵する日本の大手電子商取引・テクノロジー企業として大きな期待が寄せられていた。だが、2017年にすでに激しい競争を繰り広げていた日本の携帯キャリア市場に参入するという決断を下したことで、5年余りにわたり全く身動きが取れなくなっている。 振り返って考えれ
「LINE、PayPayの力を最大限活用し、(Yahoo! JAPANなどの)メディア・検索を再強化する」 ソフトバンクグループ傘下で、ヤフーやLINE、PayPayの親会社であるZホールディングス(HD)の出澤剛社長は4月28日、2022年度決算説明会の場でそう宣言した。 同日、ZHDはかねて発表していたヤフー、LINEとの合併を2023年10月に実施し、新会社の社名を「LINEヤフー」とする方針を明らかにした。 合併と同時期にLINEとYahoo! JAPANのIDを連携させ、2024年度中にはPayPayとのID連携にも踏み出す方針も示された。連携を通じて、ユーザーごとの広告表示の適正化を進めて広告単価を引き上げるほか、グループ内サービスの相互利用につなげることを目指す。 再成長を期すべく、まさに勝負の年が始まったZHD。しかし同社にとって2023年度は、別の意味での勝負が待ち受けて
PayPayカードは4月21日、メインフレームで運用していた基幹システムのインフラをAmazon Web Services(AWS)に移行して4月に本格稼働を開始したと同日開催の「AWS Summit Tokyo」で発表した。国内クレジットカード業界では前例のない規模といい、専務執行役員 最高技術責任者(CTO)の信太宏之氏がその舞台裏を語ってくれた。 同社は、1963年設立の国内信販を源流として楽天KC、KCカードと変遷し、現在はPayPayの完全子会社として「PayPayカード」ブランドのクレジットカード事業などを手掛ける。2022年3月に1000万会員を突破し、5500万の決済ユーザーを抱えるPayPayとの連携推進など事業拡大を図り、会員数の倍増を目指している。 2015年にソフトバンクグループとなってからビジネスが大きく変わり、「『ネット屋の金融を目指す』というトップのビジョンの
連載:対談企画「CFOの意思」 ベンチャーの成長のカギを握る存在、CFO(最高財務責任者)。この連載では、上場後のスタートアップの資金調達や成長支援を行うグロース・キャピタルの嶺井政人CEOが、現在活躍するCFOと対談。キャリアの壁の乗り越え方や、CFOに求められることを探る。 【編集履歴:2023年3月2日午後1時 初出時の記事タイトルを修正しました】 「CFOの意思」第9回の対談相手は、ソフトバンクグループの後藤芳光氏。安田信託銀行出身で、2000年に現ソフトバンクグループに入社した後藤氏は、財務部長の他、常務執行役員、取締役などを歴任し、18年からはCFOを務めている(現在は取締役 専務執行役員 CFO 兼 CISO)。 同社の金庫番を務めてきた二十余年で、最もハードだった挑戦は? 世間を驚かせたボーダフォン日本法人の買収は、どのようにして実現させたのか。孫会長と伴走したこれまでを振
Zホールディングス(ZHD)は2日、持株会社のZHDと傘下のLINEとヤフーの3社を2023年度中をめどに合併すると発表した。同日の決算説明会では、合併の背景について説明された。 ZHDとLINE、ヤフーの合併 現在のZホールディングスは、メッセージングアプリ「LINE」などを運営するLINEと、ポータルサイト「Yahoo! JAPAN」やオークションサイト「ヤフオク!」などを運営するヤフーを完全子会社として有している。グループにはソフトバンクと共同で保有するPayPayや、上場子会社のアスクル、ZOZOなどを抱えている。 2023年度に実施される合併は、ZHDと、その100%子会社であるLINEとヤフーの2社を統合するもの。合併により、意思決定プロセスの迅速化と、重複事業の削減によるコスト効率化を図るという。PayPayやアスクル、ZOZOなどの関連会社は合併の対象とならない。 合併発表
楽天グループについて分析します。直近で2022年第2四半期決算が発表され、なんと8四半期連続営業赤字という状況です。8四半期ですから、丸2年ということになります。ずっと赤字を計上しているわけです。この赤字の原因というのが、楽天モバイル事業(携帯電話事業)になるわけなんですが、この赤字がいったい、いつ黒字化するのか?というのが大きな焦点になっているのです。私が見るところによると、楽天はこのモバイル事業を、そもそも続けていけるものなのか?と疑問を抱いているわけです。逆にモバイル事業がなかったら、楽天はどれだけ良くなるのか?どのような株価がつくのか?ということも、この記事では試算をしています。ぜひ楽天の株価や、事業に興味のある方はご覧になっていただければと思います。 (『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』栫井駿介) 【関連】バフェットに憧れた孫正
【ロンドン=篠崎健太】スイス金融大手クレディ・スイス・グループが英金融会社グリーンシル・キャピタルの経営破綻をめぐり、ソフトバンクグループ(SBG)に未回収資金の賠償を求める本格的な訴訟手続きに着手したことが11日、明らかになった。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。FTによるとクレディ・スイスの弁護士が英国の高等裁判所に対し、正式な訴訟を始める許可を前週申請した。可否の判断が下るま
単なる取締役交代ではない 新年早々、中国のIT5強「BATHB」(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ、バイトダンス)の一角、アリババ(阿里巴巴)に「異変」が起こっている。 先週1月10日の夜、中国版ツイッターの「微博」(Weibo)が、自社の公式ページで、次のようなメッセージを発信したのだ。 〈 本公告は、微博股份有限公司(「本公司」)に関する、「香港聯合取引所有限公司証券上場規則」(「上場規則」)第13.09及び13.10B条及び香港法例第571章「証券及び先物条例」第XIVA部項目の内部情報条文「定義見『上市規則』」発刊に基づくものである。 本公司は、張勇氏が本公司の董事会(取締役会)を辞任することを宣布する。そのことは2022年1月10日から効力を発する。董事会はこの機会を借りて、張氏が本公司の董事(取締役)の任期内に、本公司において貢献し、提供してくれた服務に対して、感謝
「監督官庁からの天下りは人的わいろだ」――ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義社長が決算発表の場で、日本の産業界にはびこる天下りの仕組みを「日本の構造的問題だ」として批判する一幕があった。 きっかけはNTTと総務省幹部との会食問題への認識を問う報道陣からの質問だった。孫社長は「監督官庁との癒着のような会食は当然いけない」と批判した上で、「うちは自分たちの監督官庁から天下りを受け入れないと公言している」と説明した。 この回答を皮切りに“孫節”がさく裂した。孫社長はさらに「年間数千万円の報酬を払って、天下りを監督官庁から受け入れるのは会食よりももっと大きな問題。もっと人々から責められるべきこと。人的癒着、人的わいろだ」と批判。金融、通信、教育などの各業界でもみられる問題だとし、「副社長などの形で監督官庁から人材を継続的に受け入れている会社と、“卒業コース”のように送り出す監督官庁はどういう癒
ソニーの経営改革に注目が集まっている。これまで持ち株会社の名称であった「ソニー」は、「ソニーグループ」と改名する。従来の社名であった「ソニー」は、エレクトロニクス事業を取り扱う子会社が襲名するかたちとなる。 また、同社は子会社であるソニーフィナンシャルホールディングス(SFHD)に4000億円規模の株式公開買付(TOB)を実施し、完全子会社化することを決定した。グループ収益の中でも、中核を担う生命保険をはじめとした金融事業を完全子会社化することで、安定的な収益源を内部に取り込む公算とみられる。 SFHDは上場廃止となり、ソニーとの親子上場関係が解消されることとなる。これによりソニーの親子上場関係は残すところ、SMN(ソネット)とSREホールディングスの2社のみとなる。実は、このような親子上場関係の解消の動きがここ数カ月で増加していることをご存知だろうか。 19年11月には東芝が上場子会社3
ネット通販大手のZOZOがヤフーに買収されることが発表され、それに伴い創業者の前澤友作氏が社長を退任した。注目されるのは、「なぜZOZOを売ったのか」「今後、前澤氏は何をするのか」だ。「600億の借金を返すために会社を売ったなんて思われたくない」と語る前澤氏が、プロインタビュアーの吉田豪氏の取材に答え、ZOZO売却の背景と「新会社」について語った。 * * * ──多額の借金がある人が21年やった会社を手放して新しいことを始めるとなると、「借金を返すために売ったのか」と勘ぐられますよね。 前澤:まあね。ひと言でいうと今後のZOZO社の成長のために、このタイミングしかないというタイミングで資本業務提携をヤフーさんと結ぶことができたんです。僕が株をなんで売るかっていうと、ヤフーさんが株を欲しいからなんですよ。ヤフーさんから見ると、ZOZOを連結子会社化するっていうのが今回の提携の条件ですからね
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く