上場企業の人員削減が加速している。東京商工リサーチによると、5月16日までに「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は27社で、対象は4474人に達しており、すでに2023年(3161人)の年間実績を超えた。
「こんな仕事、辞めてやる」。一世代前の流行歌では、上司にこう言い放つよう労働者に促す歌詞があった。米国民のリタイア動向から判断すると、数百万人がこの助言に従っているようだ。 エコノミストはかねて、ベビーブーマー世代の高齢化に伴い、人口に占める引退者の割合が急増すると予想してきた。しかし、新型コロナウイルス禍によって、引退者数は予想をはるかに超えて急増し、「グレート・リタイアメント(大引退時代)」と呼ばれた。こうした傾向は後退しつつあるかにみえたが、ここにきて再び跳ね上がり、昨年12月にはコロナ禍後の最高水準に達した。 米国の引退者数は現時点で、セントルイス地区連銀のエコノミスト、ミゲル・ファリア・エ・カストロ氏が考案したモデルの予測を270万人ほど上回っている。 Sharp Uptick In Early Retirements The number of estimated excess
Chinese President Xi Jinping on January 12, 2024 in Beijing , China, 12/01/2024 ( Photo by Didier Lebrun / Photonews via Getty Images) Photographer: Photonews/Getty Images 中国本土と香港の株式市場は前回のピーク時から計6兆ドル(約885兆円)相当の時価総額を失い、習近平指導部にとって痛みを伴う現実が浮き彫りとなっている。世界2位の規模を誇る中国経済の先行きに対する人々の見方は極めて厳しく、こうした悲観論はますます無視できなくなっている。 中国本土株のCSI300指数は今月に入り大きく下落しており、過去3年間の下落率はほぼ40%に達する。こうした容赦のない下げで、個人投資家が中心の中国株式市場の苦痛は広がる一方だ。 ブルー
■ 特別セッション「グロース企業は今のマーケット環境をどう捉え、どう戦略を立てるべきか」~第一線で戦うファンドマネジャー、CFOの視点~ 嶺井:早速、特別セッションを始めていきたいと思います。このセッションは「グロース企業は今のマーケット環境をどう捉え、どう戦略を立てるべきか」というテーマです。 嶺井:早速、登壇者の紹介をさせていただきます。最初にメドレー河原CFOよろしくお願いします。 河原:よろしくお願いします。貴重なお時間なので、可能な限り踏み込んで話をしようと意気込んできました。 河原:投資銀行の出身でメドレーには2016年に入り、IPOやプライム移行、上場後の増資(ABB)、M&A等を担当してきました。私がメドレーに入った直後、右も左も分からなかったタイミングで嶺井さんからこのイベントにお誘いいただき、それ以来、このコミュニティの方々とのつながりができました。 上場準備における細
東京は主要な金融センターとしての地位を再び確立するために何年も苦しんできたが、東京を取り巻く環境の「初期設定」が変わり、消去法で東京が残っていることが救いになるかもしれない。 かつて金融界の中心地であった東京は先月、ある銀行業センター番付で、アジアのライバルであるソウルや北京、深圳に後れを取り、トップ20から陥落した。東京市場が30年前に絶頂期を迎えていたころ、金融界の地図に辛うじて記されていた深圳は現在9位だ。 外国人トレーダーを呼び込むためのさまざまな試みは、東京都の小池百合子知事らでは解決が難しい現実に直面している。香港やシンガポールに比べて高い税率や、日常生活や行政で用いられる言語が英語ではなく日本語だということ、それに煩雑で迷路のようなお役所仕事は東京に不利に働く。 ただ、東京が魅力的な都市になりつつあることを示す兆しもある。資産家ケン・グリフィン氏のヘッジファンド、シタデルは世
特集「ホテル 復活の道筋」の他の記事を読む 「大阪万博に向けた改装のことを考えるとぎりぎりのタイミングだった」 リーガロイヤルホテル大阪(大阪市)を運営するロイヤルホテルは、1月に同ホテルをカナダ系不動産投資ファンドのベントール・グリーンオーク(BGO)に譲渡した。今後もロイヤルホテルは、同ホテルの運営を受託し、営業を続ける。ロイヤルホテル経営企画部の山中一茂副部長は譲渡という判断に至った背景をそう語る。 ポストコロナを見据え、ホテル業界がにぎわいを取り戻しつつある。 全国旅行支援の効果もあり、観光庁の宿泊旅行統計調査によれば、2月の日本人の延べ宿泊者数(宿泊人数×宿泊数)はコロナ前と同水準まで回復。訪日外国人も水際対策の緩和により、2月はコロナ前の56%まで戻ってきた。 宿泊人数が激減するという危機を乗り越えた各社であるが、ここにきてある問題に頭を悩ませている。インバウンド客獲得に向けた
だいぶ前から、もう時間の問題だと思われていたのだが、大阪アンジェスのコロナワクチン開発中止が正式に発表されたので、ここまでの経緯をまとめてみたい。 毎日新聞報道:大阪大発の製薬ベンチャー、アンジェスがコロナワクチン開発中止 2020年4月14日、吉村知事と松井市長が会見を開き、「オール大阪でワクチン開発を進める」「早ければ7月から治験を開始し、9月には実用化を図りたい」「年内には10万から20万単位でワクチン投与させる」とぶちあげ、新型コロナウイルスのワクチンを人に投与する臨床試験が大阪市立大病院で7月にも始まるとの見通しを明らかにした。 大阪市は、早速、アンジェス社と「新型コロナウイルス感染症にかかる予防ワクチン・治療薬等の研究開発に係る連携に関する協定」を締結。 5月1日には、アンジェス創業者でメディカル・アドバイザー森下竜一寄付講座教授は、自信満々に、ビジネス・インサイダー誌に「アン
SBI証券は6月末時点での預り資産残高が20兆円を突破したと発表した。2020年12月末時点の残高は17兆2000億円。半年で2兆8000億円増加した。 コロナ禍での非対面ニーズの顕在化や、好調な相場環境が影響した。また、20代、30代を中心とした個人投資家層の裾野拡大、同社が「ネオ証券化」呼ぶ各種手数料の値下げの取り組みが伸びに貢献した。 SBI証券は、19年に「3カ年計画でグループ内の証券会社で手数料の完全無料化を目指す」と公表。その後、20年10月には1日あたり100万円までの取引手数料を無料化し、21年4月には25歳以下の手数料を実質無料化した。また7月には、デイトレーダー向けに1回50万円以上の取引の手数料および金利、貸株料をゼロにするなど、幅広い層に向けて、徐々に手数料を引き下げている。 関連記事 SBI証券、600万口座到達 預かり資産残高、株式売買代金ともにネット証券トップ
4度目の緊急事態宣言が東京都に出された。みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔さんは「緊急事態宣言を乱発し、貯蓄に依存する日本経済の体質が常態化している。このままでは感染終息後も景気回復は見込めない」という――。 悪化し続ける日本経済の「ワニの口」 政府は東京都に通算4度目となる緊急事態宣言を発令、12日より適用した。期間は8月22日までの42日間となる。4月25日から6月20日までの約2カ月間を経て、3週間ぶりの緊急事態宣言である。なお、1月8日から3月7日も緊急事態宣言期間だった。 そうではない期間もまん延防止等重点措置期間が敷かれていたので、要するに2021年の日本経済は常に足枷を付けた歩みを強いられている。片や、海外に目をやると英国ではサッカー欧州選手権(EURO2020)の決勝が7月11日に6万人以上を収容したスタジアムで開催され、ウィンブルドン選手権も多数の観客を入
5月26日、五輪開催といえば、金融市場では「景気浮揚効果から株価にはプラス」というのが定石だった。都内で18日撮影(2021年 ロイター/Issei Kato) [東京 26日 ロイター] - 五輪開催といえば、金融市場では「景気浮揚効果から株価にはプラス」というのが定石だった。しかしコロナの感染が収まらない中、既に1年延期された東京五輪は、追加的な経済効果が乏しいだけでなく、政局への影響や感染拡大懸念から株式市場の重しとなりやすく、開催を延期・中止した方が日本株にプラスに働くとの見方が、ここにきてマーケットで急浮上している。
コロナ禍の長期化で最も厳しい状況に追い込まれているのがホテル業界だ。国内旅行者や出張者の大幅減少に加えて、2019年まで増加してきた外国人訪日客(インバウンド)が期待できないため、軒並み業績悪化に見舞われている。ホテル業界に詳しいPwCコンサルティング、リアルエステート&ホスピタリティの澤田竜次パートナーに、現状と今後の見通しについて聞いた。 澤田竜次(さわだ・りゅうじ) 1989年に第一勧業銀行(現みずほ銀行)に入行。大企業等の資本市場からの資金調達に絡むファイナンシャルアドバイザリー業務を経験した後、2000年に会計事務所系のコンサルティンググループに入社。主としてM&A戦略、企業再編・再生関連ビジネスを経験した後、07年1月よりホテル部門の立ち上げを主導。ホテルおよび不動産事業会社に対する戦略コンサルティング業務およびホテルの開発・売買時におけるアドバイザリー業務を提供。16年より現
▽支持率30%台で国会突入 「世界で猛威を振るい、わが国でも深刻な状況にある新型コロナウイルス感染症を一日も早く収束させます」。1月18日に召集された通常国会での施政方針演説で、菅首相は決意を強調した。「闘いの最前線に立ち、難局を乗り越えていく」「ワクチンは、2月下旬までに接種を開始できるよう準備いたします」とも訴えた。 だが、評価する向きはごく少数と言っていい。わずか3カ月前の2020年10月の所信表明演説で「爆発的な感染を絶対に防ぐ」と言明していたからだ。 旗振り役となった「Go To キャンペーン」の推進にこだわり、経済を優先した結果、感染爆発を招いたと、多くの国民が受け止めているのは間違いない。 世論調査の数字がこれを裏付ける。21年1月9、10両日に共同通信が行った電話世論調査で菅内閣の支持率は、前回12月の50%から41%に急落。16日の毎日新聞の調査では33%と、政権に黄信号
世界的に株価が上昇している。米大統領選でバイデン氏が事実上の勝利となり、早期に追加の経済対策が期待できそうなことや、新型コロナ感染症のワクチン開発成功の報道、世界的な金融緩和もある、なかでも上昇力が強いのが日本株。しかし、ここにいびつな価格形成が起きている。 ◇29年ぶりでもTOPIXが上がらない怪 日経平均株価は11月に入って3000円を超える上昇となり、29年ぶりに2万6000円を更新した。しかし、全銘柄の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)はようやく2020年初の高値を抜けたところに過ぎない。つまり225銘柄で構成される日経平均だけが上昇するという“いびつ”な価格形成が起きているのだ。これはなぜか。 ◇下落率の2倍もうかる投信 実は今回、日経平均を上昇させた主体がある。それは、先行き弱気とみた投資家の“買い”だ。株価の急落を予想している投資家たちで、彼らの投資先の代表例がNF日経ダ
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