RPGには、ストーリーよりも戦闘(バトル)の面白さと手ごたえを求める──そんなプレイヤーにこそ、『サガ エメラルドビヨンド』が刺さるだろう。 ただし、1989年発売の『魔界塔士 Sa・Ga』以降、35年の長きに渡り、ひとクセもふたクセもあるシステムを持つ作品を出してきた『サガ』シリーズの新作。本作もご多分にもれず、クセの強い”異形のRPG”になっている。 最も象徴的なのは、「ゲーム全体の7~8割近くを戦闘が占める」という構成だ。2016年発売の前作『サガ スカーレット グレイス』と同じく、本編のマップ探索などの戦闘以外の要素は最低限に抑えられ、とにかく戦闘に重点を置いたRPGに仕上げられているのである。 そこに「経験値とレベルの概念はなし」、「キャラクターの種族ごとに成長方法が異なる」、「新しい技は戦いを通して”ひらめく”」といった、『サガ』シリーズ伝統の個性的すぎるシステムが絡み合い、独